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20話 ブロッサム家の家督

アイロネの塔でアイロネお祖母様と対面してまだ1時間くらいです。


ですが、母上に仕草がとても似ていて初めて会った気がしません。


ところで今、私はお祖母様からの頼まれごとをしています。


その間にセバスがお茶をいれてお祖母様のところへ運びます。


「しまってあったのが以前と同じ場所で助かりましたよ。」


セバスはお祖母様に気さくに話しかけます。

お祖母様はとても喜んでセバスにお礼を言いました。

仲がいいのですね。


「久しぶりに貴方の入れるお茶が飲めるのね、楽しみだわ。

ねえシオン、着替えできたかしら?」


「はーい。」


セバスがお茶を入れる間に、お祖母様に頼まれた最初の仕事…衣装替えをすませました。


私は衣装部屋から出て二人の前に立ちました。


お祖母様が用意してくれていたのは魔法使い定番服であるローブです。


ローブのデザインは、丈が短くポンチョと言った方がいいかもしれません。


このローブの生地は夏用の薄い生地なのよと、お祖母様が教えてくれました。


下は個人の自由でズボンやスカートを用意するようで、今は履いてきた短パンのままです。


お揃いの靴も用意されていました。


今まで使っていた靴はしっかりとしていて足首をしっかり固めるものでしたが、こちらは柔らかい革製です。


服も靴も色違いを幾つか用意してあったので、まずは好きな緑を選びました。


アイロネの魔法使い用ローブのデザインは指定されているので色を多く揃え、小物と合わせて楽しむのが普通だそうです。


「まあ、可愛らしい!」


「シオン様、コルネ様によく似ておいでです。」


「まあ!じゃあ私にも似ているのね、ウフフ。」


まるでランドセルを背負った子孫を褒めているような雰囲気の2人…こちらは少々恥ずかしいんですけど。


席についてしばらくお茶を楽しんだあと、


「じゃあ、本題を話すわね。」


とお祖母様は真剣な顔をしてはなしてくれました。


私がここでするべきことを。


「シオン、今日から貴方は私の養子になって…ブロッサム家の家督を継いで欲しいの。」


お茶を一口飲んで少し間を開けてから続きの話をしてくれます。


「私の家の名前はブロッサム家といってね、領地を持たない下級貴族なの。

一人娘のコルネが婿を取らずに嫁に行ったので、ブロッサム家は家督預かり(養子を貰うなどして跡継ぎができるまで休家の扱い)の状態で、…この名を、この家を継いで欲しいの。

あのね、わかるかしら?

ブロッサム家の名を名乗ることが目的じゃあないの。

あなたがパルスの名を捨てることが、パルス家の謝罪として大きなアピールになるのよ。

まだまだ、パルス家を恨んでいる魔法使いは多いの…。」


やっぱり先代パルス子爵の大敗のせいかな?大切なところだから確認しなくちゃ。


「先代のパルス子爵のときに、北伐で失敗して多くの魔法使いが死んだと聞いています。そのことですよね?恨まれている理由は。」


「あとコルネが嫁いだのもね…貴方の母親はモテモテだったのよ。」


笑話しにしたかったみたいだけど、眉間にシワがよってますよ、お祖母様。


「シオン様には正確に情報を伝えた方が良いと思いますよ、アイロネ様。」


さすがセバス!いい仕事してくれますね。


お祖母様は苦笑しながら、


「あのとき、パルス家に派遣していた魔法使いは5人…。

うち3人は求婚者、残り2人は求婚者の取り巻きよ。

実力のあるとても強い人達でしたけど同じくらい野心も強かったわ。」


それは…ええと…すごくないですか?


そんな人たちが集まったら、メチャメチャ重たい空気になりそう。


「みんなパルス子爵に息子とコルネとの仲を認めさせないように迫ったり、弱みに付け込こむとしたり…。

そんなことのためにパルス家への派遣を志願した人たちよ、コルネリアを幸せにできそうな人達じゃあなかったわ。」


「どんな人たちだったか知りませんが、北伐を失敗した原因はその人たちだったのではないでしょうか?」


お祖母様は首を縦にも横にも振りませんでしたが、私の目をじっとみつめながら諭すような口調で


「…例えそうだったとしても、そのことを口に出してはダメよ。」


とおっしゃいました。


「…はい、わかりました。」


もう悪口は言わないようにします、だって、その人たちは死んで何も言えないのですから。


「あなたがブロッサム家の家名を継いでくれたならば…次の北伐のときパルス家に魔法使いを派遣できるわ。

シオンはどう思っているの?」


もちろん、答えは決まっています。


北伐で父上達が死ぬ確率を下げられるのです!


家名は変わってもみんな家族です!


「はい!シオン・ブロッサムになります。」


私はかしこまって敬礼をしました。


「よかった…。

でもね、私は身内だからといってあなたの味方はできないの。

…そういう役職なのよ、外では注意してね。」


「はい。この部屋以外では”アイロネ様”と呼びます。馴れ馴れしくしません。」


「ありがとう。じゃあ家督の件、いいのね。」


「はい、…あっ、呼ぶのはお祖母様でいいですか?母上だとかぶるので…?」


「ええ…ええ、いいですとも。

…シオン、これからよろしくね。」


「はい!お祖母様!」


私は元気良く応えました。




すいません。

ストックがつきました。

かなり楽しんで、2回も3回も書き直したのでこれだけしか用意できませんでした。


また、用意出来次第、アップします。


それと、もしよろしければ感想を下さいませんか?


みなさま…本当に感謝・感謝・感謝です。


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