決行前夜 ※短いです※
エルナマリアさんを救出しよう―― その準備は完了したのだけれど、 暫く決行に移される事は無かった。 何故って? 肝心のエルナマリアさんが渋っていたからだ。
まぁ、 レラン伯がエルナマリアさんを養女にしようとしている動きは、 書類の不備だとかが出るようにミアに協力してもらってるから、 遅々として進んでないハズなのでまぁ良いんだけど。
ルドさんの名前を出すと罪悪感から逃げないって言いそうだったエルナマリアさん。
だから、 ルドさんの名前は出さずにナイアさんからレラン伯の魔手から逃げる参段があると伝えてもらったんだけど、 エルナマリアさん、 よりにもよってこの縁談で嫁ぐ事が自分への罰だと思い込んじゃってるみたいでね…… 中々話が進まなかった訳ですよ。
で―― しょうがないのでルドさんにお手紙を書いて貰いました。 基本的に内容は任せたけど、 愛してるだとかは書かなかった筈。
ただでさえ、 面倒な感じ―― じゃなかった―― 心の中がゴチャゴチャになってそうなエルナマリアさんに愛してるとか言ったら余計に混乱しちゃうしね。
細かい所までは聞かなかったけど、 ルドさんは今のエルナマリアさんの状態を鑑みて『贖罪を―― と思うのなら、 無茶な縁談で嫁ぐよりも俺に直接償うべきではないのか―― 』 と―― そう言う内容の手紙を書いたらしい。
成程。 有効な手段だね。 視野が狭くなって、 この縁談で嫁ぐ事がルドさんへの贖罪になると思い込んでるのなら、 そこを突くのが正しい。 それがルドさんの本心じゃ無かったとしても、 まずは助け出さないと。
助け出しちゃえばこっちのモノ。 後の結果がどうなるかは分からないけれど、 レラン伯達の魔の手が届かないようにしてからじっくり口説けば良いんだし。
そう言えば、 アスさんに頼まれてたものも取りに行かなきゃ。 敵に血をなるべく流させない為には必要なアイテムだ。 私にとっては懐かしいもの……。 アスさんの所には在庫が無かったらしい。
かくして、 決行の日取りが決まった。 明日の夜―― 新月に紛れてエルナマリアさんとナイアさんを助け出す。
本来なら、 この短い話の後に次の話を投稿予定でしたが…… 済みません。 私のミスで保存を失敗致しましたorz
現在書きなおしてはいますが、 明日は書けないので次の更新は6月になるかと……。 申し訳無いです。




