#13 強欲の大罪人
「グラトニー、あの爆発魔を倒したんだって?」
「えぇ、まぁ。」
どうやらエンヴィーはクルシュ村で大罪人を待ち構え、ついでで爆発魔として人々をか騒がせていたらしい。
それを倒した俺は村長から賞金をもらっていた。
「ただ、あいつは確か指輪をはめていたらしいんだが知らないか?結構高そうな指輪だったんじゃが。」
「いえ、特に何も。」
嘘だ。
エンヴィーの大罪の指輪は俺がもらった。
魔神になるための一歩として。
他の大罪人は友好的なのかな。
もし友好的だったら一緒に協力して女神を殺したいんだけどな……。
ただ、この時の俺はまだ知らなかった。
現在、この世界に大罪人は自分を含めて3人以外全員死んでいること。
そして、残りの2人が化け物じみた力を持っていることを。
とある一国、〈グリード王国〉城内
「おい、飯はまだかー?」
「はい、ただ今。」
そう言ってメイド服をきたメイドが朝食を運んでくる。
朝食は、一国の王にふさわしい豪華な食事だった。
だが、
「……、俺ピーマン嫌いって言ったよな。」
その朝食にはピーマンの肉詰めが入っていた。
この男はピーマンと人参が大嫌いだったのであった。
それをすべてのシェフと家臣、メイドに伝えているはずだった。
だが朝食にピーマンが入っている。
これはこの男にとって非常に腹立たしい事であった。
「この料理を持ってきたシェフを連れてこい、1分以内だ。それと持ってきたメイドのお前、その場で待機しておけ。」
そういうと、家臣は風のように部屋を出て行く。
メイドは涙を流し、震えながらその場に佇んでいた。
約1分ほどで家臣がシェフを連れてきた。
「1分1秒だ。お前のせいで1秒ロスした。おいメンデル、こいつらは死刑だ連れて行け。」
「はい、ただ今。」
そう言って一番の部下、メンデルは3人を死刑場に連れて行く。
「お、お許しを!!」
シェフが泣きながら許しを乞うが、等の本人は気にも止めていない。
やがて奥の部屋から肉を剣で切り裂く音が3回ほど聞こえた。
そして部屋からは返り血に染まったメンデルが出てきた。
「無事死刑を執行しました。」
「ごくろう。けどお前血まみれだぞ。」
「これは失礼、しばしお時間いただいても?」
「構わん。ただし10分以内だ。」
「そんなにも……ありがたき幸せ。では行ってまいります。」
そう言ってメンデルは出て行く。
国王はでかい椅子にふんぞり返りながら紅茶を飲む。
実はこの男も大罪人の一人であった。
名、〈強欲〉グリード
種族、人間
レベル、320
称号、強欲の大罪人・怠惰の指輪の所有者・色欲の指輪の所有者・非情・無慈悲
所持指輪、強欲・怠惰・色欲
レベル300越えの実力を持ち、今最も指輪を持っている男は〈グリード王国〉の国王であった
しかし、もう一人の大罪人はこの男より甘くなかった。