表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した私は聖女かもしれない  作者: 御重スミヲ
68/80

68、ライトノベル


 支配者層にとって被支配者層は無知蒙昧(むちもうまい)な方が治めやすい。

 でも、国力を上げるためには才能のある者を見逃すわけにはいかない。

 教会では持たぬ者、つまり孤児たちの小さな武器となるように最低限の読み書き(ひらがなカタカナ)と計算(二桁の足し算引き算)を教えている。

 近隣住民にも希望するなら同様に。

 たいていの平民は自分の名前が書けて、そのうちの数割かが簡単な告知を読めて、おつりの計算ができる程度。

 小さな村では物々交換が主流で、知識人は町長一家だけというところも少なくない。

 日本の識字率約九十八パーセントという数字は、前世現代社会においても驚異的だったのだ。

 九年間学べば社会生活に必要なことが満遍なく身についているという素晴らしいシステム。

 でもこの世界、この時代に合っているかというと正直疑問だ。

 教育を受ける権利はありがたいけれど、画一的な詰め込み式にはもの申したい。

 知っていたからどうなのだということを表面だけなぞって、たいして賢くもないのに自分はできると思い込んでしまうのは不幸ともいえる。

 頭を使うのが苦手であれば、素直に肉体労働をして稼げはよい。

 それで搾取や詐欺が横行するのは、取り締まる側の問題かと思う。

 公王陛下は多数の巡察使を放つことでそれを抑止。

 特にあやしいところは、ご自慢の諜報集団に証拠を上げさせ対応している。

 国立学院の創設に向けた動きもあるけれど、対象はあくまで貴族と裕福な平民の子女。

 公王陛下は国民を大事にされる方だけど。

 それはあくまでご自分が支配する民を守らなければという思いから。

 やはり生粋(きっすい)の貴族なのだなぁ。

 かくいう私もいまや王族。

 だからこれはあくまで私のわがままな希望だ。

 できるだけ早く優秀な娯楽小説の書き手が育ってほしい!

 生活に絶対に必要とは言えないものを登場させるには、相当数の読み物が世に出まわる状況をつくらなければならない。

 読む人が多くなければ、書物の種類も数も少ないまま。

 読み手を増やすには、まず本にふれる機会を増やすべし。

 そこで公王陛下に公民館の設立を提案した。

 各村に一つ、町に一つ、大きな街に二つか三つ。

 民たちも収入が増えて、時間にも気持ちにも余裕が出てきたところ。

 いままでは野外や村長宅で行っていた催事を、天候や集まる人数に左右されずに行える場所を提供する。

 手本を示せば、カルチャースクール的なことも頻繁(ひんぱん)に行うようになるだろう。

 ドサ回りをする芸能集団も少なくない。

 ある程度頑丈に造っておけばもしもの時の避難所にもなるし、軍や冒険者の宿舎にもなる。

 人頭税の一人頭の金額は変わらないけれど、人口が増えた分いわゆる通行税や、前世でいうところの消費税と合わせて税収はうなぎのぼり。

 民に還元するのも会社、いえ貴族の義務だ。

 ハコモノ建設でまたもや人・物が動く。

 職員を常勤させることで働き口も増える。

 彼らには公民館にこそっと併設させた図書室で、絵本の読み聞かせや教師の真似事もしてもらおう。

 文学賞の創設も視野に入れているけれど。

 公妃や聖女の名を冠してしまうと、お堅い作品ばかりが集まりそうだ。

 それはそれで悪くはないのだけど。

 名の通った商会あたりに主催させた方が、望む結果を得られるのではなかろうか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ