D-47 第五ノ天命・ゲブラー
「ハッハッハ、行くぞ俺のエクストラスキル、【第五ノ天命・ゲブラー】!!」
ブォンと出てきたのは五角形の魔法陣。
ここでまた説明。
魔法陣は魔術を発動させるのに必要な儀式のようなもの。
使う魔術に応じて円、三角形、四角形、魔術文字を使って魔法陣を構成するのだ!!
ちなみに魔術が発動される前に魔法陣が破壊されると魔力が行き場を失って暴走するから注意が必要だ。
天之川もこの方法で一度聖夜に負けているぞ!!(詳しく知りたい方は『世界の食べなら何度でも』の第三幕(収束する世界)の第六章を見てくれよな!!)
「五角形の魔法陣?」
「そう、魔法陣の構成要素である円、三角形、四角形、魔術文字にはそれぞれ『魔力の循環』『魔力の放出、消費、規模』『火、水、風、土の第◯系統の属性』『命令』という意味がある。じゃあ五角形はどんな意味があると思う?」
「知らん。」
五角形の魔法陣がポンポンポンと聖夜の周りを取り囲む。
「くらえ、《峻厳の炎》!!」
真っ赤な炎が聖夜に向かって飛んでくる。
大きさも速さも聖夜にはかわせるくらいだったのでなんなく避ける。
しかし魔術は聖夜の先にある五角形の魔法陣にぶつかると90°の角度をつけて『反射』した。
「これが第五ノ天命の力、あらゆる魔術を反射する、ただ真っ直ぐ反射しないのが欠点だがな。」
カン、カン、カンと炎は跳ね返されて行く。
そして跳ね返った先には聖夜が、
ボッ!!
「あっつ!!」
聖夜は全身を炎に包まれる。
『お前ほんとダメなやつだよな。』
ん?
『何にもできないんだな。』
『それでも神の王かよ。』
『あのくらい避けれるだろ?』
『ほんと使えねぇな。』
焔の中から罵詈雑言が聞こえる。
え、なにこれ。
「峻厳の炎に焼かれた生物は厳しい言葉を投げかけられるのだ。」
「何だそのクソ魔術。」
聖夜は水の魔術で消化する。
火が消えると罵倒は止まった。
くそっ、意外とメンタルにくるな。
しかもゼロとミルド(元の世界の仲間)の声だったりユイ(元の世界の世界神であり聖夜と相思相愛の女)の声だったりで涙が出そうなんだが。
俺が胸を押さえているとカマエルは今度は蒼い炎を浮かべる。
「これは魂だけを焼き尽くす炎だ、これを大量に食らった生物は心が空っぽになるんだぜ。」
「へ、へぇ。そいつは喰らいたくないな。」
「行くぜ、【魂狩の炎】
聖夜は軽々初撃はかわす。
しかしその先の五角形魔法陣にぶつかると反射し、さらに今度は分裂したのだ。
「ふ、増えた!?」
「反射角を少しいじったら分裂もするんだ、早く食らわないとどんどん増えるぜ!!!!」




