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転生した私は聖女かもしれない  作者: 御重スミヲ
53/80

53、公都


 ハノース城とそれに付随(ふずい)する城下町の面積は同じくらい。

 いくら広大だとはいっても城は城なので限度がある。

 つまりハノース大公国の都は狭い。

 その上、この新しい国は間違いなく豊かなのだけど、その富の()りようを図にするとたいへん裾野(すその)が広く、低いピラミッド型になる。

 何が言いたいかというと、他国の都に比べて素朴な町だということ。

 それを証拠に第一公妃から第三公妃にいたるまで、建国記念式典ぎりぎりまで帰国を()ばすそうで、必要な指示は手紙か人を送って済ませている(私がお使いを頼まれることもよくある)

 こちらでも必要なものは手に入るのだけど、ものによっては時間が掛かるし、社交相手もだいぶん純朴(じゅんぼく)になるわけで。

 たとえば前世のパリから離れたがらない御夫人たちの(ごと)く、これからも一年の大半は向こうで暮らす気満々の彼女たち。

 子供たちもみな成人していて、あとのことは公王陛下がお決めになるでしょうとある意味他人事。

 第三公妃曰く、子供の出来についてはすでにあきらめている。

 自分たちの地位が保証されていれば文句はないらしく、その点うちの旦那様は信用が置けるから、おかげさまで無駄な権力争いをしなくてすむのがありがたい。

 公王陛下はとっくにお国入りをされていて、これからはおいそれと国外には出られないだろう。

 私は学院があるので週末だけ大公国に帰っている。

 魔法陣を描くのに一時間ほどかかるのが玉に(きず)だけれど、まだまだ改良の余地はありそうなので、いまの段階で固定化する気はない。

 聖女の泉まで跳び、そこから馬車でハノース城を目指す。

 多少暑苦しくはあるけれど、ここまで馬車で乗り入れ可能な道を整備してくれた義理の息子夫婦に感謝だ。

 二晩旦那様といちゃこらして、早朝聖女の泉まで馬車で乗りつけ、消えずにぼんやり光っている魔法陣に乗って帰還。

 聖地限定、往復がセットの転移魔法陣。

 別の人間や動物、物を乗せても作動しない。

 でも、身につけている服や装飾品は別のものにかえても問題ない上に、お土産も持っていけるので、どこまで可能か試してみた。

 梱包(こんぽう)した荷物に私がふれていれば共に転移できる。

 箱や(かばん)(ひも)を掛け、その(ひも)(はし)を持っていても可能。

 犬の首輪に(ひも)を結びつけても可能だけれど、物品のみを送ることはできない。

 向こうでマジックポケットの中身を出したり、さらに別の物を入れても大丈夫なのは先の通り。

 かなりアバウトでありがたい。

 ただ、犬と私が同じ魔法陣で一緒に跳ぶことはできなかった。

 別々の魔法陣で同時期にならばなんとか。

 政務で私が手伝ったのは、出納帳(すいとうちょう)や業務日誌(見本)の枠線(わくせん)引きくらい。

 複式簿記とまでいかなくても仕様を(そろ)えるだけでこんなに見やすい。

「こんな感じでどうですか?」

「うむ。これも()らせよう」

 よく執務室で旦那様を鑑賞したり、視察についていったりはするけれど、私たちがしているのはあくまで()()()()()()()()だ。

 あとは聖女として大公国内で顔を売りつつ、聖地の隣に温泉施設を造らせている。

 当然ハノース城には、前世の高級ホテルにも負けない入浴施設を増築済。

 公王陛下にも大変ご満足いただいている。



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