第四話 脅迫状
二人が学校に着いて、職員室に着くと担任の先生しかいなかった。
「来てくれたか。
二人を呼んだのはちゃんとした理由があるんだ。
その理由を今から二人に話そう。
実は、昨日私の家に一通の手紙が届いたんだ。
内容は学校で殺人事件を行う。何人目で俺を捕まえることができるか?
そして、耕助と春日は必ず学校に来させろ。
という内容だったんだ。
始めはいたずらかと思ったのだが、なんだか怖くなってきてね。
この前学校で殺人事件が起きたばかりだから。
だから、二人には学校を守ってもらいたいんだ。頼む」
先生は真剣な眼差しで二人を見つめる。
すると、春日がしゃべり始めた。
「警察には連絡したんですか?
俺たちより警察のほうがはるかにすぐれていますよ」
「警察には昨日連絡したんだがまともに話を聞いてくれなかった。
だから、耕助君と春日くんに頼んでいるんだ」
「どうするよ、耕助。
このまま学校に来ないで家で落ち込んでたって俺たちのためにならないぜ?」
「そうだな、春日の言う通りだ。
じゃあ先生、俺等に任せて下さい!」
「二人ともありがとう。
それと明日はみんなと一緒にお葬式に行くので少し早めに学校に来てください。」
二人はいつのまにか、いつもの余裕の表情を浮かべていた。
◆帰り道
「あ、そういえば手紙の送り主の名前を聞くの忘れたな」
「聞いたって無駄だと思うぜ?
どうせ名前なんか書くはずがない。
気になるのは先生の家に直接手紙を入れたこと。
これは他の先生には見られたくないと言うことでなんとなく意味がある。
学校の生徒を殺すと宣言していること。
これは先生の立場で考えれば、殺人は起きてほしくない。つまり、脅迫のためだと考えられる。
そして、俺と春日を必ず学校に来させろ。
これに限っては意味がわからない。
犯人側からしたら、探偵の二人をわざわざ先生を脅迫してまで呼ぶのはおかしいと思わないか?
意味があるとすれば、一つだけだ。
俺等を殺すつもりだろう。それ以外に意味があるとは思えない。
犯人側からして危険人物である俺等を殺すとあればすべての意味がつじつまがあう」
「そうだな、少しの可能性だが犯人は学校内に居るんじゃないか?」
「たしかに、それはありえる。
俺や春日が探偵だと知っているやつは学校内にしかいないからな。
もしくは犯人は学校内にいると考えるであろうことを逆手にとり、外部による犯行をするのかもしれない」
「やっぱり耕助はすごいな。
いつも、考える早さが俺よりはるかに上だ」
「さぁて、話はここまでにしよう。
先生に送られてきた俺等に対する挑戦状の主を捕まえてやろうぜ」
「おう!一度挫折した人間は強いということを教えてやろうぜ」
二人は元気よく別れて、自分の家に帰っていった。
◆耕助宅
こんどこそは油断せず犯人を捕まえてやる。
そして、いつか川上零をこの手で捕まえてやる。
春日も元気を出したみたいだし、俺も全力で事件を推理する。
◆春日宅
こんどこそは油断せず犯人を捕まえてやる。
そして、いつか川上零をこの手で捕まえてやる。
耕助も元気を出したみたいだし、俺も全力で事件を推理する。
耕助の足手まといにならないように。
二人はほとんど同じことを考えていた。
川上零をいつか必ず捕まえるという使命を背負って…