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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第九章、イカれた道化師と戦闘メイド
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#161 イカれた道化師

一方ミルドは男を相手に一歩も引けない状態になっていた。


(あの男、武器は構えていないもののただならぬオーラを感じる。今一歩でも近づけば首が跳ね飛ばされそうだ。)


額から汗が噴き出る感覚に陥る。


緊張。


これまで戦ったどんな相手よりも緊張している。


すると男はゆっくりとミルドに近づいていく。


一歩、二歩、三歩……、


気がつけば手を伸ばせば届くところまで来ていた。


男が不意に口を開く。


「元気?」


だったその言葉だけでミルドは一歩後ずさってしまう。


ミルドは今、恐怖を感じている。


「俺はさぁ、ヴァン=クロムウェル。ちなみにヴァンがファミリーネームな。この世界の名前の順じゃないんだよな。」


一言一言が重たい。


まるで魂が揺さぶられているようだ。


「なぁなんで動かねぇの?剣振れば届くだろ。」


「…………。」


「あぁ、無意識に使()()()()のか。ごめんごめん。」


男はそう言って指パッチンを一回行った。


すると先ほどまでの恐怖が一瞬にして吹き飛んだ。


「ブハッ!!!!」


知らぬ間に呼吸が止まっていたのか一気に息切れする。


「俺は相手の魂を勝手に揺さぶっちゃうんだよな。だから俺と対峙した奴はだいたいビビり散らかすんだよな。ちなみにそこにいるリンは俺と初めて会った時ちびってたな。」


クロムウェルはゲラゲラと腹を抱えながら笑っている。


「あー、おもしれぇ。俺と出会ってビビらなかったのはアレイスターだけだ。あいつはたまに俺のこと見捨てて逃げたりするけど根っからのいい奴なんだよな。一回見捨てられたけど。」


またブフッと笑い出すクロムウェル。


ミルドは力の差に驚きそれどころではない。


あの魂を揺さぶられるのがまたきた時、自分は耐えれるのだろうか。


「俺も昔はこんなにヘラヘラ笑える人間じゃなかったんだぜ。それはもう悲惨な人生を過ごしてきた。まぁアレイスターとリンに比べればそうでもないけどな。」


聞いてないミルドを横目にクロムウェルは自分の過去を語り始めた。


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