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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第八章、天へと届く鐘の音の竜と
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#104 天鐘竜リルドモルト

翌日




俺はガーソンからピカピカに磨き上げられた魔剣を持ち、竜の住処に足を運んだ。




「ついた。」




「ここが天鐘竜の寝床ですか。」




天鐘竜の寝床と呼ばれたこの洞窟は一面が黄金に輝いていた。




「ちょっとぐらいパクってもバレないんじゃね?」




「マスター、きますよ。」




ゼロがそういって上を指差す。




洞窟の天井に空いた穴から竜が舞い降りた。




鱗は全て金の鐘でできており、羽は細いが力強い。




「こいつが〈天鐘竜〉リルドモルト。」




リルドモルトは俺と目が合うやすぐさまブレスを吐いた。




その息吹は黄金色に輝いている。




「触ったらやばそうだ、気を付けろ!!」




小さな動きで避ける範囲だったのでサッとかわし、剣を出す。




そして思いっきり竜を切りつけた。






ゴーーーーーーーーン






俺の剣は鐘の音と共に弾かれた。




「こいつの鱗全部純金の鐘でできているのか。」




俺は一旦引いて体勢を整える。




「ゼロ、頼む。」




「任せてください。」




俺がゼロにそういうとゼロは絶対防御形態になり、リルドモルトに真正面に突っ込んでいく。




リルドモルトがブレスを吐く。




案の定ブレスは目眩しのようなものだったがゼロは気にもとめず突っ走る。




そしてついにリルドモルトの懐まで到達した。




そこを後ろからついてきていた俺が飛び出す。




そして掌をべったりとリルドモルトにつける。




「《分解》!!」




錬金術には再構築の過程に分解というものがある。




ものを分解し、等価交換の原理を使って別のものに再構築するのが錬金術だ。




その分解の過程で錬金術を止めるとものは分解されたまま残されるのだ。




リルドモルトの鱗は『金』の鐘でできている。




よって金の構築式を知っていれば分解することなど造作もない事なのだ。




「ゼロ、いったん引いてくれ。」




ゼロが引いたのを見て俺は回復ポーションを投げ渡す。




「後はこっちのもんだ。」




竜にはとても硬い装甲のような鱗が付いている。




それを剥がせば攻撃がある程度通るようになる。




今俺はリルドモルトの鱗の一部を剥がした。




つまりその一部分を重点的に狙えば簡単に倒せる。




「一気に行くぜ!!」




俺は以前コックローチ戦に使った狙撃銃、アイスクリスタルを用意する。




そして俺はリルドモルトが自己回復している隙を狙って鱗が剥がれた部分を撃つ。




弾丸は着弾した瞬間弾け、氷柱がリルドモルトを突き刺す。






「グギャァァァァァァァァ!!!!」






竜が呻いている隙にリルドモルトに近づき、一気に剣を振り下ろす。






ガゴーーーーーーーーーーーン






竜が自己回復中に体力を使ったのか鱗が剥がれやすくなっている。




リルドモルトは苦しそうに呻きながらも尻尾でなぎ払ってくる。




しかし、絶対防御形態となったゼロに防がれる。




「マスターの邪魔はさせませんよ。」




リルドモルトは怒ったようにブレスを吐く。




俺は錬金術で壁を作り防ぐ。




「俺だって強くなってるんだよ!!!」




俺は空を舞い、リルドモルトの脳天に剣の腹を打ち込む。




頭の鱗がべきべきと音をたてて剥がれ、そのままリルドモルトは力無く倒れた。




「マスター剣で切らずに叩いて倒すなんて脳筋ですね。」




「うるせぇ!!」



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