Aエンド
「さよならだ。」
俺は魔剣を思い切りアレイスターのクビに突き刺した。
アレイスターはしばらくもがいたあと、糸が切れたようにだらんと動かなくなった。
「………………。」
俺は手についた血を舐めとる。
「俺は……何をしてんだ。」
いっときの感情に任せてアレイスターを殺してしまった。
途端に今までのアレイスターとの思い出が蘇る。
初めて会った時、仕事を頼まれた時、殺し合った時。
どれも頭の中に鮮明にこべりついている。
「離れろよ……、離れろって言ってんだろ!!」
忘れようとすればするほど思い出はより濃く鮮明になっていく。
それは彼が、俺にとっての友達だったからだろう。
もう俺はダメだ。
ゼロ達を助けるとか言ったけど俺には明確なプランも何もない。
「死のう。」
行動は早かった。
俺はスルッと剣を引き抜き、自分の胸に突き刺す。
自分の魔力で作った障壁も解除しているため、剣はあっさりと胸に突き刺さった。
ばたりと倒れる。
これでいい。
いや、よくはないが今はこれでいい。
これが俺の償いだ。
「ごめんなゼロ、ミルド。ごめんな、アレイス……。」
思考が回らない。
腕が動かない。
これが死か。
一度経験した時より痛いなぁ。
あぁ、
「心が痛いよ…………。」
後日、死体が発見された。
死体は二つ。
その遺体達は手を繋いで一人は安らかな死顔の緑髪の青年、もう一人は悲痛の顔を浮かべていたという。
尚、第一発見者は水色髪の少女だったが現在行方がわからないという。
「残念だよ。二人ともが死んでしまうなんて。」
水色髪の少女はゆっくりと、宇宙の方を向いた。
世界のためなら何度でも–Aエンド




