1話 いとしいひとたちよ…
このお話に興味を持っていただいて感謝感謝です。
よろしければ、お読みください。
では、始めます。
私は、仕事中毒人間でした。
仕事に対して”手を抜く”ということがどうしても出来ずに残業を繰り返していました。
そして気が付いたら、身体を壊していました…。
今は病院のベットの上にいます…手遅れでした。
もう、お迎えを身近に感じています。
私は安らかなる時を待っていました。
私に家族は、”これまでがんばってくれてありがとう”…と言ってくれました。
仕事を理由に家庭をおろそかにしていた自覚が…私には多分にあります。
なのに…家族は…こんな私に…泣けてきます。
そんな暖かい家族に見守られて…とうとう…お迎えが来たみたいです。
もし生まれ変われるなら、もう仕事中毒のサラリーマン戦士は嫌です。
自分と大切な人たちとの時間を大切に生きたい…。
ああ…意識が遠のいて行く…。
さようなら、愛する人たちよ…。
薄れゆく意識の中、私は誰かに優しく抱きしめられたような気がした…。
「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ。」
「奥様、おめでとうございます!
元気な男の子ですよ!」
「はあ、はあ、お兄ちゃん達にそっくりね…。」
「旦那様もお喜びになりますよ。」
「はあ、きっと、はあ、あの人は
顔をくちゃくちゃにして、はあ、可愛がるわね。」
「大仕事を成し遂げられましたね…奥様、少しお休みください。」
「はあ、はあ、後は、頼みますね。」
ある世界で一つの命の灯火が消えました。
そして、ある世界で新しい一つの命の灯火が灯り、光を放ちました。
この光はこの世界をどんなふうに照らすのでしょうか。
数多の物語の中でこの物語りを目にした貴方に、この光は何色に見えるのでしょう。
とうとう転生モノに手を出してみました(笑)。
ネタとして多くの人が挑戦しているので、読者の反応がどうなのか、ドキドキしながら書きました。
主人公の前世の性別、年齢、氏名はあえて設定しませんでした。
20代から50代くらいまで、幅広く多くの人に当てはまるようにするためです。
つまり感情移入のしやすさを狙っています。