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22話 お披露目の用意

アクセスありがとうございます。


たくさんの方が感想をくれたりお気に入りをしてくれたりで嬉しくなって少し再開を早めました。

このエピソードは今回をいれてあと4つです。


楽しんでいただけたらと思います。




朝早くに外に出て塔を見ていたらテレサ長老という女性が近づいてきました。

お祖母様の耳に顔を寄せて、ごにょごにょ何かを話しています。

お祖母様の顔の眉間のシワが少し深くなりました。


「…では、午後の長老会で。」

「知らせてくれて感謝するわ、テレサ。」


話終わったのか、テレサ長老がお祖母様から離れます。

お祖母様はテレサ長老を呼び捨てにしましたが、親愛の気持ちが込められています…仲がいいのではないでしょうか。

テレサ長老は和かな笑顔で、優雅な礼をしてから塔に戻って行きました。

テレサ長老の後姿を見送りながら、お祖母様は両手を胸の前に上げます。


パンパン!


”ポン!”


お祖母様が手を叩くと、軽い音と煙と共に翼を生やしたフェレットのような生き物が現れました。

体長は10セチくらいで翼は20セチくらいでしょうか、ちっちゃくって可愛いです!


「ミスティを呼んで。私の部屋に。至急よ。」


お祖母様がそう言うと、その生き物はもの凄い速さで飛んで行きました。


「あれはフェムと呼ばれる翔妖精で、アイロネ様の使い魔です。」


セバスがそっと教えてくれました。

使い魔とは、魔法使いが使役する存在だと何かの本で読んだ記憶があります。


「それでは戻りましょう。」


そう言うと、お祖母様は足早に塔の方に向かいます。

遅れないように後ろをついていき塔の部屋に戻りました。


「二人とも、まずは朝食を食べましょう。話はあとね。」


お祖母様は明るい顔をして言いました。

でも声が少しだけ硬く感じます…先ほどの話は悪い話だったのでしょうか。


夕べは私のことを色々聞かれて賑やかな食卓でした。

今朝は黙々と食べて”しん”としています、静かすぎです。

なにか雰囲気を変えたいな、ああそうだ。


「お祖母様、先ほどケルピーに代価を払っていると聞きました。代価とはなんでしょうか?」

「そうねえ、コルネからは何も聞いていないの?」

「母上からは、玉の魔法だけしか教えてもらってません。

もし、私が魔法使いにならないなら知らない方がいいから、と。」


そう、もしかしたらこの数年で私の体が急成長して大きくなれば戦士としての未来もあり得たのです。


「私の子供ながら懸命な判断ね。

代価とはね、シオン、玉の魔法のことなのよ。」

「玉の魔法が代価なのですか?」

「正確にいうと”魔玉”というものを指すの、玉の魔法で作るのよ。

魔玉は、精霊との契約に不可欠。強力な魔法の多くは契約した精霊の力を借りているのよ。」

「そうなんだ!」

「うふふ。」


知らなかった知識を得るのってとても興奮しますよね。

そんな私を見たお祖母様は幾分緊張が和らいだように見えます。


食事が終わる頃、お祖母様付きのメイドさんでターラさんというおばさんがお祖母様の横にきて声をかけました。


「ご主人様、ミスティ様が執務室でお待ちです。」

「わかったわ。2人とも、来てちょうだい。」


お祖母様に言われるままに執務室まで着いて行きました。

執務室…昨日初めて通された部屋…にいたミスティ教官はお祖母様が近づくと左膝をついて礼をしました。


「お呼びでしょうか、アイロネ様。」

「よく来てくれたわ、先ほどテレサ長老が教えてくれたの。ヘルメス長老が午後の長老会でシオンに何か質問したいらしいわ。

夕べ他の長老たちに、シオンに直接確認したいことがあるとか話していたらしいわ。」


ミスティ教官は小首を傾げて、


「そういえば夕べ、アイロネ様と別れた後でヘルメス長老に廊下でお会いしました。

パルス家の子を無事連れて帰ってきたか、元気か、などと聞かれ無難な返事をしておきましたが。」


「長老会に出席できることを確認したのでしょう。」


「何故でしょう?」


「わからないわ、でもヘルメス長老の息子さんは、前々回の北伐でパルス家に派遣して亡くなったのよ。

だから複雑な思いを抱いているのは確かね。

もっとも、それを公務に挟むような心の狭い人じゃないわ。

シオンは挨拶が済めばすぐに退席させるつもりだったけど、そうもいかなくなりそうね。」


お祖母様は少しだけ間を置いてから、


「おそらく何か魔法を見せろとか言ってくるでしょう。

ミスティ教官、午前中にシオンの”お披露目”に合う魔法を用意しておいてください。

5級の魔玉あたりがいいと思うわ。」


と、ミスティ教官へ私のための依頼をしました。


「そうですね、了解しました。

セバスチャン殿、シオン君の着替えを用意しておいてください。昼食前には戻ります。」

「かしこまりました。」

「それではシオン君をお借りします。」

「シオン様、いってらっしゃいませ。」

「うん、行ってくるね。」


セバスに声を掛けてから私は、ミスティ教官に着いていって廊下に出ました。



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