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第五話 新しい仲間

 討伐、まあ逃走獣の駆除も終わり、俺は伸びをしながら、宿のベッドの上から降りる。


 朝ごはんは簡易的なもの。

パンとスープ。


 宿でこれか? と思っていた時もあったが、毎日違う味のスープにパンを浸して食べればあら不思議!

めっちゃ上手いやんけ。


 今日もおいしいパンとスープの朝ごはんを食べ終え、今日の依頼を受けに行く。


そういえば、昨日の夜にパーティーメンバー募集の張り紙を出してもらったけど、どうなったんだろうか?


誰か来てくれてると良いけどな……。


「おはようございまーす」

「おはようございます! 今日の依頼ですが、その前に良い報告、聞きます? それとも依頼が終わってから聞きますか?」


 えっ?

いや、どうしよっかな……。なんて考えるわけないだろっ‼︎‼︎


「じゃあ先に聞きます」

「あちらに翠色の髪の女性がいますよね?」


 え? もしかして……。

いや、ダメだ。まだ、そうと決まったわけじゃない。


「あの方がパーティーに加入したい、と」


 イエス。イエス。イエス。

あ、調子乗ってたわ。


「ですが…………ってあ‼︎」


 何か言われそうになったが、気のせいだろう。


俺はその翠色の髪の女性のもとに向かった。


「えっと、あなたがうちのパーティーに入りたいっていう?」


「あら、じゃあ貴方がケウさんかしら?」


「え、ええ」


 なんだろう、見た目に反して結構オネェ口調に近い……。

まあ別に人の個性は否定しないけど……。


 俺だってあまり人のこと言えないし……。


「これからよろしくお願いしますね?」


「ええ、こちらこそ、よろしくねぇ」


 うふふ、と翠色の髪の女性は笑った。


「ああ、私はフレア=ライス=ウインターよ。えっと、鬼灯稀有、で良いのよねぇ?」


「ええ」


 後に名乗るとは……。個性の強そうな人だな……。


「それでは、今日の依頼に行きましょうか」

「そうですねー」


 ゲームでパーティーを組んだ時のような感覚で会話すれば良い。

なんとも楽だ。これが冒険者のコミュニケーションか

※違います


「では、今日の依頼は何にしますか?」

「そうだなー」


 まずはフレアさんの実力を知りたいところだ。

だったら近場で簡単な方を受けるべきだろうか?


「フレアさんてソロでどれくらいできます?」

「大体Bくらいよ。ソロならね」


 …………、え? 俺より高くない?

俺って確か今、F-四だよな?


「ん? なんでFパーティーに入ったかって思ってるの? 簡単よ」


 なんだろう、と俺は身構える。

何か良い理由でもあるのだろうか? それともサーシャ様からの差金だろうか?


「遠出はいや」


………………………。


 たっぷりと、その言葉の意味を吟味してから……。


「は?」


 と。

素っ頓狂な声が飛び出た。


 遠出が嫌?

ああ、そうか。Bになると遠出の依頼も受けなくてはならなくなるし、依頼の誌名も出てくるようになる、って言ってたっけか。それが嫌で、実力の低い、基ランクの低い俺のパーティーにやってきたわけか……。


「なるほど……。よく、わかります……。疲れるし……」

「そうよねぇ。転移魔術が使えれば良いのだけど……」


 はいでたよ。また知らない単語。


 魔術? ぶっちゃけ魔法とかわんないんじゃないの?


「とりあえず、ウルフの討伐、で良いかな? これなら討伐数に応じて、飛び級もあるわよ?」


 なかなか決まらない俺たちに、ウフィーレアが痺れを切らしたのか、そう切り出してきた。


 まあ、別になんでも良いんだけど。

日銭を稼げれば……。









 早速草原のほうに向かい、ウルフを探す。


「あらあら、いたわよ」

「ん? あ、本当だ」


 フロエに教えてもらった収納スキルから木剣を取り出し、構える。


「それじゃ、初手は任せます」

「ええ、魔術師といえば初手の高威力だものね」


 詠唱が始まる。

と思ったら、詠唱中に何故か魔術が発動し、爆発する。


 んん? どういう原理だ?


 詠唱の方が終了し、今度は爆発ではなくが炎の渦が吹き荒れる。

どういう原理だろうか?


 というか、初手で壊滅しているんですが……?

俺の出番なくないですか?


「あ、あの……」

「あら、ごめんなさいね……」


 頭をコツン、と叩き、テヘペロをするフレアさん。

まあ良いですけど……。楽以上にいいことはないですし……。


 俺のスキルは上位の敵に向いていますし……。


「ふふ、じゃあ、私は雑魚を狩る、でいいかしら?」

「当分はそれでもいいですよ。自己の判断で横取りしてもいいですけど……」

「そう」


 うー、気まずい。

というか、コミュ力が何の寿命よりも早く絶滅しそうな俺に何をさせているんだろうか。やばい語彙力まで死に始めてる……。


 疲れ、だな。


「? ああ、疲れてるのね……。少し、休憩しましょうか」


 俺とフレアさんはその場に座り込んだ。

フレアさんはアポス、というスキルで倒したウルフをひっぱて来て、一匹ずつ耳を刈り取っていく。


「それにしても、スキルが覚醒するまでずっとステータスが上がらなかったなんて、災難ね」

「ええ……。そう言えば、フレアさんてレベル幾つなんですか?」

「私? ちょっと待ってね。最近確認なんてしてなかったから」


 そう言って、フレアさんはステータスを見ているのだろうか、少しボーッとした。


「今のレベルは284ね。まだまだよ」


 え? 俺の聞き間違いか? カンストって100じゃないの?


「稀有は?」

「お、俺ですか? まだ26ですよ?」

「へぇ、F-四にしてはかなりどころか、段違いで高い方よ。誇っていいくらいにはね」

「F程度が誇ってても意味ないでしょう……」

「それもそうね」



 フレアさん、あなた、なんなんですか……。


 はい、とフレアさんはステータスをくるりと回し、こちらに見せてくる。

対象者の視界に入ると見える、という特性を生かした物らしい。


—————————————————————————————————————————————

名前:フレア=ライス=ウインター  年齢:23歳  職業:魔導師

Lv.284  SP・0


HP・44600  MP・82000

STR・28250  ATK・28200

VIT・25740  DEF・25030

AGI・23940  AVD・23%

INT・36180  RES・29170

DEX・21730  CRI・34%           〔スキルを確認する ↓〕

—————————————————————————————————————————————


 ぶっ壊れ性能だが……。

え? 何これ。基本的に2万単位なんですが?


 スキルを見ようと、確認する、を押す。



 が。

それと同時にフレアさんはステータス を閉じてしまった。閉じられれば開ける方法は何一つとしてない。


 鑑定は全て見ることはできないし……。


 でも、一つだけ、何か見えた気がしたが、気のせいだろう。

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