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18話 出発

みなまさ、感謝・感謝・感謝です(^-^)/




「「「「シオン(ちゃん)誕生日おめでとう!」」」」


「ありがとう!ふ〜!!」


私はケーキに突き立った7本のロウソクの炎を吹き消します。


今日は7月7日、私の誕生日です。


母上とダン兄、そして王都からわざわざ来てくれた父上とアーサー兄がお祝いをしてくれます。


私の誕生日を家族みんなが集まってお祝いしてもらえるのはこれで…最後でしょう。


母上は料理とケーキを作ってくれました。


アーサー兄は、王都ではやっているというゲームを買ってきてくれました。


ダン兄は、お手製の木剣をくれました…剣の平たい部分に”まいにちふれ!”。と彫ってあります。


父上は…パルス家秘伝の剣技スキルを一つ教えてくれました。


この剣技スキル…パルス・スラッシュ…は私に相性のいいスキルでした。


剣技を教えてくれた後、汗を吹きながら父上が言葉を発しました。


「シオン、弱い父を許してくれ…。

今回の話…今後の”アイロネの魔法使い”との関係を考えると、断りきれなかった。」


疎遠になっている”アイロネの魔法使い”と関係を修復するには、今回の話はまたとないチャンスです。


普通なら、家長として当然の選択をしただけなので父上が私に謝る必要はないのです。


お優しい父上だからの言葉。


「父上、シオンは幸せです。

微力ですが頑張ってまいります…フリード・バルスの息子として。」


みんなが私の大切な宝物です。


翌日、私は私がなすべきことがある場所に向かって出発しました。



・・・・



ガタガタ、ゴトゴト…。


馬車という乗り物は乗り心地が良くありません。


いえ、この世界に乗り心地の良い馬車がないわけではないのです。


高級な馬車には地面からの衝撃を吸収する装置がついています。


パルス子爵家の馬車も乗り心地良かったですし。


…恵まれていましたね。


私は、そんな乗り心地の悪い馬車に乗って王都までの1週間を過ごしています。


誕生日の翌日、お迎えの馬車が来てパルス家の本宅を出発しました。


この馬車には御者を除くと私とセバス、そしてミスティという女性が乗っています。


ミスティさんは 私を迎えにきてくれた

”アイロネの魔法使い”さんです。


黒目黒髪で目つきが鋭いせいか、第一印象ではやたらと怖い印象を受けました。


王都までの道中、ミスティさんに私のことを色々調べられました…もちろん魔法に関してですよ。


使える魔法の種類、どれだけ一度に魔法を使えるか、どれだけ遠くに魔法を飛ばせるか、などなど。


私が”玉”の魔法四つしかできないと言ったら、ミスティさんは一瞬驚いてから呆きれたような目で見られました…恥かしい。


調査が終わると、王都に行くまでにやっておいた方がいいという修行をするように命じられました。


その修行とは王都まで玉の魔法をずっと制御することです。


馬車の上では障害がいろいろあります。


地面の凸凹や馬の速度の緩急、ちょっとした気の緩みなど…。


「気が散ってるでしょ、集中して!

出来ないなら帰っていいから。」


「はい、すいません。」


今のミスティさんへの印象は…スパルタスポ根先生です。


ミスティさんは非常に厳しく、ちょっと表面が波打つだけで怒られます…セバスとは違ったタイプの厳しい方です。


「また!なに考えてるの!

注意する方の身になってよ!

まったく!」


「す、すいません。」


「シオン様、あと半日ほどです。

頑張ってください。」


セバス…止めてくれる気は全くないんですね。



昼頃、やっと王都に着きました。


王都の入り口では、中に入るのに簡単な手続きだけで終わりました。


どうやら、話がついていたらしくすんなりと入れました。


ちなみに王都は外壁で囲まれていて、一般の入り口の方は入る為に長い列をつくっています。


私が入ったのは特別な入り口のようです。


城壁の中にはいると、馬車は王城や繁華街のある中央ではなく外周よりに進みました。


中央にある王城からみて西の方向にある大きな高い建物に向かっているようです。


「シオン様、あれがアイロネの塔でございます。」


「…そう。」


セバスが説明してくれましたが…私は、王都中心の方に視線を送って塔を見ませんでした。


あそこに父上やアーサー兄が…。


「では最後に、到着するまで出せるだけ多くの”玉”を出して制御してください。

もちろん、集中して一つも乱れを作らないように。

…そのくらいできるわね?」


…感傷にひたる時間もないようです。


私は、気合を入れて魔法を使いました。

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