表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/61

17話 アイロネの魔法使い

開いていただきありがとうございます。


感謝・感謝・感謝です。




母方の祖母が私を引き取りたいと言ってきました。


…私は母上の実家のことはほとんど知りません。


セバスから魔法使いの家系だと聞いたくらいしか…。


「シオンちゃん…貴方のお祖母様は魔法使いなの。

”アイロネの魔法使い”と呼ばれる魔法使いの頂点に立つお方なのよ。」


それから母上は、”お祖母様”と”アイロネの魔法使い”について説明してくれました。


アイロネというのは、いわゆる魔法の流派でした。


この国ではアイロネとサージュという2つの魔法の流派があり、それぞれを”○○の魔法使い”と呼んでいるそうです。


アイロネの魔法使いの中で一番偉い人がアイロネと呼ばれるそうです。


だから、お祖母様はすごい偉い人みたい…。


この2つの流派は、どちらが優秀な魔法使いかで昔から競い合っているようです。


と言っても、ここのところサージュ派に押され気味とのこと。


「先代のパルス子爵の大敗が影響しているの。」


辛そうな顔で母上が言葉を続けます。


なんでも、10数年前の北伐で先代のパルス子爵は大きなミスをして多数の味方を死なせ、ご自身も亡くなられたそうです。


そのとき、パルス家に派遣していたアイロネの魔法使いも数多く犠牲になり勢力を大きく減少させる原因になったとのこと。


当然、パルス家とアイロネの魔法使いは疎遠になってしまったそうで。


そのときに、母上と父上は婚約中で…周囲の反対を押し切り結婚したそうです。


…恋愛結婚だったのですね…この話のときだけ母上、頬が赤かったですよ(笑)


その後、8年前の北伐では、父上が後を継いだパルス家にアイロネの魔法使いは協力を拒否…1人も貸し出さなかったそうです。


北伐での魔物との戦いは、騎士が前面で戦い、魔法使いが後方から支援するかたちが基本であるため、父上は非常に苦しい戦いをしたみたいです。


必要な魔法は、わたしを身ごもっていた母上が1人で行使していたそうです。


その戦いでパルス家は大きな被害は受けなかったものの、手柄と言えるほどの働きを示せなかったそうで…。


今のパルス家はそのせいで微妙に弱い立場のようです。


まあ、そのパルス子爵の実子ですので家の実状に関しては、断片的な情報は入って来るので知っていましたが…。


「二人とも、難しい話をしてごめんね。

…シオンちゃんは…魔法使いが向いていると思うの…だから…アイロネ様のところへ行くのが一番いいの…。」


そう言った途端、母上の目から大粒の涙がこぼれ落ちました。


とめどなく…。


「アイロネ様は…あなたのお祖母様は…シオンちゃんを立派な”魔法使い”に育ててくれるはずよ。」


ダン兄も、顔をくちゃくちゃにしています。


声を出さないように、涙を流さないように懸命に堪えています。


つられて涙目になってしまいましたが、私が泣いたら2人は困るでしょう…堪えました。


話の流れからして…パルス家の血を引く私を歓迎してくれるとは思えません。


それでも、アイロネお祖母様が私を呼ぶということはそれに意味があるということでしょう。


どうやら、覚悟を決めて…旅立つときが来たようです。






シオンは、自分が一番最初に泣いていたことに気づいていません。


シオンが剣より魔法の素質の方に恵まれていることをダン兄は気がついています。


だから、ダン兄は堪えていたのえす。


フリードとコルネリアの辛さはどれほどのものでしょう…。


子供を旅出させるときが、いつか来ることをわかっていても…。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ