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第1話;家族紹介

一応ここからが本編です。



ここは王都ウィシュト、から少し離れた森の中。ローレン家邸宅の一室。


 この物語の始まりの場所。


 










「んー、いい朝だなぁ」


 窓を開けるとその光に呑み込まれてしまいそうなくらい目映い朝日が差し込んできた。


 すると、コンコンと部屋の戸が鳴り、


「失礼します、フェイ様、朝食の用意が出来ましたので食卓へお集まり下さい」


 この人はこの家で働いている者のトップでだ。名をセレスティン=ホレストという。ローレン家の執事をしている。


 僕が生まれる以前、お父様が丁度今の僕くらいの年の時からこの家に仕えている。


 皆、「セレスさん」と呼び親しんでいる。


「分かった、今行くよ。ありがとう、セレスさん」


 そして僕はフェイ=ローレン。ローレン家の次男だ。







 ローレン家は王国でも5本の指に入るほどの貴族であり、議会でもかなりの権力を有している。


 そんな大貴族の家に生まれた僕は産まれた頃から英才教育を受けてきた。


 最初は弱くても、lv,10になって強力なスキルを獲得するかもしれないと様々な教育を施された。


 たが7歳になったある日、それは突如父様から告げられた。


「お前にもう教育は必要ない」


 と。


 僕は悔しかった。それからは父様を見返すために毎日家を出て魔物を狩り、レベリングに努めた。


 だがそれから1年経つ今でもlv,9のままだ。それまでは幾ら成長速度が遅いと言っても1年にlv,1は上がっていた。これでは不味いと思い今まで以上に魔物狩りに時間を費やした。


 剣術を教えて貰ったことは1年間ほどあった。その時の教えを思い出して剣を振っている。


 ただ、今も指導して貰っているレクス兄様に比べたら足下にも及ばない。


 さらに、剣術だけでなく、格闘術も秀でている。剣術勝負なら国でもかなり上位には入るだろう。その腕前は国からも認められている。12歳になった今は、中位の魔物討伐に駆り出されるほどである。


 この世界はスキル、レベル主義である。良いスキルを持つ者、レベルの高い者が人の上に立てる。だから12歳とか年齢は関係ないのだ。弱ければその者より下。ただそれだけである。


 こんな世界で生き残るには、ひたすらにレベルを上げてスキルを獲得するしかない。スキルはレベルが10の倍数になった時に獲得できる。ちなみに兄様はlv,31だ。12歳の平均はlv,20なので、兄様は同世代でも頭一つ飛び抜けている。


 そして僕、フェイ=ローレンはもうすぐ9歳でありながらlv,9と普通の平民と変わらない、もしくはそれ以下の成長速度であった。ローレン家の人間からは「ローレン家の恥さらし」と罵られている。それだけでなく他の家からも苔にされている。剣の腕前がいいからと言って、レベルが低ければ今の社会では認められない。


 そんな僕に対して父様と兄様はとても冷たい。もはやゴミ同然のように扱ってくる。そして父様はついに僕に対しある決定を下した。


 それは、『9歳になるまでにlv,10になること、それができなければローレン家から追放する』というものであった。


 今までの成長速度から考えると不可能である。しかもlv,9なのでスキルは産まれた時からある、『身体強化 小』だけである。生まれ持ったのがこんな雑魚スキルだった。これとレベルの低さが相まって家族から疎ましく思われている。


 状況は絶望的だった。だが、幸いにも9歳までまだ半年ある。家の近くには、危険だと言われてまだ行っていないダンジョンがある。そこに行けばもしかしたら……と僅かな希望を胸に秘め、僕は食卓へ向かうのであった。








 


 

 

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