透
掲載日:2026/09/03
目を合わせず
伏せてばかりの瞼に
小指でベージュのラメを置いた
光の角度で
つめたく散る
下手くそなカーブを描く
睫毛に施すマスカラの
ブルーグレー
謳う通りに発色するリップは
言葉足らずの唇を
引き結ぶたびに
滲んでゆく
ファンデーションの
薄い隔たり
感情に輪郭を添える
アイブロウ
定位置の分からないチークを諦め
コトリ、筆を置く
わたし から 私
程度の変身
時間とともに崩れて行く
頼りない防御
お守りのように
ポーチに入れた白粉
私 から 浮き出たわたし を隠して
ショーウィンドウに映る姿に
そっと目を伏せる
きっとつめたく光る
ラメを散らしながら




