プロローグ
問題点(誤字脱字)を指摘してもらいました、ありがとうございますm(_ _)m
現在修正中のため次話と話が噛み合わない可能性があります
あらかじめご了承ください
成功しましたぞ‼︎ というおっさん臭い大声で、目が覚めた。
随分と嫌な目覚ましである。想像して欲しい。家の布団で寝てるのに聞いたこともないジジイの大声で起こされるとか公園のベンチで寝ててもそうそうないだろう。なんだったら美少女の声が良かったというのはしまっておこう。
何よりも自分の隣では、クークーと可愛らしく寝息を立てながら、2人でくっついて寝ている妹が二人いるのだ、なおさらである。
と、そんなことを考えているうちに頭が冴え始め、だんだんと周りも見えるようになっていった。
全体的に白を基調として赤と金の装飾が多い室内には、赤のカバーをつけられた豪華なイス、いや、玉座だろうか、があり、ピシッと座る人がいた。周りには白い鎧を纏った兵士のような人が数人いて、玉座の前に先ほどの目覚ましジジイがいた。
そのジジイの右横にはセルリアンブルーの長い髪を持ったドレスの女性がいた。
そしてよくよく周りを見れば、他にもたくさんの人が転がっていた。少なくとも、知っている顔は見当たらない。強いていえば妹がいる。
ボーッとした頭のままで妹たちを見守りつつ、時々辺りを見渡す。
そのうち僕以外にも起き出す人がで始めた。みんな訳がわからないと言う様子であった。中には叫び出し、兵士に宥められている人もいた。
そんな光景を眺めているのであろう国王らしき人物は、全員が起き出すまで何も言わないつもりなのか、こちらを静観している。
妹もそろそろ起きそうな予感がした。
ほどなくして、その場にいた全員が起きた。
それを確認してから、国王は口を開いた。
曰く、稀有たちはこの世界に現れた邪神と元から存在している、魔神王とその配下である魔王への対策、及び討伐を目的として召喚されたということ。
曰く、この世界で僕たちは特別な力を持つとうこと。
曰く、この国に召喚された僕たちの中に一人が勇者として選ばれ、しれ以外のものにもそれに準ずるであろう力が与えられるのだそう。
その話が終わると、国王はおもむろに立ち上がり、玉座の裏へ回ると、あるものを持って出てきた。
それはなんらかの板のようなものであった。
「これは人の力を見るものだ。このボタンに触れると、登録がなされ、自身のステータスが表示される」
その板はどことなくスマートフォンに似ていた。しかしそれはホームボタンと液晶画面のような長方形があるから自然とそう見えているだけで、実際は違うのだろう。
「このステータスの中には自身の持つ能力、そして身体能力や魔力数値化し、さらには自身の職業までも教えてくれる。これらは貴重品ゆえなくさぬようにしてほしい」
要するにけちん坊な王様は僕らに登録を行い、その結果を教えろとご所望なのであった。強いていえばこの板を無償で提供してくれるところは素晴らしい。
こんなもの買おうと思ったら一体いくらするんだ?
「では一人一人、我が前に来て受け取るがよい。ではまずそこのお前だ」
そういい、国王は1人の少年を指した。そういえばよく見るとあたりにいるのは学生ばかりである。少なくとも大人らしき人の影は見えない。
指された男はビクビクしながら近づき、板を受け取り、ボタンを押した。すると機械音声ではないが、それらしい声がし、認証がなされた。
男はきっと彼だけに見えているであろうステータスに見惚れているのかわからないが、動かない。そしてそれを誰も咎めようとはしない。
ほどなくして、男は板を国王に見せ、戻ってきた。
そしてまた次の人が指名され、指名され、指名され、自分の番になった。
「さ、ここに指を当てるのだ」
言われた通りに指を当てると、音がして、目の前に青白いがめんのようなものがうかびあがった。
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名前:鬼灯稀有 年齢:17 職業:破壊者
Lv.1 SP・200
HP・1200 MP・670
STR・120
VIT・300
AGI・130
INT・120
RES・240
〔スキルを確認する ↓〕
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指標がない以上、どう言った立ち位置に自分があるのかわからない。
しかし見える情報は伝えた。
特段何 か言われることもなく戻れてホッとする。
改めて板を見ると、スキル情報というのがあった。これが説明にあった、能力なのだろう。
早速、確認してみた。
すると、ステータスが消え、名前や職業欄だけになった。そして、またぼんやりと光が宿り、それが字となり始めた。無駄にハイテクなようだ。
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名前:鬼灯稀有 年齢:17 職業:未定
〈スキル〉
破壊〈現実・幻想〉条約Lv.3|(未解禁。あと7)・言語理解・先見の瞬Lv.2・瞬連の輝Lv.2
奪命剣 条件Lv.3 |(未解禁。あと5)・魔剣使役・連撃の瞬・Error
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いくらかすごそうなスキルがあるが、すでにレベルが上がっている。これは元の世界での経験が影響しているのだろうか。だとしたら納得いかないスキルがあるのだが….。
未解禁というのは条件レベルとなっている。多分これを上げ切らなければ発現しない、使用できないのだろう。
それぞれの詳細は確認できるが未解禁のスキルだけは何もわからない。
職業は未定となっているが決めれば変わるのだろうか?
そう思い、剣士になりたい、や魔法使いになりたいとか浮かべてみたが、変化はない。何か条件があるのかもしれない。
そんなふうに板を眺めていると、二つの小さな影が近づいてきた。
「お、お兄ちゃん…?」「……兄さん……」
妹。
どことなく距離感のある長女のクリスと甘えたがる次女のアリス。2人とも、昔から違うようでどこか似ている面があった。
「良かった…兄さんがいて…」
「お家、帰れるの…?」
2人とも思うところは違うが状況は受け入れられているらしい。
しかし、困ったことに自分にもロクな回答は持ち合わせがなかった。魔王だかなんだかを倒せと言われたが、どうやったら帰れるかについては何も言っていなかった。
「わからない」
悲しそうな顔をするクリスだが、言えることは知らない場所では何よりも生き残ることを重点的に考えるしかないということだ。むやみやたらに動いても、自暴自棄になっても現実は変えられない。
クリスの真剣な目を見つめていると、ちょいちょい、服を引っ張られた。
見ると、そこには板を持ったアリスがいた。
「兄さんは…どうでしたか…?」
きっと板のことを言っているのだろう。
「職業のところだけ空欄?だった。スキル?はいくらか3だったりしたよ」
「同じです…」
どうも仮説は正しかったのかもしれない。元の世界での経験に応じてスキルは生み出されているのだろう。
「でも…」
でも?
そういうアリスの視線の先にはクリスがいた。
視線に気づいたクリスはこちらに向き直し、板を取り出す。
「私、もう職業決まってるの…」
クリスだけなのだろうか、しかし説明もないまま仮説で考えるのは良くない、その考え2人に伝えると、納得したのか、次の指示を待つことにした。
2人はちょっと離れて2人で話し出した。どうせなら兄も混ぜて欲しいものである。
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