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転生した私は聖女かもしれない  作者: 御重スミヲ
54/80

54、調査員


 自分の重要度を差し向けられる暗殺者のレベルで実感する今日この頃。

 怖くないと言えば嘘になる。

 なによりそういった悪意を向けられることが気持ちわるい。

 でも私には旦那様をはじめ、公王陛下の命を受けた有能な護衛騎士や諜報部隊がついている。

 ドラゴンブレスをも防ぐ汚れ除けの結界には絶対の自信があるし、意識さえあれば自分で自分を治癒することもできる。

 だいいち私以上に狙われている旦那様が平気な顔をしているのだもの。

 これはもう慣れるしかない。

 当初は誘拐目的の襲撃が多かった。

 そのすべてを退(しりぞ)けているうちに排除に切りかわったというか、暗殺目的のものだけが残ったというか。

 なかでも事故や病気に見せかけるいわゆる仕掛けや毒殺タイプが失敗すると、最後は寝室に忍び込んだり道中を狙った一撃必殺となる。

 技術は当然のように一流。

 そして殺気を発しない。

 感じさせないのではなく、殺意自体を持たないらしいのだけど。残念!

 悪意を持って放たれた矢をも(はじ)くくらいだもの。

 完全に道具と化した彼らをも(はじ)く。

 たぶん使用者の悪意に反応しているのだと思う。

 汚れ除けの結界で防ぎ、汚れ除けの結界で包んで確保。

 彼らは完全に心をなくしていて、治癒も浄化も効果がない。

 回復の見込みはないので、隷属の魔法陣と汚れ除けの魔法陣を入れ墨した。

 道具なら道具として最後まで大事に使おう。

 まず、自分を含めていっさいの殺人を禁じる。

 雇い主の弱みをそれとわからないように探り、その証拠と共に帰還せよと命令。

 一週間と期限をきったのは、改良した汚れ除けの魔法陣に充填(じゅうてん)した魔力がそれだけしかもたないから。

 私なりの試験のつもり。

 望むと望まざるとにかかわらずそういう道に入ってしまったのだから命懸けなのは仕方ない。

 これまでに帰ってきたのは四人。

 ジョン・スミス、ジョージ・スミス、ジョアンナ・スミス、ジーン・スミス。

 名前がないというのでつけた。

 彼らはこれから私が管理する荘園で家族として暮らす。

 表の家業は宿屋でも食堂でも農家でもよいのだけど、現在建設中の施設に逃げ込んでくる人たちの身上調査をさせようと思っている。

 まずスパイを(はじ)く。

 本物の被保護者には適切なケアをしたいから、それぞれの状態や状況を正確に知る必要があるし、場合によってはその保護者と()()して、完全に縁を切らせなければならない。

 守るべき者にそこまでさせるような(やから)は、弱みの一つや二つや三つや四つあるに決まっている。なんならつくってもよい。

 王立魔法学院の元学院長レディ・バイサールを信用していなわけではないけれど、彼女ご推薦(すいせん)の職員候補者たちの身辺を練習がてらさぐらせてみる。

 次いで建設に(たずさ)わっている者たち、荘園の代官、文官、聖騎士など。

 もともと暗殺の下準備として同等のことはこなしていたそうで、その能力は公王陛下の諜報部隊に(まさ)るとも(おと)らない。

 いまのところ我が荘園の住民は聖女(私)に心酔こそすれ、不正や反乱の芽など見当たらずありがたいことである。



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