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転生した私は聖女かもしれない  作者: 御重スミヲ
71/80

71、観光企画


 貴族には華やかなダンスパーティーというイメージがつきまとうけれど。

 我が国の貴婦人は堅実な方が多く、大規模なパーティーを(もよお)すことはまずない。

 我々公王家をして、春先に建国記念式典を行うだけだから。

 新成人のデビューも兼ねているので、これだけはやらないわけにはいかないのだけど。

 なにしろ一回開くだけで馬鹿みたいにお金がかかる。

 そのくせたいていの貴族は隣の王国で衣装を作り、首長国の宝石を買って、帝国で加工するから国内への経済効果が薄いのだ。

 ならば観光客も地元民もまき込んだイベントを企画した方がよほどよい。

 つまりお祭りだ!

 基本的に政務にはノータッチの私だけど、観光大臣の上げた企画書がよほどしょぼかったらしく、公王陛下より手本を示すよう要請があった。

 一から考え出さなければと己を縛る不器用さなど持ち合わせていないので、ここは前世チートの出番である。

 春はお花の祭典、夏は花火大会、秋は収穫祭、冬は雪像造り。

 樹木、水辺、主要な建築物、すべてにライトアップは必須だ。

 これを柱としてパレードと屋台を追加。

 地元民を居住区ごとに分けて競わせたら、交流も増え、より団結するに違いない。

 それが災害時や徴兵時によい動きにつながるでしょうと追記。

 個人的にエレクト○カルパレードはぜひやりたい。

 地域に根差したものを発展させていけば、自然と独自色がでそうなものだけど。

 これまではどちらを見ても集落ごとに収穫祭を行う程度だった。

 それはそれで民の楽しみであるし、薄いワインや奥様方の手料理、キャンプファイヤーとフォークダンスの取り合わせも素朴でよいのだけど。

 演出としてくり返されるそれに、観光客が飽きはじめていることは数字に表れている。

 だからこそ私にお鉢が回ってきたわけで…

 春は山車(だし)、夏はね○た、冬は神輿(みこし)と季節で変化をつけるか、各地域に振り分けるか。

 はじめは押し付けになってしまうけど、優勝した団体に○○一年分等のご褒美があればモチベーションも保てるだろう。

 いずれはリ○のサンバカーニバルや阿○踊りクラスを目指したい。

 首長国のダンスは妖艶でかなり見ごたえがあるから、本人たちの参加は無理でも、衣装とダンスの指導をお願いしてみようか。

 一方で警備には相当に力を入れなければならない。

 人死になど出したらそのダメージははかり知れない。

 私は好物から食べるタイプなので、季節に関係なくできるエ○クトリカルパレードから実践。

 張りぼてに電飾がわりの魔石をつけて、専用魔動車に乗せた楽団に演奏させながら主要道路を練り歩く。

 初回は試しに貴族専用エリアなども設けたのだけど、庶民に混じって楽しむ人が圧倒的に多かった。

 それぞれ自己責任で護衛は連れているものの、警備兵たちは警備・誘導、落とし物の受付に迷子の対応と大忙しだ。

 その地域に密着した商店や教会に呼びかけた出店では、汚れ除けのお札やお守りがよく売れた。

 聖女の刻印入りとはいえ、中身は私が魔力を込めているわけでもない一般的なものだけど、値段が手ごろでお土産としてもちょうどよかったらしい。

 生活雑貨やちょっとした刺繍の入ったハンカチなども非日常感に助けられてけっこう売れる。

 箸やお椀はお高めだけど、物珍しさもあってちらほら。

 あとはこけし(聖女像)とか万華鏡とか。

 前世、地方の土産物屋によくあった安っぽいのをお茶会で作ったら、完成品をご覧になった公王陛下がはまってしまった。

 特に万華鏡。

 希少鉱物や宝石を使って見た目にも美しい芸術品をつくらせている。

「王侯貴族への贈答品としてちょうどよい」

「そうですか…よろしゅうございました」

 屋台飯には前世からの私の夢と希望がぎっしりつまっている。

 もちろん地域性を生かしたものもあるけれど。

 貴族舌を喜ばせるために第三公妃においで願った。

 ついでに駅弁メニューも考えていってください。

「駅弁とはなにかしら?」

 快適な辻馬車同様、鉄道自体がアトラクションと化していて、食堂車もよいけれど、やはり各種弁当は必須でしょう。

 かちこちのアイスクリームも忘れてはならない。

 ちなみに今回の私へのご褒美は海外(英語)の書籍百冊。

「とてもうれしいです。でも、どこにしまいましょう」

 小首を傾げて見せれば、公王陛下は得意げにお笑いになる。

 私専用の本棚としてマリアンナ図書館なるものを建てさせているのだとか。

 広い城内だからいつもどこかしら修復したり、増築したりしているので気付かなかった。

 北東の庭園を潰してトンカンしているのがそうらしい。

 さすがは旦那様、わかってらっしゃる!

 客寄せのネタはまだまだあるし、()きたら公募すればよい。

 早く本棚をいっぱいにしたいものだ。



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