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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第七章、虚う神
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D-64 秘密兵器

『…………これはワイヤーか。』


アレイスターはギリギリでワイヤーを射出し、ワイヤーが巻き戻る力で神器を回避した。


「危なかった。」


あのままだと脳天がかち割れていただろう。


それにしてもなぜ急にやつは瞬間移動したのだろう。


未来視に映らなかったということは時間に影響する何かを見たということなのか……。


未来の事象を写す【時間順行】に映らなかったということは考えられるのは、


「過去の時間に干渉した?」


『なかなか勘がいいのう、我の時間干渉能力は【時間切除】。自分自身を10秒前の場所、状態に移動させる能力だ。』


「なるほど、未来視に映らない攻撃なんて厄介だ。でもそれだったら動きをよく見ていれば対策はできそうですが……。」


『くっふっふ、そうはいかんぞ、《霧化魔術》。』


虚神の体がゆっくりと消えて行く。


ただでさえ気配がなかったのに姿まで完全に消えてしまった。


アレイスターは未来視で何が起こるかを覗く。


そこには倒れ込む自分が写っていた。


「こ、これは?」


すると体が急にだるくなっていく気がした。


「か、体が……。」


熱が出た時のような脱力感、しかし急になぜ。


「そういえば以前もこれにやられた気が…………。」


アレイスターはその場に倒れ込む。


『くっふっふ、普通に考えて弱い相手でも斧なんて当たらないからのぉ。こうやってじわじわ弱らせてから頭をガツンとやるんじゃよ。』


アレイスターはそのまま意識が遠のいていく。


まずい、なんとかしなければ。


しかし体が思うように動かない。


「ま、まだだ!!!!」


アレイスターはポーチからイヤホンを取り出し耳につける。


そして何かを流し始めた。


『……何をしている?』


するとアレイスターの奥底から力がどんどん湧いてくる。


遠のいた意識も元に戻って体のだるさは吹き飛んだ。


「復活!!」


『な、バカな!!我の弱体化魔術が破れたというのか、一体それはなんだ!!』


「これですか、一回聞いてみます?」


そう言ってアレイスターは虚神にイヤホンを渡す。


虚神はそっと耳にイヤホンを差し込んだ。


『こ、これは!!』


『アレちゃん、あなたは強い子よ。だから大丈夫、頑張れるわ!!』


女性がアレイスターを励ますような音声が録音されていた。


「これは私の妻、神成愛夜が元気がなくて落ち込んでいる時にわざわざ録音してくれた音声だ!!」


『な、なにぃ!?』


そんなものに私の魔術は破れたのかと虚神はショックを受ける。


「ちなみに10時間あります。」


『長い!!』


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