45話 エピソード明かりを灯す者4
カリカリ……
ふうっ
カリカリ……
ふうっ
今日のシオン・ブロッサムは思ったより明かりを灯す仕事に時間がかかってしまいました。彼が明かりを灯す場所はとても多いので朝から灯さないと周り切れません。そんな時間がかかる仕事をしているシオンは明かり灯しを終えたらすぐにアイナのところに報告に戻らなければならないの義務があるのですが今日は特に遅くなってしまいました。もう太陽が沈み空の明るさもなくなってきて星が空にポツリポツリと浮かび始めてきました。
そんなときふと、シオンが前方をみると人影を見つけましました。
「シオン!遅いわよ!」
シオンは聞き覚えのあるキツイ声が聞こえてきて不思議に思いました。
「アイナ?迎えにきてくれたの?」
「そんな訳ないでしょ!あそこ、ほら、消えているわよ。」
アイナの指差したさきに庭の外灯があります。
「ああ、あの子か。何かあるとすぐにどこかへ行くんだよなぁ。おしゃべりだし、気分屋だし。」
「はあ?」
アイナは間抜けな声を漏らしてしまいました。明かりを灯す光の精霊は会話も出来ない低級な精霊のはずです。アイナはきっと王城に友達がいないシオンが心の中で精霊と会話したのだと錯覚しているのだと思うことで気分を切り替えました。
「とにかく、遅いし、手抜きなんかして!困るのよ!早く明かりを灯してきなさい。」
「はーい。」
シオンが外灯に向けて歩き出すとアイナも付いてきます。
「えーと、何でこんなに時間かかってるのよ。最初の頃より時間かかってるじゃない?」
「はは、まあ色々と。」
色々とじゃないわよ……とアイナはシオンに次々と声をかけてきます。まるでなにか気を引くかのように。
「そんな、単に疲れてわあ!」
何かに足が引っかかってシオンは転んでしまいました。
「あーはっはっ!何やっているのよ、バッカじゃない!」
「有線のトラップか、しょーもな。」
苦笑しながらシオンは立ち上がり何もなかったかのように外灯に明かりを灯す作業に取り掛かりしました。
「ちょっと!少しは恥ずかしいとか!やったなとか!言ったらどうなの!あんた!何考えてるのよ!」
「いや、ここは怒鳴るのはコッチの方だと思うよ、アイナ。」
何か不思議なものでも見るように、小首を傾げながら答えるシオンにアイナは激昂して、
「ならなんで怒鳴ら「危ない!」」
いきなりシオンが怒鳴るアイナを突き飛ばしました。倒れながらアイナは、さっきまで自分が立っていた位置に入れ替わったシオンに飛んで来た光るモノが突き立つところを見てしまいました。




