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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第五章、最後の王天使達
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D-56 時間順行

ワイヤーは装置が勝手に作動し、ガブリエルの足にぐるぐると巻きついた。


装置自体がアンカーで地面に深く刺さっており、巻きついたワイヤーはキリキリと音を立てて装置の方に巻き取られている。


「な、なにぃ!?」


狼狽えるガブリエルにくすくすと笑いかけるアレイスター。


「いやぁ、私が聖夜くんたちを裏切る訳ないじゃないですか。時間の逆行に巻き込んでしまった罪の意識もありますしそれに私自身彼らのことが大好きですから。」


「ぐ、ぐぅ!!」


ガブリエルは必死にワイヤーを解こうとするが世界一硬い鉱物、オリハルコンを少量混ぜ込んだ合金ワイヤーはびくともしない。


ズルズルとゆっくり装置に引っ張られている。


「な、なぜ私が突っ込んでくると思った。まさか運なんて不確定な事象に任せたのか?」


「そんな訳ないじゃないですか。少し前にこの能力が発現したから分かっただけですよ。」


そう言ってアレイスターは目に手をかざす。


するとその手をかざした片目が目が青く光り輝き始めた。


「私の時間渡航者リモートコントローラーの力、その名も【時間順行(タイムプログレード)】。30秒というわずか先の未来がこの目を通して見ることができる。」


「ぐっ。だがな、足が使えなくても剣は使えるんだよ!!」


ガブリエルは握っていた蛇腹剣でアレイスターを攻撃する。


しかしどれも紙一重ですべてかわされた。


「未来が見える、という力は一見するとすごく地味な能力に見えるけど確定した未来を変えることのできるとても時間軸に影響する力だ。それゆえに体力や魔力の消費が激しくてあまり使える技じゃない、けどこれが発動している間君の攻撃はもう当たることはないだろう。」


「ま、まだだ!!」


まるで子供がする喧嘩のようにガブリエルは剣を振り回す。


アレイスターはそれをすべてかわす。


「さぁ、その動けない足ではこの魔術はかわせないでしょう。」


アレイスターの手前に小さな魔法陣が浮かび上がる。


魔法陣からは人二人分はある白い翼が生まれる。


翼の中で何か巨大なエネルギーが振動しているのを感じられる。


「《ゼノ=アルビア》。」


アレイスターが魔術を唱えれと翼がバサッと開かれ、中から真っ白なエネルギー球が出てくる。


そのエネルギー球はゆっくりとガブリエルの体を包み込んだ。


するとガブリエルはとても穏やかな表情でぐたっと眠りにつく。


「《ゼノ=アルビア》。相手の戦意を失わせ、荒んだ心を改心させるこの時代で最も優しい魔術です。ゆっくりと休んでください。」


アレイスターは『あなたが死ぬと悲しむ人が未来にいるのでね。』と一言残してその場を去った。








第九の王天使、【紫の基礎】ガブリエル 戦意喪失


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