ないしょ話
掲載日:2022/02/28
誰も知らないよ。
知られたくない明日の思惑。
楽しかったね。
あやふやな思い出だけど。
それでもいいよね。
薄い壁際で凭れてないしょ話。
誰も知らないから、もう手遅れ。
忘れないかな、あの子の涙。
忘れないかな、あの子の願い。
遠い遠い物語。
役立たずの瞳はゆらゆら揺れた。
思い出したね、わたしの涙。
思い出したね、わたしの願い。
遥か遠くに生まれた物語。
役立たずの心はゆらゆら揺れた。
てくてく歩いて歩幅を嘆いて、あの子の瞳に焼き付くわたし。
とぼとぼ歩いて無力を噛んで、あの子の願いに染み付くわたし。
知りたくないから忘れない。
早すぎる鳥たち、けたたましく哭いて行く。
大きすぎる鳥たち、不吉な流れ星になって行く。
知りたくないから忘れない。
知りたくないから忘れない。
あやふやな思い出だけで、眠らせて。
忘れられない、あの子の瞳。
忘れられない、あの子の涙。
遠い遠い時間を見つめあう。
知られたくない思惑抱えたわたし、あの子の瞳に焼き付いた。
役に立たない願い抱えたわたし、あの子の涙に染みこんだ。
遠い遠いと思った物語。
くるくる回る瞳に連れ去られた星。
背中合わせのないしょ話、くるくる回る星が降る。
ぐるぐる回れ、流れ星が墜ちないように。
聞こえなかったないしょ話、抱えて歩け。
遠い遠い時間を越えて、向かい合わせで教えてあげる。




