D-2 やぁ!!
カランカランと鈴がなる。
「へいらっしゃい。」
昼間だというのに飲んだくれが多いのか酒場は大盛況だ。
「悪いねお客さん、今席がなくて。相席でもいいならすぐ案内できるよ。」
「じゃぁそれで。」
正直座って食えるならならなんでもいい。
俺は店員に勧められて席にたどり着いた。
相席の相手は白いフード付きの服を着た緑髪の青年だった。
すると相手は俺に一言、
「やぁ!!」
その声を聞いた瞬間俺は相手を蹴り飛ばした。
「なんでお前がここにいるんだ、アレイスタァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
「げぶぁ!!??」
相席の相手、顔馴染みのアレイスターは顔面に蹴りを入れられて飛んでいく。
「いきなり何するんだ、感動の再会じゃ無いか!!」
「感動も何も一週間前にあったところだろ!!てかお前嫁さんに会いに行くんじゃなかったのかよ!!!!」
「ちょ、ちょっと一旦落ち着いて!!席に座ろう。」
周りからの視線も痛いしとりあえず席に座る。
「それで聖夜くん。君に伝えたいことが」
「すみませ〜ん。魔牛リブステーキ5Kgとビール3樽、あと食後にチョコレートパフェ10個と赤ワイン1ボトルください。」
俺が注文すると店員はスッと厨房へ戻る。
「……そんなに食べれるのかい?」
「当たり前だろ、俺一週間まともに食ってねぇんだぜ。」
「そうかい……それで君に伝えたいことが」
「お待たせしました、ビール3樽です。」
アレイスターの言葉を遮るようにビールが机にがじゃんと樽ごと置かれる。
俺は置かれるや否や一瞬でビールを2樽飲み干した。
「ぶへぁぁぁぁぁ!!!!生き返るぜぇ!!!!」
「そ、それはよかった。それで伝えたいことが」
「お待たせしました。魔牛リブステーキ5Kgです。」
また遮るように店員がやってきた。
そして鉄板に乗せられた生のリブステーキを魔術で豪快に、エレガントに目と前で焼いてくれる。
焼き上がると俺はそのステーキを鉄板ごとガジガジと噛み砕いた。
「いやー、ここの肉うめぇな。」
俺は残しておいたビールをがぶ飲みする。
「聖夜く」
「デザートのチョコレートパフェでございます。」
食後に頼んだパフェ10個とワインがきた。
「ここいいな。作るの早いし飯はうめぇし。」
「そ、そうかい。それよりこの莫大な値段はどうする気だい?」
アレイスターは伝票を俺に突きつける。
そこには『6万ニヒト』と書かれていた。
そういや俺この世界の金持ってないや。