第3話;ダンジョン攻略
初戦闘シーンです。戦闘シーン書くのは難しい……
改善点あればお願いします。
ダンジョン攻略開始から数時間経過……
あっと言う間に3階層まで攻略してしまった。
えっ……こんな簡単なの!?
これが正直な感想だ。確かに外の魔物よりはかなり厄介だった。が、予想通り、もしくは予想以下といった感じだ。
第1階層はスライムだけだった。外では、ただ柔らかい物質が突撃してくるだけのような攻撃だったのが、物を溶かす液体のような粘液性のを吐き出して襲ってきた。厄介だ、確かに厄介なのだが攻撃モーションが余りにも遅い。簡単に躱せてしまう。
結局、様子見の1匹以外は全てスキル無しの一振りで、すんなり終わってしまった。
第2階層は調べた限りではスライムとゴブリンが半々くらいで出てくるという情報だった。
けど実際は違っていた。9割9分がゴブリンだった。流石にダンジョンのゴブリンは僕にとってはかなり辛かった。持ってきたポーションも半分ほど飲んでしまった。苦戦を強いられながらも何とか切り抜けることができた。
だがそれと同時に疑問が浮かんだ。情報ではこの階層はスライムとゴブリンの半々だったはずだ。なのにほとんどがゴブリンだった。
これは少し不味いかも知れない。
ダンジョンは基本的に階層が上がるごとに魔物の強さも上がっていく。
なら次の階層には何がいるんだ……?
最終階層にオークがいるとなっている。これは以前に調査団が立ち入って調査しているので間違いはない。その他の階層についても同様だ。ならこのダンジョンに何か異変が起こっていると考えるのが普通だ。
どうする?このまま引き返すか?
……いや、このまま行くしかない。ここで引き返し、家に帰れば父様に何を言われるか分からない。外出禁止令が出たら、それこそ希望が潰えてしまう。
取り敢えず見てみるだけなら大丈夫だろう。もし危険そうなら引き返せばいいことだ。
僕は覚悟を決め、上の階層へ続く階段へ向かった。
こつん、こつん
僕の靴音だけがこの静かな空間に木霊している。体が震えている、身震いか。頭では大丈夫だと思っていても体は嘘をつかないな……
階段を登りきった先には大きな扉があった。どの階層にも似たような扉がある。そこを通ればもう安全地帯なんて無い。戦場だ。
僕は『身体強化 小』を発動し、扉を開けた。近くにはいないか……
まだ大丈夫だろうと歩き出した。
それからどれくらい経っただろう……
多分中間地点くらいまでは来たはずだ。それにしても静かだ。それはもう不気味なくらいに……
ここまででまだ魔物に一度も遭遇していない。何か違和感を感じるが、何も無いのに歩みを止めるわけにはいかない。そして僕はまた1歩を踏み出した。
刹那、今まで嗅いだことも無いような悪臭が僕の鼻に襲いかかってきた。咄嗟に岩陰に隠れ、悪臭のもとを探した。数十メートル先に何か見える。
何だあれ?暗くてよく見えないな……
たが目を凝らして見るとそれが何なのかがわかった。
「なんで……なんで……この階層にオークの死体が転がってるんだよ……」
思わず声を発してしまった。だが言葉にせずにはいられなかった。これは確実に人生で一番最悪な光景だ。
オークの死体とは言ったが、正確にはオークの死体だったモノだろう。今は肉の塊にしか見えない。だが大きさから考えるにオークで間違いはないだろう。その奥にもう一体のオークが見える。仰向けになって動かない。あれも死んでいるのか……?
「ぐうぁ……ぐうぁ……」
いびきのような声が聞こえた。どうやら寝ているみたいだ。僕の声でも起きなかったか。間一髪だったか……
大丈夫、予定通りに動けば問題ない。オークに遭遇した時点で引き返す。
よしっ、引き返そう。
僕は来た道を戻るために振り返った。
何か嫌な感じがする。何かが近づいてきてる気配がする。
「嘘だ……何で?さっきここまで来たときには何もいなかったのに……」
豚のような顔、薄汚れた肌、擦り切れた布のような服……
間違いないオークだ……
どうしよう、挟まれてしまった。隠れてやり過ごすか……
いや、ここに隠れられる所なんてほとんどない。それこそ今いるここくらいしかないが、後ろからはバッチリ見られてしまう。どうやって逃げれば……
あれ……何で僕は逃げることばかり考えているんだ?
確かにオークを見たら引き返すと決めた。けどそれは目的と違うのではないか?
僕はレベリングのために来た。家から追放されたくないから。ここにオークがいることも分かっていた。ならオーク討伐に挑戦すべきでは無いか?
ゴブリンも確かに強かった、だがあれでレベルが上がるビジョンが見えない。ここでやらなければもう一生、オーク討伐を考えることも無いだろう。やるしかない……
剣を持つ手に力を込めた。剣がカタカタと震えている。
「ふぅー」
僕は一度冷静になるために呼吸を整え、『身体強化 小』を発動した。そして先手必勝と言わんばかりに、背後から来たオークに向かって突っ込んだ。
近づいてみて分かったが、かなり大きい。調べていて分かっていたことではあったが実際に見るのとでは全然違う。
2〜3メートル位はあるだろうか。その手にはオークの腰くらいまである棍棒を持っていた。向こうもこちらに気づいたらしく迎撃の姿勢を取っている。
だが僕はそんなことに構わずに突っ込む。そして僕の間合いにオークが入った。そこで僕は思い切り剣を振りかぶった。
キンッ
僕の剣とオークの棍棒が交わった。もう少しのところで防がれてしまった。
こいつ、見かけによらず動きが機敏だ……
僕は一度体制を立て直すために距離をとった。
そしてもう一度全速力で懐へ向かった。
オークが棍棒を僕めがけて一直線に振り下ろす。やはり頭は良くないようだ。
僕は振り下ろされた棍棒を何とか躱し、懐へ入った。そこで全力を込めて剣を振った。だが『身体強化 小』では力及ばず、浅い傷負わせるだけだった。だがその傷で明らかにオークの動きが鈍くなった。
このチャンスを逃すわけにはいかない!
僕は持てる力の全てわ使って剣わ振り続けた。一度で無理なら何度でも剣を振ればいい、ただそれだけだ。
何度剣を振っただろうか……
数十秒前までは降りかかる棍棒を躱しながら斬っていた。だが今はほとんど抵抗していない。というよりもうほとんど動けない。だが息絶えたわけでは無い。確実に殺らなくてはいけない。
肌を斬るたびに血を浴び、異臭を放つ。もう2分ほど斬り続けている。
ん……?
今までと手応えが違う一撃だ……
僕はそう思い、オークから距離をとった。すると最後に斬った所からまるで噴水のように血が吹き出てきた。そして体が斜めにずれ落ちた。下半身はまだ倒れていない。
「よし……やった……僕はオークを倒したんだ!!」
正直もう動けない。僕は全力を出し切った。そしてオークを倒した。
だがレベルが上がる気配は無かった。
まぁいい、僕でもオークを倒せることは分かった。これからでもチャンスはある。
僕は胸が高鳴るのを抑えて来た道に向き直った。
そしてダンジョンを出る為に一歩を踏み出した瞬間……
強い衝撃に当てられ、僕は気を失った。
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