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廃棄世界に祝福を。  作者: 蒼月 かなた
34/69

幕間 ユーリとリゼ 前編

リゼの意識が飛んだ後の話。

 自分の事をガキだと思う事は無いか? 俺はある。

―― 特にここ最近…… セトのせいでリゼッタを意識するようになってから―― 俺はろくでもない感情に振り回されている。


 例えば、 岩熊亭で兄妹の振りをしてた時――

 『…… ミエナ。 いいか? 好きなヤツが出来たらまず俺に言えよ? 相応しいかどうか絶対に見に行くから。 ちなみに今はいないよな? 』

 妹大好きなお兄ちゃんならこれくらい言うよな? って言うのは言い訳だ。 あの時、 途中から本気で言ってる自分に後ろの方で冷静な自分が『馬鹿か? 』 と言っていたのを思い出す。


 それから、 あの思い出してもムナクソ悪い野郎が――

 『おや、 僕のご褒美のちゅーは要らなかった?』 とのたまった時――

 意識より先に身体が動いた。 腕に抱えたリゼッタが震えるのを感じて怒りを通り越したのは覚えている。 ルカルドから後で、 『能面みたいな顔なのに無性に怖かったわ』 と言われた。 それを向けられたのが自分じゃなくて良かったとも――。

 あの時の俺は、 確実にリゼッタを自分のモノだと認識していた。 次の日、 冷静な部分の俺が『阿呆か』 と言っていたのを思い出す。 付き合ってすらいないのに自分のモノ扱いとか―― 凹んだ。 


 そしてさっきの、 

 『馬鹿坊ちゃん』 と『リゼッタさんは僕か兄さんと結婚する可能性があるよねー? 』 発言だ。

 つーか押し倒されたってナンダ? 俺はそいつをりに行けばいいのか? しかもリゼッタが鈍感過ぎてどうしたらいいか分からない―― ロービィの口調からも分かりそうなもんだが…… ソイツ、 リゼッタが好きだったんだよな? 

 あぁそして、 ケイオス。 お前は間違いなくセトの血を引いてる。 リゼッタはまったく気付いてないが…… それ、 俺に対して言ったよな? お前も、 俺がリゼッタと付き合うとか結婚とか無理だって分かってるハズだよな?? ゲーティアめ……。 あれもこれも全部きっとセトが悪い。

 王族は今、 数が少ない。 かなめの結界の力を外に出さない為に、 色々と制約がある。

ゲーティアなんぞ、 大昔は血族婚を奨励してたくらいだ。 ただし、 衰退の象徴である暗愚の領主が産まれるまでだが…… ようは血が近くなり過ぎて弊害が出た。 

 ゲーティアは死の街となり、 多くの民が他領に救いを求め逃げた―― その領主がした事は、 邪教の信奉だ。 生贄を捧げ、 異界の神をこの地のかなめに据えようとした。

 王制を打倒し、 新たな王になろうとしたのだ。 そしてゲーティアは悪しき者として一時迫害の対象になった。 迫害されて滅ぼされ―― そして大氾濫だ――。 ゲーテアを欠いた結界は容易く壊れ多くの被害を出した。

 まぁ、 そんな大昔の話は今はどうでもいい。 


 黒竜騎士団ウチの連中は、 どいつもこいつもリゼリゼリゼリゼ―― 何で俺だけリゼッタとしか呼べないのか? そんなのも―― どうでも…… いい。 多分。


 問題は今だ――


 この国において、 三大銘酒というものが存在する……。 それとは別に三大火酒かしゅと言うものがある。 ようは火を付ければ燃えるくらいアルコール度数が高いって事だ。 

 一番ヤバイのが『神殺し』 実際に神を殺した訳じゃないが、 召喚された酒の神をノックアウトしたという逸話を持つ。 コレだけは俺もヤバかった。 飲んだ後に記憶が無くなるという人生で初めての経験をしたからな。

 次にヤバイのが『竜殺し』 竜が飲んだら気絶するってやつだ。 コレは実験したバカがいたらしい―― その後、 騎竜が酒乱になったという。 自業自得だ。

 最後の火酒は『オーガ殺し』 飲んだオーガが昏倒して三日三晩起きなかったという触れ込みの酒だ。 そう―― 今さっきリゼッタが飲んだ酒である――。


 「あっついのになんでぬいじゃだめなのさ」


 暑いと言って、 脱ぎ始めたのを止めた所で上目使いに文句を言われた。

文句を言われる筋合いは無い。 公共の場で脱ごうとしてるお前の方が問題だぞ―― リゼッタ。 


 「「お前は女だろうが! 」」


 腹立たしい事にヴァイノスと言葉が被った。 


 「だからぁ、 あんたたちってどうしていつもそうなの? 童顔コドモ扱いしてるんだからべっつにどうだっていいでしょ―― すかーとで飛び蹴りしたくらいで怒られるとかいみわかんない」


 話が飛んでる。 コレは前…… 引ったくりを捕まえた時の話しだろう。 完全に酔ってるな。

真っ赤な顔に潤んだ瞳。 コレは―― 見せたら駄目なヤツダ。 誰に? 俺以外に!

 冷静な部分の俺が突っ込んだ。 『やっぱ俺疲れてたんだな―― お前も酒に酔ってるぞ』 いや、 まだ酔ってない。 なんだその微妙な突っ込みは。 

  

 「やーん! 可愛い」


 エーリケがリゼッタに抱きつこうとするのを、 ケイオスが引っ張って止めた。 

ケイオスと目が合う。 ニコリと笑うその様子に、 確信した。 コイツ―― リゼッタが飲み物を間違えて手にしたのを気付いたくせに止めなかったな―― と。

 俺はリゼッタを隠すようにしながらケイオスに詰め寄った。


 「どういうつもりだ」


 腕の中のリゼッタを誰にも見えないようにしながら小声で話す。


 「言いましたよ。 面白そうだからです。 後は―― 頑張って貰いたいからですかね? 」


 なおもリゼッタにちょっかいを出そうとしてるエーリケを拘束しながら、 ケイオスがそう言った。


 「―― 何? 」


 「血が近くなりますからね。 僕も、 兄もリゼッタさんと結婚するつもりはないので…… 僕達としては王弟殿下に頑張って貰いたいんです」


 血が近くなる? あぁ、 この狸め。 それだけが理由じゃあるまいに。 つまり、 ケイオスもクレフィスも好きな女か恋人がいるのだ。

 そして、 ケイオスの場合はエーリケがその相手なのだろう。 直感でしかないが、 確信を持って言えた。

 今の今まで気付かなかった俺も俺だが、 好きな女に触れるのに、 この状況を利用してるあざとさに舌を巻く。 はたから見れば、 酔っぱらいを止めてる上司でしかない。 


 「それが無理なのはお前も知ってるだろうが」


 リゼッタが俺が考えてる者ならば、 確実に周囲に反対される事になる。 そうだ―― 認められる事など万に一つもない。 それに、 俺は幸せになるべきじゃあ…… 


 「抜け道はいくらでも。 貴方が探す気があればありますよ―― 探す気がなければ別ですが」


 俺の思考を両断するように、 低い声でケイオスが言った。

探す気―― ね。 俺の罪悪感が消える事はないだろう。 それがある限り俺は――。


 「…… 」


 「くだらない罪悪感なんて、 犬にでも喰わせればいい。 それとも誰かに…… 例えばヴァイノスさんあたりにリゼッタさんを差し上げますか?」


 「…… 」


 ケイオスは何をどこまで知ってると言うのか、 そう言われて俺の心がギシリと軋んだ。

まだ見ぬ相手を言われるよりも、 ヴァイノスの名を出される事の方が今の俺には効果的だ。 それを理解している嫌な手口―― それに反応する自分が苛立たしい。

 それが、 恋かは分からないが―― ヴァイノスはリゼッタを女として意識している。

だからこそ、 リゼと呼ぶアイツが疎ましい。 俺は騎士団の団長で、 公平な目でアイツらを見なければいけないのに―― 


 「そんな顔するなら、 答えは出ているようなものでしょうに―― 頑固者ですね。 本当」


 酔っ払ったエーリケがリゼッタにキスしようとするのを片手で押えながら、 ケイオスが寂しそうに笑った。 その顔をまともに見れずに思わず目を逸らす。 俺の腕の中でリゼッタが身じろぎした。 あつーいですユーリ…… ―― 小さい声でそう言われた気がして硬直する。


 「何話してるか知らないが―― リゼは上に泊まらせて貰った方が良いんじゃないか? 」


 エイノルトが上を指してそう言った。 離せと俺の胸を押すリゼッタを見て寮に帰れないだろうと判断したらしい。 確かにコレは無理だろうよ。 力が全然入ってないものな。 終いにはボンボン殴られたが、 まったく痛くも痒くもない。 こんな状態で帰したら、 明日無事に会える気がしない。


 「ソレ。 もうだめでしょ…… ほら、 リゼ。 もう寝た方がいいわよ」


 呆れた顔のルカルドが、 リゼッタに声をかける。 寝ろと言われて急に俺から離れたくなくなったらしい。 暑いと言ってたはずなのに、 無理矢理寝かされると思ったのか、 柱がわりのつもりなのか俺に抱きついてイヤイヤと首を振る―― けど、 抱きつかれてるので、 俺の胸の辺りを頭でグリグリされてる訳だが―― なんだこの我慢大会。


 「やーれすー。 って言うかぁ、 それなら寮にかえりますよーだ」


 んべーっとルカルドに舌を出して言うリゼッタに、 ヴァイノスが顔を覆った。

可愛いなぁオイ。 そんな声が聞こえて来そうだ。 同意するが腹が立つ。


 「ムリだろ。 ゴミ捨て場にでも突っ込むのが関の山だ」


 覆った顔から手を外して、 怒ったようにヴァイノスが言った。

まぁ、 そうだよなぁ…… まともに寮に帰れないと俺も思う。 帰るなら誰かがついて行くべきだ。

 ―― 誰が? 一瞬にしてイライラとする自分に思わず溜息をついた。 俺は―― やっぱり馬鹿だよなぁ。


 「むりじゃないもん! クロ達がまってうからかーえーるー」


 とりあえず、 ぎゅうぎゅうと抱きつくのは止めて欲しい。 リゼッタは二度と酒を飲ませない方が良い気がするぞ――。 誰に対してもこうなら始末が悪すぎる。 


 「アス、 酔い覚ましの薬とかないかな? 」


 困った顔のガルヴがそう言ってマイアスに問いかけた。 酔いざましがあるならありがたい。 それなら、 このリゼッタの乱心状態も解消できて、 寮に帰らせるのも問題が無くなる。


 「ん…… 一応ある―― ケド…… リゼには今飲ませちゃ駄目」


 「なんでだ? 」


 救いの酔いざましが使えないと言われて、 俺は思わず声を出した。


 「栄養剤―― 多分残ってるから」


 「……? 」


 マイアスの言葉に、 皆の顔が戸惑いを見せる。


 「リゼ飲まないって―― だから飲ませた。 けど、 お酒飲んじゃったから変になってる」


 んん? 良くは分からないが、 リゼッタのこの状態は酒のせいってだけじゃないって事か??

俺は、 俺の胸にグリグリと頭を押しつけて来るリゼッタを見下ろした。


 「ハイになるって事かしら」


 フィオナが困ったように首を傾げて言った。


 「そんな感じ。 飲み合わせが悪い。 放っておくしかない。 後遺症とかは出ないから―― 大丈夫」


 ぐっと拳を握ったマイアスが真顔で言いきった。 ―― 大丈夫じゃ無い。 俺はふらふら出て行こうとするリゼッタを慌てて捕まえる。 


 「阿呆か! こんな時間に一人で帰らせるわけないだろう」


 「だいじょうぶれすよ? だって私、 強いもん」


 俺の言葉に、 胸を張って笑いながら言うリゼッタ。 通常時だったらそうだろうさ……。 誰もお前の心配はしない。 むしろチョッカイをかけたヤツの心配をするだろう。

 けど、 今のリゼッタは……。 駄目だ。 そもそも、 こんな無防備過ぎる姿を誰が見せたいと思う?


 「普段ならな! 今はフラフラしてるだろうが」


 こめかみを押さえながら言う俺に、 リゼッタは不思議そうな顔をした。


 「ん――? …… じゃあ抱っこ」


 少し考える仕草をした後に、 俺に向かって両手を広げる。

後ろで、 ガタンっ とか、 ゴンッなんて音と共に、 何やら息をひそめる気配がした。

 視線を背中に感じる――。 

 

 「は? 」


 間抜けにしか思えないが、 俺が言えたのはこの言葉だけだ。


 「ん―― じゃあ、 おんぶ」


 両手を、 さらに広げて上目使いで懇願される。 俺をどうしたいんだお前……。 


 「お前、 その格好でおんぶはないだろ…… 」


 思わずと言うように、 後ろからヴァイノスの突っ込む声が聞こえた。


 「大丈夫だもん! おこられたから下にはいてるもん!! 」


 その言葉にむくれた顔のリゼッタがガバっとスカートを両手で持ち上げた―― リゼッタの白い足が太ももまであらわになる。 俺はとっさに全身でリゼッタを隠すと、 慌てて後ろを振り向いた。 

 丁度酒を口にしていたヴァイノスに、 エイノルト、 ロービィが吹き出した―― 口からポタポタと酒が零れてる。

 ルカルドが天を見上げて嘆息している。 マイアスは真っ赤になって下を向き、 ガルヴはオロオロしていた。 ケイオスは苦笑しながら、 エーリケを後ろに向かせた。 ジョイナスの目を困り顔のフィオナが覆っている――。 まぁ、 もちろん全員に見えたよな?

 

 「この、 馬鹿娘――っ! 」


 俺は振り向きざまに、 きょとんとした顔でまだ太ももを出しっぱなしにしているリゼッタの頭を手刀で叩いた。 きゃんという声を上げて、 頭を抱えるリゼッタ。 よし…… 太ももは隠れたぞ――。


 「いたいぃ」


 涙目で、 文句を言うリゼッタの頭を拳骨でグリグリと弄り倒す。 このバカこのバカこのバカと想いを込める事を忘れない。 短いズボンをはいてりゃ良いって思ってる所が本当に馬鹿だ。 酒の所為? いーや、 コイツは素面でも思ってるだろうよ。 流石に足は見せないと思うがな。


 「当たり前だ阿呆! 」 


 痛くしてんだ阿呆と続けて言えば、 涙目で酷いだと。 酷いのはお前だ。 馬鹿なのも、 阿呆なのも…… はぁ―― 俺もだけどな。 くそ。 白い肌が脳裏から消えない――。 

 野郎どもを殴ったら、 今の記憶どうにか消せないかなぁ――。 ゆらりと怒気が立ちあがる。

その気配を感じたリゼッタが、 自分がもっと怒られるのかと思って不安げに目を揺らした。 

 俺は、 慌てて気配を殺す。 怖がらせたい訳じゃない。 後ろの方からは安堵の息が聞こえた。


 「あぁあ、 リゼ駄目だよ…… そう言う事はしちゃダメだ」


 ガルヴがオロオロしながらそう言った。 リゼッタが俺の陰から顔を出して、 不思議そうな顔をする。 そのまま倒れたりしないように、 俺は差し出した腕をリゼッタの腰にまわした。


 「う…… ん? そーなの? 」


 俺の腕になかば寄りかかりながら、 リゼッタがそんな事を言う。 長い黒にしか見えない髪がサラサラと零れて俺の腕をくすぐる――。 甘い、 花のような香りがした。

 怒ってた時より、 少し冷静になったせいでそんな所ばかりが気になる――。 酒の所為か、 暖かい体温とか―― 腕の下の柔らかい身体とか。 本気で明日はリゼッタに説教しないと駄目だろうか。 


 「まぁ、 そうだねえ。 僕は面白かったけど、 面白くない人もいるからね? 」


 ケイオスが苦笑したままそんな事を言った。


 「そっかあ。 ごめんなさい―― 」


 しおしおと眉尻を下げてリゼッタが謝る。 なんだこの可愛いのは――。 俺は思わず開いてる方の手を顔に当てて俯いた。 


 「団長さんや。 もうあんたが連れて帰ってやったらどうだ? 」


 両目を隠してたフィオナの手を剥がして、 ジョイナスが言った。 剥がした手を掴んだままなので丁度フィオナが背後からジョイナスに抱きついているかのような格好だ。 


 「俺がか? 」


 正直、 理性的な問題で少し不安があったのでそう呟く。 そんな俺の横を、 濡れた布巾が飛んでいった。 どうやらヴァイノスが俺に向かって投げたようだ。


 「…… あんたが行かないんなら俺が行くぞ? 」


 睨むようにそう言われて。 俺も思わず睨み返した。 俺以外が連れて帰るとしても、 絶対にお前には任せない。 俺とヴァイノスの間で見えない火花が散る。


 「このごに及んで、 騎士団の寮に近付きたく無いとは言わないわよね? 」


 ルカルドがそう言って、 呆れたように俺達を見て笑った。 ―― 言わないさ。 正直そろそろ寮の部屋に帰るようにしたいと思ってたしな。 

 寮に連れて帰って、 クロ達にリゼッタを引き渡せばいい。 その後、 俺は自分の部屋に行けばいいだけだ。 大丈夫だ。 出来るだろう。 ヴァイノスに任せて、 その後ギリギリと胃が痛む思いをするよりかは健全なはずだ。


 「―― 行く。 連れて行く。 これでいいか? 」


 唸るようにそう言ったら、 ヴァイノスがむくれた顔で手を振った。 さっさと行けと言う事らしい。

俺は、 ここの会計のために持ってきていた金の入った巾着をケイオスに投げた。


 「悪いが、 頼む」


 「あぁ。 後は任せてくれていいよ」


 むずがるリゼッタを連れて戸口に向かう俺の傍に慌てたマイアスがやってきた。


 「酷い後遺症はないけど、 明日は二日酔いが酷くなる。 これ―― 」


 渡されたアンプルの中には、 琥珀色の液体が入っていた。 揺らせばトロリとした気泡が出る。


 「飲ませればいいのか? 」 


 こくりと頷くマイアスに分かったと告げた。 ふにゃふにゃと楽しそうなリゼッタを連れて夜の街へと出る――。 今日は満月だったらしい。 大きな月が白く柔らかな光を俺達に注いだ。

 俺は、 歩きにくそうなリゼッタを支えるようにして歩いた。 月の光を纏ったリゼッタは綺麗だ、 と思う。 

 馬鹿だなぁ―― 俺。 無理だと諦める方がきっと簡単だと思うのに、 ケイオスの言った『抜け道』 という言葉がグルグルと俺の頭の中でこだました。 


 冷静な部分の俺が言う。


 『正気に返れ―― お前は今酔ってるから』 ―― そんな事を思うんだと。

俺が手に入れたいと言えば、 父は叔父は許してくれるだろうか。 死んだ仲間は許してくれるだろうか。

そんな事が頭に浮かんだ。

 さんざん、 悩んだのですがジャンルを『異世界』 に変更しようと思います。

これから先、 恋愛要素が予想以上に増えそう―― と言うのが理由です(汗)

次回は「ユーリとリゼ 後編」 となります。


『不注意で世界が消失したので異世界で生きる事になりました。』 も更新しました。 そちらも宜しくお願いします。

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