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廃棄世界に祝福を。  作者: 蒼月 かなた
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今日中に宿舎の方はなんとかしたい。

投稿が私の予定より遅くなりました。

まさかの、 上書き保存で修正してた部分が消えました、 な事件が(泣)。 魂抜けながら修正し直しましたが、一度目の方が良かったような気がする………。 せつない。

 さて、 最後の砦を崩しに行こう。 ここで負けたら、 学院に入る時に血反吐を吐きそうな特訓してくれた師匠に絞められそうだ。 


 「もう少し、 ブチ切れた状態の貴方と戦う事になると思ってました」


 「俺もそう思ってたんだけどな…… あんな楽しそうな事してんの見たら落ち着いちまった」


 赤い髪をガシガシして、 苦笑するセルドレさんはどこか子供っぽい。


 「玩具で遊ぶ子供みたいな顔になってますよ」


 「でも、 お前さんもそう言うの好きだろ? ルドとヤッてる時すげー楽しそうだったもんな」


 もろバレですか。 まぁ、 私も夢中になると素が出るからな。 

本当は、 どんな時でも冷静沈着になれるようになりたいんだけど。 

顔に出る イコール 情報ダダ漏れって事だからね。


 「最初は、 嫌な奴だと思ったけどよ。 さっきの見て意見が変わった。 お前食堂でのアレ、わざとだろ? 」


 「それ、 言いますか。 セティルさんは気付いても直接は言わなかったですよ? 」


 おお。 ここに正直者がいる。 感情表現も分かりやすいし、 本当素直な人だなぁ。


 「え? それって言っちゃマズいんか? 」


 「いや、 悪い訳じゃないですが。 セルドレさんが、 正直者で腹芸が出来ない人だって言うのが分かるだけです。 後、 怒ると周りが見えなくなる直情型……? 正直なのは利点ありますけど、 直情的なのは治した方が良いと思いますよ」


 「随分はっきりと嫌な事言うじゃねーか……… てか、一々反応見てたのかよ。 まさか、 他の奴等のもか?」


 「一応副団長ですしねー。 団員の性格、 傾向位は把握しておくべきかと。 ちなみにエンノートさんと試合してた時、 わざと木剣を落とした時の貴方の反応も見てましたよ。 ザマミロって顔してたヤツ」


 「怖ぇーよ! んなトコも見てたのかお前」


 にこやかに笑って言ってあげれば、 セルドレさんが後ろに一歩下がってワザと怯えたふりをする。

随分、 オーバーリアクションだなぁ。 本当、 感情表現が豊かだね。

それにしても先刻さっきは良い顔してましたよね。 私、 ワザと落としたのに…… すっげぇ嬉しそうな(笑)


 「さぁ、 戦いましょうか」


 「ま、 こうやって話しててもしょうがないしな」


 そう言ってから、 二人同時に出る。 ガッと音がして鍔がぶつかり合い、ミシリと木剣が軋んだ。

力では負けるので、 セルドレさんが押し込んで来たタイミングに合わせて後ろに飛ぶ。 

彼が蹈鞴たたらを踏んで体制を崩せばいいな、 と思ったのだけど瞬時にバランスを取ってそのまま踏み込んで追撃して来た。 私が着地をした瞬間に、 木剣が迫る。 軽く腰を落として受けるのには間に合わないので、 左に一歩移動して避けた。


 「ちっ」

 

 セルドレさんの舌打ちが聞こえる。 避けたはずなのに解れた髪に切先が掠る。 

セルドレさんが無理矢理軌道を逆手にを変えて斜め上に切り上げて来た。 反応速度が速い。 

目から情報が入った瞬間に本能的に体が動いてる…… そんな感じだ。

 下から伸びて来た木剣を振り抜かれる前に上から叩く、 体重を掛けた一瞬に合わさった剣を支点にしてセルドレさんの横側に周り込んだ。 そのまま木剣の上を滑らせて切りつければセルドレさんに剣ごとかち上げられて弾かれる。


 「ははっ! 面白れーなぁ」


 セルドレさん滅茶苦茶楽しそう。

 しかしこう言う時、 筋肉のつきづらい我が身がツライ。 

どうしても筋力や体重が少ないと、 攻撃に重さが乗せられないんだよねー。 

今のだって筋力とかがしっかりついていれば、 セルドレさんの剣を上から抑えつけたまま首を狙えた。

まぁ、 足りないものを数えるのは好きじゃない。 足りなければ足りないなりの工夫をするだけだ。

 跳ねあげられた私の身体は両手が上にあがって胴がガラ空きだ。 そこに向かって来るセルドレさんの剣にタイミングを合わせて右足の靴裏を当てる。


 ゴッ


 斬りかかられた力を利用してそのまま後ろに飛んだ。

着地した後、 身体を前傾させながら―― 流れるように下から上に斬りかかるように見せかけて―― 木剣をセルドレさんの足に向かって走らせる―― 片足をあげて避けた所を狙って回し蹴りを喰らわせた。 流石に体制を崩したセルドレさんに追撃をかけた。

 エンノートさんとした試合の時もそうだけど、 『騎士』 としての試合にしてたら出来ない芸当だ。


 ガゴッ ガッ キッ ギシリ ゴッ ゴガッ


 「なぁ、 さっき 靴斬った時 感触がおかしかったんだが よ」


 「あぁ、 靴裏と靴先には鉄板入ってるんです」


 話をする余裕はあるようなので、 私は正直に靴に仕込みがある事を教える。 この辺は、 聞かれれば答えるようにしているので問題ない。 言って警戒してくれれば面倒が減る事もあるからだ。


 「お前、 半手甲といいっ なんで そんな 武装してん の? 」


 「世の中、 色々面倒な事があるんですよ」


 普通の靴で蹴り入れるより、 効果が倍増しますからね。 特に急所蹴る時とか? 

加減しないと大惨事ですね。 素敵です。

 ふと、 最近あった出来事を思い出して遠い目をしそうになった。 慌てて試合に意識を戻す。 

話ながらも打ち合いは続いてる。 セルドレさんの鋭い切先が私の肩を掠れば、 私の木剣もセルドレさんの頬を掠る――― 早々に決着はつかない。 二人距離を取って対峙する。


 「女で俺とここまでやれたヤツは初めてだ! 」

 

 「私も正直予想以上です。 もっとなまってるもんだと思ってました」


 宿舎の様子から考えて、 皆もっとグウタラしてて体力が落ちてるだろうって勝手に思ってた。

 セルドレさんの身体に力が入る。 私もいつでも出られるように足に力を入れた。

切先を地面に擦りつけながらセルドレさんが、 斬りかかって来る。 

抉り上げられた土が私の顔に向かって飛んで来た―― 目つぶしですね。 

 目を瞑るのは、 悪手かな? 意外と土の量が多いから避けても、 全部は避けきんない…… しょうが無いので左手を目の前に翳して、 右手で木剣を逆さに握り牽制の意味を込めて振る。 振り抜くと次の動きに支障がでるから、 途中でピタリと止めた。 顔と腕に土の感触。

 木剣を持ちかえてから左手をもどし…… 正面に来ているはずのセルドレさんを…… ?!

 

 土くれの二段攻撃! 


 避けるのが間に合わず、 左の視界が塞がる。

私の唇が思わず弧を描いた。


 「視界が塞がったのにっ すげー 楽しそうな ツラだっ なっ!」


 「あ互い様っ! 」


 塞がった左からの攻撃を、 受け流す。 


 ガツッ ゴッ ガッ ガシッ 


 ここぞとばかりに猛攻が続く。 目に入った土は洗い流さないと落ちそうにない。 

しょうがないので……。 

 

 「スピードを上げますか」


 徐々に、 スピードをあげてステップと手数を増やす。

セルドレさんの顔が驚いたあと 段々と焦るような顔になった。

 片方の視界が塞がった位じゃ何のハンデにもならんですよー? 左側からの攻撃は、 鋭いが為に風切り音で大体の位置が分かりますんで。 

 

 「くそっ」


 セルドレさんが悪態を吐く

 私は左手や右手で…… 木剣を逆手に持って距離を最短にして斬り上げる。 右に左にって細かく武器を持ちかえるのは勧められたものじゃないから、 取り落とさないようにしないとね。 

両刃の木剣で良かった。 とはいえ持ちかえ面倒だから剣が二本欲しい所だけど。 

 分かっていた事だけど木剣が長すぎて、 取り回しがしづらい所為で威力は出ない。 

本当は、 ククリナイフとかでやりたいのだけどね。 それでも、 間断なく繰り出せば、 セルドレさんもなかなか攻撃には移れない。 

 足元はいつでも飛びだせるように力を溜めておく。 

私はスピードを更にあげて、 攻撃に強弱をつけてランダムに。 セルドレさんが防戦するしかない状況にした所を脇をすり抜け後ろに回った。 そのまま木剣を首筋に当てる―― セルドレさんが、 両手をあげて降参した。

 

 「はーっ。 くっそ! 負けた」


 セルドレさんは悔しそうだけど、 とても楽しそうだ。

 歩いて客席に戻ると、 クロ達が嬉しそうにじゃれついてきた。 一匹ひとりずつ撫でてやる。


 「さて、 全員負けを認めてくれたし。 私の指示を聞いて貰えるって事でいいですかね? 」


 「―― それで、 同意してたんだから、 従うわよ」


 セティルさんが、 私を見て呆れ顔で肯定する。


 「それじゃあ、 済みませんでした! もうバレてるみたいですけど故意に、 過去の事件の話しを使いました。 貴方がたが冤罪である事を私は知っていたのに、 です」


 自己満足ではあったけれど、 そうしないと落ち着かないので頭を下げる。


「信頼はすぐには育つ物ではないと分かっています。 私には、 貴方達に話せない事があります。 ですが私の名に誓って、 貴方達に嘘はつきません。 言えない時は口を噤みます。 ですから、 貴方達の信頼に値するかどうか、 最初から私を否定せずに私を見て判断して下さい」


 年若い事も女である事も私にはどうしようもない。 

こんな私を副団長として信頼するのは正直難しいと思う。 でも……


 ―― 『お嬢ちゃん』 と言うそれだけで 『私』 を判断して欲しくない ――


 最初に会った時のその思い込みを打ち砕けていれば良いんだけど。 じゃなきゃ、 嫌な思いをさせてまで怒らせた意味が無い。 


 「お、 おう」


 私の謝罪に皆は困惑したようだ。 

普通、 上に立つものが自分の非を認めて頭を下げる事はほぼ無い。 謝罪を別の形で表す事はあるけど。 何故なら軽々と上の者が部下に頭を下げれば、 軽く見られるからだ。 


 「さて、 これで、 私はすっきりした訳ですが、 宿舎はスッキリしてないので 掃除 しましょうねー」


  「「「「えっ?! 」」」」


 頭を切り替えてニッコリ笑って言えば、 団員の皆の腰が引けた。

まだお昼までには時間があるし、 有る程度は片付けの目途を立ててしまいたい。


 「今日中に宿舎の中は片づけましょうね。 余裕があったら、 外壁の落書きも綺麗にしなくちゃ」


 「いや、 あれは俺たちが書いたんじゃ…… 」

 

 マッカートさんが弁明してますが、 聞きません。


 「やだなぁ。 消さないままにしてた時点で同罪ですよー」


 クロとシェスカが同意だと言うようにワフンと頷く。 

私は疲れたと言う人達を問答無用で黙らせて、 まずは食堂を片付けに向かった。

 

戦闘シーン……… 頭の中で映像は出てるのですが、 それを分かりやすく書けてない気がします。 下手で申し訳ないです。


次はやっと団長登場。 外見だけになるか、 リゼと会話まで辿り着くかは書き始めて長さがどうなるか次第です。 

この後、 不注意で世界が消失したので異世界で生きる事になりました。 も修正入れたら投稿予定です。 宜しくお願いします。

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