表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/16

想い焦がれた恋人の、端っこ 08

[BL] 想い焦がれた恋人の、端っこ

.

..

.

第八部:手放すことのできない心

.

..

.

セヒはテオを探すために、まるで猛烈な猟犬のように山の中をくまなく探した。彼女は森の道をたどり、隠された小道や、もしかしたらテオが滞在していたかもしれない別の山小屋を、しつこく探索した。彼女の心の中には、テオへの深い愛と彼を取り戻したいという切ない熱望が、炎のように燃え上がった。道を失わないように、セヒは下男たちと一緒に木の枝に目印を残しながら探索を続けた。彼女の足取りは疲れを知らず、彼女の眼差しは、ただテオを見つけることに集中していた。


ついに、セヒはテオとドルセが一緒に暮らしている小さな山小屋を発見した。森の奥深くに位置する山小屋は、まるで世界と断絶されたかのように静かで平和に見えた。セヒは息が詰まるほどの緊張感に包まれた。彼女の心臓は激しく高鳴り、彼女の手は微かに震えていた。彼女は心の中で数えきれないほどテオの顔を思い浮かべた。彼の微笑み、彼の眼差し、彼の声…彼女はテオに再び会えるという希望に胸がいっぱいになった。


「あそこよ。」


セヒは息をひそめるような声で下男たちに指示した。彼女の目は山小屋に固定されていた。


「あの山小屋に違いないわ。お坊ちゃまはあそこにいらっしゃるはずよ。」


セヒの心は、期待と緊張感で満ちていた。彼女は深く息を吸い込み、山小屋へとゆっくりと歩いていった。彼女の足取りは重く、彼女の心は複雑だった。彼女はテオに再び会える喜びとともに、彼が自分をどう扱うか分からないという不安感に襲われた。


ついにセヒは山小屋の前にたどり着いた。彼女はしばらく息を整え、震える手で慎重に戸を開けた。戸が開いた瞬間、彼女の目の前に広がった光景は、彼女の心臓を貫くような苦痛を与えた。


山小屋の中には、テオとドルセが一緒にいた。彼らは小さな食卓に向かい合って座り、温かい眼差しで互いを見つめ、微笑んでいた。テオの手はドルセの手を温かく包んでおり、彼らの顔には、この上なく幸せな微笑みが満ちていた。セヒは、その姿を見た瞬間、まるで心臓が粉々に砕け散るような痛みを感じた。彼女の目には涙がいっぱいになった。


「お坊ちゃま…」


セヒは力なくつぶやいた。彼女の声は震え、彼女の眼差しは悲しみで満ちていた。テオはセヒの声を聞いて驚き、顔を向けた。彼の顔には、戸惑いと罪悪感が入り混じっていた。


「セヒ、お前は一体どうして俺たちがここにいると分かって見つけたのだ?」


テオは戸惑った表情でセヒに尋ねた。彼はセヒが自分たちを探しに来るとは想像もしていなかった。

セヒは痛む心を懸命に隠しながら答えた。彼女の声は震えていたが、彼女の眼差しは決断力で輝いていた。


「四方八方、一緒に来た者たちとあなたを探しに来ましたわ、お坊ちゃま。なぜ私を置いてここに来たのですか?」


セヒはテオに、なぜ自分を捨てて去ったのか、なぜドルセを選んだのか聞きたかった。彼女はテオの本心を知りたかった。

テオはセヒの悲しい眼差しを避けながら、断固として答えた。


「俺は…俺はここで、すべてを捨ててドルセと幸せに生きたいのだ。」


テオの答えは、セヒの心をさらに痛めた。彼はもう彼女のもとに戻る気がないことをはっきりと示した。ドルセはテオのそばに立ち、彼の手を握って力を与えた。彼はテオの決断を支持し、彼のそばを守るという意志を見せた。


「お坊ちゃま…」


セヒは、その姿を見て胸が詰まった。彼女は、テオがもう自分の人ではなく、他の人と一緒にいるという事実を、受け入れるのが難しかった。彼女の心の中には、嫉妬と悲しみ、そして怒りが入り混じり、激しく渦巻いた。


「お坊ちゃま、どうか…戻ってきてください。私たち、もう一度一緒に始められますわ…」


セヒの声は切羽詰まっていた。彼女はテオにもう一度機会をくれるように哀願した。彼女は、テオが自分のもとに戻ってきてくれるなら、すべてを許し、彼のそばを永遠に守ってあげられると信じていた。

しかし、テオはセヒの切ない願いを聞いても、断固として首を横に振った。


「帰ってくれ!俺は今、ドルセと一緒にいることが俺の選択なのだから。」


テオの冷たい言葉は、セヒの心をさらに深い絶望へと追い込んだ。彼女はテオの愛を取り戻すことができないという事実を悟り、崩れ落ちた。

ドルセはテオの選択を支持し、セヒに慰めの眼差しを送った。彼はセヒの苦痛を理解したが、テオを諦めることはできなかった。


「セヒお嬢様、お嬢様の気持ちは分かりますが、もう私たちに干渉しないでくださいませ。」


ドルセの声は冷たかったが、彼の眼差しは決断力と、テオへの強い愛で満ちていた。彼はセヒに、自分たちの幸せを邪魔しないでほしいと懇願した。


セヒは、テオとドルセの愛がどれほど深いかを悟り、絶望に陥った。彼女は、自分たちの愛があまりにも強烈で、誰も壊すことができないことを認めなければならなかった。


「私もお坊ちゃまを慕っているのよ!」


セヒの叫びは、強烈な感情で満ちていた。彼女はテオに自分の愛を告白し、最後の希望をかけた。しかし、テオは落ち着いた態度で彼女を見つめた。彼の目には、憐憫と罪悪感が混じっていたが、彼女への愛は見つけられなかった。

セヒは絶望の中で涙を流し、テオの名前をむやみに呼んだ。


「お坊ちゃま!」


テオとドルセは、互いの手をさらに固く握り、セヒの絶望的な叫びの中で、さらに強い連帯感を感じた。彼らはもう、互いの手を離さず、どんな困難が降りかかってきても、一緒に乗り越えていく準備ができていた。


セヒはテオの決断を受け入れなければならなかった。しかし、彼女の心の中には、依然としてテオへの愛が残っており、彼女は決して諦めることができないという強烈な渇望を感じていた。彼女はテオを手放すことができなかった。


すすり泣いていたその瞬間、セヒは突然、下男たちにドルセを捕まえるように命じた。彼女の眼差しは冷たく変わり、彼女の顔には怒りと嫉妬が入り混じっていた。下男たちはセヒの突然の命令に戸惑ったが、やがて彼女の命令に従ってドルセに駆け寄り、彼を無理やり捕まえた。


「ドルセ!あなたのような下男のせいで、私がこんなにも傷つくことはできないわ!」


セヒは激しい感情で叫んだ。彼女はドルセがテオを誘惑したと考え、彼に復讐したかった。テオもドルセに近づこうとしたが、残りの下男たちが彼を捕まえ、離さなかった。


「これを、離せ!何をする気だ!まさか俺が誰か知らないというのか!」


テオは下男たちに叫んだが、彼らはセヒの命令に従い、身動き一つしなかった。


「お坊ちゃま、無駄です。お坊ちゃまを逃がしてはなりません!」


セヒは下男たちに、テオを逃がさないように命じた。彼女はテオを連れ戻すために、手段を選ばないつもりだった。


「セヒ、どうか!」


テオが切に叫んだが、セヒはそんなテオの言葉に耳を傾けなかった。彼女の心の中には、ただテオを取り戻さなければならないという考えしかなかった。


「お坊ちゃまは、もう私に従って帰らなければなりません!」


セヒはテオを捕まえ、彼を山小屋から無理やり引きずり出そうとした。彼女はテオの腕を引っ張り、彼の体を突き飛ばした。テオはセヒの腕力に抵抗したが、彼は下男たちに捕らえられ、身動き一つできなかった。


下男たちはドルセの腕を力ずくで捕まえて縛り、彼を庭に投げ捨てた。ドルセは地面に倒れ、苦痛を感じていた。セヒは下男たちに、ドルセに杖刑を加えるように命じた。彼女はドルセに酷い罰を与え、テオの心を変えようとした。


「お坊ちゃまを山の中に連れて行き、誘惑しようとした、あの破廉恥な下男に杖刑を加えなさい!」


セヒの命令は、残酷で冷酷だった。彼女はドルセに過酷な罰を与えることで、テオに自分の愛を証明したかった。

下男たちはセヒの命令に従って、ドルセを庭にひざまずかせた。テオはそんな姿を見て、不憫な思いで全身を震わせた。彼はドルセが苦しんでいる姿を、とても見ていられなかった。


「セヒ、どうしてそんなことをするんだ、やめろ!やめさせろ!」


テオは哀願したが、セヒは冷たい表情で彼を見つめた。彼女の目には、悲しみと怒りが入り混じっていた。


「お坊ちゃま、私があなたに戻ってきていただけるなら、私はあなたのために何でもできます。ドルセがあなたを連れて行くままにはしません!」


セヒは切羽詰まった声で言った。彼女はテオを取り戻すためなら、どんな犠牲もいとわない覚悟ができていた。

下男たちは、迷うことなくドルセの尻に竹の棒を構えた。鞭打ちをする準備を終えた彼らの表情は、こわばっていた。


「さあ、始めなさい。」


セヒは冷静に命じた。下男たちはセヒの命令に従い、ためらうことなく棒を振り回した。棒がドルセの尻にぶつかる音が、森の中の静寂を打ち破った。


「うっ!」


ドルセは苦痛に満ちたうめき声を上げ、体を震わせた。彼の顔は苦痛でゆがみ、彼の目には涙がいっぱいになった。テオは、その光景を見て、焦げ付くような苦痛を感じた。彼はドルセの苦痛を代わりに背負いたかった。


「やめろ!やめろ、セヒ、やめてくれ!頼むから…」


テオは哀願したが、セヒは彼の言葉を無視した。彼女の心の中には、ただテオを取り戻さなければならないという考えしかなかった。


セヒはテオの絶叫を聞いたが、彼女の心の中には、すでに固い決意が固まっていた。彼女はドルセに過酷な罰を与え、テオの心を変えることを決意した。


「お坊ちゃま、これがあなたを救うための方法です。彼を罰しなければ、あなたが戻ってくることはできません!」


セヒは切羽詰まった声で言った。彼女は、ドルセを罰することがテオを取り戻すための唯一の方法だと信じていた。

下男たちは止まることなく、ドルセを叩き続けた。鞭打ちが続くにつれて、ドルセの尻はますます赤くなり、痣ができ始めた。


「うっ…うっ!…はぁっ…」


ドルセは再び悲鳴を上げた。彼の声は苦痛でかすれていた。テオはそんな彼の姿を見て、胸が張り裂けそうな苦痛を感じた。


「だめだ!いけない、セヒ!」


テオはもう耐えられず、下男たちに向かって駆け寄りたかったが、彼は下男たちに捕らえられ、身動き一つできなかった。彼の体はまるで鎖に縛られたかのように動かなかった。

ドルセはテオの悲鳴を聞き、さらに苦しんだ。彼はテオが自分のせいで苦しんでいる姿を見るのが、何よりも辛かった。


「お坊ちゃま、心配なさらないでください…私があなたのために…どんな苦痛も耐えられます…」


ドルセはかろうじて言った。彼の声はかすれており、彼の息遣いは荒くなっていた。

セヒはそんなドルセを見つめ、自分の選択が正しいか葛藤した。彼女の心の中には、テオへの愛と、ドルセへの憐憫が入り混じっていた。


「何をぼんやりしているの!」


セヒは葛藤を振り払い、決然とした声で下男たちに叫んだ。

下男たちはセヒの命令に従い、止まることなくドルセの尻を叩き続けた。テオはもうこれ以上耐えることができなかった。彼の目には絶望と悲しみが満ちていた。


「お願いだから、やめてくれ!頼む…ドルセを放っておいてくれ!」


彼は哀願したが、下男たちはセヒの命令に従ってドルセを苦しめ続けた。鞭打ちが続くにつれて、ドルセの体はますます弱っていき、ついに彼は意識を失って倒れた。

ドルセが倒れると、テオは絶望と悲しみに包まれた。彼はドルセに駆け寄り、彼の名前を切に呼んだ。


「ドルセ!ドルセ!目を覚ませ!」


テオはドルセを抱きしめ、泣き叫んだ。彼はドルセの冷たい体を抱きしめ、彼の名前を呼び続けた。セヒはそんなテオを見て胸が痛んだが、自分の選択を後悔しないと、もう一度心に誓った。彼女は下男たちに命じた。


セヒの命令でドルセが庭で罰を受けている間、テオは無力に見守るしかなかった。ドルセが苦しんでいる姿は、テオの心を切り裂いた。彼の目から流れる涙は止まらなかった。下男たちがドルセを傷つけると、テオはさらに絶望的に近づきたかったが、そこに捕らえられている彼の体は、身動き一つしなかった。


セヒはやや興奮した状態で庭に出て、テオに近づき、彼の腕を掴んで山小屋から引きずり出そうとした。しかし、テオはセヒの手を振り払い、倒れているドルセに近づこうとした。だが、下男たちが再びテオを捕まえ、ドルセに近づけないようにした。


「ドルセ!」


テオの声は切羽詰まっていた。

.

.

.

読んでくれてありがとう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ