香久山ルイの爪痕
香久山ルイが綴った手紙。
こんにちはー。
僕の名前はね、このサイトでは馴染みがないであろう九JACKのペンネームの一つ、香久山ルイだよ。主に別なサイトで二次創作に勤しむときに使われるペンネームなんだ。
みんなにはどうでもいい話だろうけど、僕の名前の由来はね、そのサイトの二次創作で使ったオリジナルキャラクターの名前に由来しているんだ。
二次創作といっても、色々あるよね。僕の使っているサイトでは夢主といって、アニメなどの世界に溶け込んでそのアニメ世界を体感していく、という二次創作サイトの中でも変わったシステムを取り入れているんだ。それゆえに作者はアニメ世界へのトリップものとか、キャラクターへの成り代わりなんてものを創作することを生業としている。そんな作者が多いんだ。
おかげで、原作の良さとかいうものが瓦解している作品も多くて、二次創作を認めるサイトというには少々いただけない部分がある。
そんな中、僕はとある作品の二次創作の夢主として、ペンネさんに名前をつけられて、その二次創作を書いていくうちにペンネさんも夢主の僕に愛着が湧いたらしく、僕は九JACKワールドの一員として、つまりは作者として取り入れるという方向で押し通したんだ。
九JACKさんは案外すんなり僕の存在を受け入れてくれたよ。九JACKさんの九JACKという名前は九JACKさんの中では「公式」「表舞台」で出すペンネームなんだ。ペンネさんは「プライベート」「お遊び」といった部類の作品を書くペンネームだ。だから、二次創作を始めた当初は、ペンネさんの名前を使っていた。今でもペンネさんは二次創作にはペンネグラタンというペンネームで売り出している。
さてはて、僕、香久山ルイはペンネさんが作り出した夢主の名前から生まれた存在で、その存在意義は「二次創作担当」だ。九JACKさんのホラー作品を読んだことがあるならわかると思うけど、僕のルイという名前は「瑠色」という言葉で表されることがある。そう、四十四物語などで出てきたあの香久山瑠色だ。あれは僕の分身でもある。
あれは九JACKさんが書いた作品だけど、あそこに出てくる香久山瑠色は僕で相違ない。ペンネさんの担当が「プライベート」と言ったけれど、僕はペンネさんよりプライベート……謂わば、九JACKファミリーの「趣味嗜好」を担当する存在なんだ。
僕はあの香久山瑠色のようにオカルト好きで、怖い話なんて楽しく聞けるし、お化け屋敷もへっちゃら。そんな性格。オカルトやホラーは僕の好きな分野だ。
そんな僕は、香久山という苗字から、ストーリーの構成上仕方のないことなのだが、「カグヤ」という名前をつけられた。男である僕にとって、その渾名と「姫さま」と呼ばれるのは不本意だった。繰り返すが、僕は男なのである。
そんな苗字を嫌った僕は、あるサイトで瑠色という名前を使って小説を書いた。九JACKさんがあんまり書かない恋愛小説を中心に。このサイトに投稿された「漆黒の絶望峰」というのも僕が書いた作品だ。
九JACKファミリーの中で、僕は最も異端で、あまり知られていない存在である。だからここまで、僕の説明を続けてきた。
僕の作品がこの先、このサイトに投稿されるかわからない。ただみんなに覚えていてほしい。
香久山ルイというペンネームのやつがいたことを。
九JACKファミリーが書いた二次創作に興味を持たれた方は、是非、香久山ルイや瑠色で検索してみてほしい。ほとんどペンネさんが書いていたりするけれど、僕は確かにそこに存在するのだということを確かめて……香久山ルイという存在を心の片隅でもいいので覚えていてくれたらなあ、と思います。
さて、次いで、九JACKファミリーと称される僕の先輩たちに、メッセージを。
ペンネさん、あなたには一番お世話になりました。僕もそのうち、あなたの代わりに立派な二次創作者になりたいなと思っています。
宵さん。短い付き合いですが、これからもよろしくお願いいたします。宵さんは一時的なストレスから発生した新たな九JACKファミリーで、僕が誕生した頃には、滅多に顔を出さなくなりました。けれど、宵さんと僕はどこか似ていると思うのです。宵さんはオリジナルで、僕は二次創作で、フラストレーションを発散するという似た部分を持ち合わせています。だからいつか、二人で語り合えたらなあ、と密かに思っています。
最後に、九JACKさん。九JACKさんは僕らの始まりです。たくさんの作品を書いてきました。新参者の僕にとって、オリジナル作品で輝き続ける九JACKさんは憧れの存在です。いずれ、このサイトに復活するとなったときに、九JACKさんがまだまだ元気にやって、僕たちを先導してくれる、そんな未来を僕は心より願っています。
香久山ルイでお送りしました。それでは皆さん、また会う日まで。
香久山ルイの作品は香久山ルイか瑠色で検索してみてください。