29話 初仕事は幽霊退治(前編)
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ではどうぞ。
「う、ん。」
私は小さなうめき声をあげてしましました。駄目です、身動きで取れません。バクバクと、私の心臓が運動会を開いています。私はベッドの上で早く浅い呼吸をしながら脂汗をかいて横たわっているしかありませんでした。
「シオン様、入らせていただきます!」
セバスが急いだ様子で部屋に入ってきました。そして私の上に浮かぶシークレットガールを見て、
「シークレットガール殿!しばらくは控えていただきたいと申したはず!」
と叫びました。セバスにしては珍しく非難のこもったこえです。
「いいんだ、許可、したのは、僕。」
何とか声をしぼりだした僕は、無理して笑顔をセバスに見せました。シークレットガールはセバスを一瞥したあと、何も言わずにスッと私の中に入ってしましました。
「……いつものお茶をいれてまいります。」
笑顔だけでそれに答えた私に心配そうな視線を送り、セバスは部屋を出て行きました。
ふっと小さく息を吐き、呼吸を整えます。すると、また”あれ”が頭に浮かんできました。今度は声を出さないようにやり過ごします。
今なにがあったかというと、前世の記憶を呼び出してシークレットガールに見せていたせいで”あれ”が起こったのです。詳しく説明しますと、前世の記憶を自分から意識的に詳しく”検索”する行為は、私に嫌な記憶を呼び覚ますことがあるのです。”あれ”は勝手に割り込んでくるのです、確かフラッシュバックと言ったでしょうか?そう、私の辛い記憶が一瞬にして蘇るのです。病魔との闘いの記憶が。
一昨日もシークレットガールにせがまれて前世の記憶を見せたあと私は倒れました。セバスは時折、私がこのフラッシュバックのせいで倒れることを知ってます。今朝は心配をかけないようにと思ったのですが、いつもより起きるのが遅れて気付かれてしまったようです。
朝食のころには体調の不調は治まったので、部屋を出て食卓に付きました。多分いつもより顔色がよくないのがわかるのでしょう。私の様子をみてお祖母様は心配そうに声をかけてくれました。
「大丈夫かしら、無理なら今晩の仕事は止めていいのよ。」
「大丈夫です。行けます!」
「そう?念のため午前中の最終調整は軽めにしなさいね。」
「はい、心配してくれてありがとうございます。」
みなさん心配をかけてすいません。でも、今晩はアイロネの魔法使いになって初の仕事があるのです。絶対に外せません。
ちなみに初仕事は夜の廃屋の幽霊退治です!
(ナイショダケド、ゴースト、アマクミチャダメ)
はい、わかってます!それよりシークレットガールが出会った翌日から今日まで元気がないのが気がかりです。大丈夫でしょうか?
今回は前世の記憶を活用しない理由を披露しました。内容的に読者様の評価の別れるところだと思っています。




