28話 魔法の管理人テレサ
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妖精シークレットガールと契約を結んだ翌日、私はテレサ長老に合うべく彼女の執務室へと向かいました。
テレサ長老はアイロネの魔法使いの人事管理などを行う仕事をしているそうです。
精霊などとの契約を結んだ場合、すぐにテレサ長老に報告する義務があるそうなのです。
特に私のように契約前例のない妖精の場合はそれが必要なのです。なぜなら一部の精霊や妖精は保護者に”オリジナルスペル”を授けることがあるからです。
オリジナルスペルとは、その精霊と契約した者にしか扱うことができない特殊な魔法のことで、とても貴重な魔法が見つかることがあるのです。
シークレットガールは”ナイショだけどあるよ”と言っていました。
アイロネの塔の上層に長老フロアがあり、テレサ長老の執務室もそこにあります。執務室の前には病院の待合室のような長椅子があり、受付けに声を掛けるとそこで待つように指示されました。
既に数人の魔法使いが待たされていました。みんな昨夜の”三満月”に精霊契約のを行った人たちでしょう。誰もが明るい顔をしているのは契約が成功したからだと思います。
その後、1時間以上待ってからようやく私の名前が呼ばれました。
中に入ると、テレサ長老がいました。長老会で会って以来です。
金髪に緑眼、出るところが出て引っ込むところが引っ込んでいる、まさに”超”の文字付き美人さんです。少したれ目で隙がありそうな雰囲気がさらに柔らかい、いい印象を与えています。
「お待たせしてゴメンなさいね。シオン君だったわね。」
「はい、宜しくお願いします。ええと、先にアイロネ様からのことづけを申し上げます。
”私の養子だからといって遠慮せず審査してください”
とのことです。」
「はいはい(笑)。まず確認しますね。
夕べ、貴方は精霊か妖精と契約を結びましたか?」
「はい。妖精と契約を結びました。」
「おめでとう、じゃあ次ね。
貴方が契約した妖精に名前はありますか?」
この質問は、最下級の精霊や妖精と契約をしたのかという問いを現します。
最下級の精霊の場合は明確な思考を持たないものも多く、結果として名前を名乗れないことになるのです。
「はいあります、シークレットガールといいます。」
「まあ!それは、それはスペシャルレアな妖精さんね。悪食で有名な、あの妖精とよく……」
「え?悪食、ですか?」
「あら、知らなかったのかしら?三満月の夜によく現れ、一夜にして多くの魔法使いの魔玉を食い散らかして、ナイショナイショと言いながら消えて行く……有名な話だけど?」
それは、最後の”ナイショ”の部分で犯人確定ですね(笑)、間違いありません。図鑑にも似たようなこと書かれてましたし。
(ねえ?聞こえてた?)
(ウン?……ナイショダケド、アトニシテ)
朝から”食べすぎて動けない”と言ってこんな調子でして、やれやれです。
「確かに、昨日用意した4級の魔玉30個全部を食べ尽くされましたから。」
「え?ええっ?4級30個!」
「はい、なにか?」
「それは、そう!ミスティ教官に創ってもらったのね?」
「いいえ?自分で用意しましたが?」
自分の魔力で用意しないと、契約まで行く確率が大幅に落ちると聞いています。だから、みんな自分で創るので大変なのだと。
「さ、さすがにアイロネ様の孫と言ったところね。では、あとでシークレットガールに会わせてくださいね。」
「はい、大丈夫だと思います。」
出てこれるかな?
「とにかく、一度魔法を使ってもらいましょう。それとも既に試しましたか?」
「いえ、アイロネ様も、ミスティ教官も専門のテレサ長老に教えてもらった方がいいと。」
「うふふ、ではこちらに来てくれる?」
「はい。」
連れて行かれた隣の部屋は、無骨な石造りの部屋でした。ここで魔法の試し打ちをするのでしょう。よし、気合をいれてやりましょう。
「では、いつもの基本魔法の”活性化”をして下さい。」
「はい!」
活性化をすると、魔力が身体中に満ちてくるのが感じられます。
「では一回消して。今度は妖精に助力をお願いしてみてください。魔法を使うので力を貸してと伝えてください。」
(シークレットガール!魔法を使うから力を貸して)
返事はありませんでした。大丈夫かな?まあ、やってみましょう。
活性化をします、3歳の頃からやっているので今では深呼吸することとそれほど変わりません。しかし、
「あ!あ!あ!身体中が!」
今までは活性化したあとの”集中”や”凝縮”のプロセスでないと見えなかった青い光が全身から溢れ出ています。
「興奮しないでね。心を落ち着かせて。ゆっくり、ゆっくりと次の集中に移行して。」
言われたとおりに”集中”を行います。胸のあたりに今までにないほどたくさんの魔力が集まりました。
「そのまま聞いてちょうだい。”凝縮”はパスするわ。手のひらを上にして”放出”!水玉に”変換”をして!」
いつもなら10セチメトルくらいの大きさの水玉が50セチメトルくらいの大きさになっています。
うおっ!”制御”が!半端なく辛いです!
「水玉から水を導き出して!壁に向かって放出して!」
「き〜よ〜き〜み〜ず〜!」
シャアアアアアアアアアッ!
こっ、これはすごい!消防車の放水のような勢いで水が水玉から放出されます!
「そこまで!霧散して!」
制御をとき、水を霧散させます。はあっ!はあっ!結構疲れました。
「よく出来ました。こちらに戻って。」
元の部屋に戻ると椅子が用意されています。勧められるままに腰をおろします。
「はい、お疲れ様。素晴らしかったわよ。今のを見る限りシークレットガールは4級以上の霊格なのはほぼ間違いないわね。」
「そうですか!嬉しいです。」
「そうなると、う〜ん。シオン君は戦闘職なのよね。では、1週間の魔法訓練の後に初仕事に就いてもらうわ。いい?」
「はい!!」
とうとう働くようです。魔法で、です。父上、母上、シオンはあと少しで初任給をもらえるかもしれません。
このあと、オリジナルスペルの件で一悶着ありました。結果からいうと存在を隠蔽することになりました。
つまり”ナイショ”です(笑)
どうでしたでしょうか?
少しだけ、シオンの実力のベールを脱がせました。
次のエピソードは初仕事の予定です。
何をさせようかな?畑の水撒き……はやめときます(笑)
しばらく時間くださいね。




