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想い焦がれた恋人の、端っこ 06

[BL] 想い焦がれた恋人の、端っこ

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第六部:感情の糸

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テオは重い足取りで山道を登った。彼の心は、まるで絡まった糸玉のように複雑に絡み合っていた。セヒへの申し訳なさと罪悪感、そしてドルセへの手に負えない渇望が、彼の内面を絶えず揺さぶった。迫り来る婚礼は、まるで目の前に立ちはだかる巨大な障壁のように感じられ、彼は自分が果たしてどんな選択をすべきか、見当がつかなかった。しかし、心の奥底ではすでにドルセへの彼の気持ちが固く根付いていた。


山道は静かだった。鳥のさえずりだけが時折聞こえるだけで、周囲は濃い緑に覆われていた。テオは息を整えながら歩く間も、絶えず考えにふけっていた。彼は自分が本当に望んでいるものが何なのか、そしてその願いを叶えるためにどんな代償を払わなければならないのか、自分自身に問い直した。家門の期待、セヒとの約束、そしてドルセとの愛。これらすべてが彼の肩にのしかかるようだった。


ついにテオは、見慣れた場所にたどり着いた。彼は息を整え、周囲を見回した。すると、森の中で葉っぱが擦れる音とともに、ドルセが姿を現した。


「お坊ちゃま、お待たせして申し訳ございません。」


ドルセの声は、相変わらず力強く温かかった。テオはその声に、一瞬にして心の安らぎを見つけた。彼はドルセの目を深く見つめ、これまで黙々と胸の中に秘めていた感情と葛藤を、すべて打ち明けることを決心した。もうためらっている時間はない。迫り来る婚礼は、彼の心をさらに焦らせ、彼は今この瞬間、すべてを正直に話さなければならないと感じた。


「お前に話したいことがある。」


テオの声は微かに震えていた。彼自身、自分の声がどれほど不安そうに聞こえるか分かっていた。ドルセは驚いたように目を大きく見開き、テオを見つめた。彼は少しの間ためらっているようだったが、やがてうなずき、テオの次の言葉を待った。

テオの心臓は激しく高鳴った。

彼は深く息を吸い込み、勇気を出して自分の感情を正直に表に出すことを決意した。もう隠すことも、隠し続けることもできないと思った。


「婚礼が近づくにつれて、もう自分の心を隠すことができなくなった。俺は…お前を愛しているようだ。ドルセ。」


テオの告白は、山の中の静けさを破って響き渡った。彼の言葉は、まるで重い石の塊のように彼の胸から転がり落ち、森の中に散らばっていくようだった。ドルセは予想外の告白に、しばらく言葉を失った。彼の目には、驚きと喜び、そして信じられないというような感情が複雑に混ざり合っていた。彼は何度も口を開いては閉じ、何を言うべきか分からず戸惑っている様子だった。


「お坊ちゃま…本当に私を愛していると、おっしゃいましたか?」


ドルセの声は微かに震えていた。彼の目は相変わらずテオから離れなかった。彼はまるで夢を見ているかのように、現実を信じられないという表情だった。テオはドルセの目をまっすぐ見つめ、うなずいた。


「そうだ。俺がお前と一緒にいることが、もっと大きな幸せなのだと、今になって分かったようだ。」


テオの言葉は、ドルセの胸に熱い火をつけた。長い間、テオのそばで見守りながら彼の心を渇望していたドルセは、彼の率直な告白に胸がいっぱいになるほどの感動を覚えた。彼はテオの心を知りたかったが、あえて表に出すことができなかった自分の感情を隠したまま、黙々と彼のそばを守り続けてきた。


「私も、お坊ちゃまを長い間、恋い慕っておりました。お坊ちゃまのそばにいたいのです。」


ドルセはついに自分の心を正直に打ち明けた。彼の言葉は本心であり、彼の目はテオへの深い愛情で満ちていた。テオはもう自分の感情を隠す必要がないことを感じ、緊張が解けた。彼はドルセの心からの告白に安堵感を覚え、彼の手を握った。二人はお互いを見つめ、深い感情に浸っていった。


しかし、その瞬間、テオは再び精神的に苦しくなった。彼の心の中には、セヒに対する罪悪感が入道雲のように湧き上がった。

婚礼を破棄したわけではなかったが、彼はすでにセヒに深い傷を与えていることを知っていた。家門のためには婚礼を挙げなければならなかったが、ドルセへの彼の心は、そうすることはできないと叫んでいた。彼は深いため息をつき、苦しそうに言った。


「しかし…婚礼まであと少ししかない。ドルセ、どうすればいいというのだ。」


テオの言葉には、絶望と苦悩が満ちていた。彼は自分の感情を正直に表現したが、現実の壁は相変わらず高く、強固だった。ドルセはテオの手をさらに固く握り、彼の不安な心をなだめた。


「お坊ちゃま、お坊ちゃまの幸せが、すなわち私の幸せでございます。このような私に心だけでもお与えくださるなら、私は大いに喜んで、恐れ多いばかりでございます。」


ドルセの心からの言葉は、テオの心をさらに揺さぶった。ドルセとの愛を選びたかったが、セヒを完全に裏切ることは、彼の良心を押しつぶすことだった。彼は絶えず自分の選択を天秤にかけ、苦しんだ。彼はこれまでで最も難しい状況に置かれており、どんな決断を下すべきか分からなかった。


「俺もこのままお前と一緒にいたい。だが…本当に苦しい。」


テオは自分の本心を伝えながら、ドルセを哀れに見つめた。彼の目には、悲しみと苦痛、そして葛藤が満ちていた。ドルセはテオの苦しそうな表情を見て、痛ましさを禁じえなかった。彼はテオがどれほど辛い時間を過ごしているかよく知っており、彼のために何かをしてあげたかった。


「お坊ちゃま、もし本当にそうお考えでしたら、一緒に逃げ出す手立てもございます。セヒお嬢様を後にし、このドルセと山の中で、私たちだけの生活を始めればよいのではありませんか?」


ドルセの言葉は、テオに新たな可能性を提示した。彼は少しの間立ち止まり、ドルセの顔を見つめた。彼の眼差しは決然としており、彼の声は確信に満ちていた。テオは彼の言葉に強く惹かれた。もし逃げ出してドルセと一緒になれるなら、本当の幸せを見つけられるような気がした。彼は抑えつけられていた感情が溢れ出すのを感じた。


「そうできるなら…俺は幸せになれるだろう。」


テオは慎重に答えた。彼の声には希望と不安が混じり合っていた。しかし、彼はドルセと一緒ならどんな困難も乗り越えられるという希望を抱いていた。だが、この決断が彼らにどんな結果をもたらすかは、誰も知らなかった。彼らの行く末は濃い霧の中に覆われており、彼らはその霧の中へ飛び込まなければならなかった。


「でしたら、明日の夜明けに私と一緒に旅立ってください、お坊ちゃま。」


ドルセが決然とした声で言った。彼の目は確固たる意志で輝いていた。テオはドルセの目を見つめ、うなずいた。彼はすでに心の中で決断を下していた。


「そうしよう、ドルセ。」


彼らはその夜、星明かりが降り注ぐ山の中で、お互いの気持ちをもう一度確かめ合った。テオはドルセと共にする人生がどれほど大切かを改めて悟った。彼はドルセの温かい胸に抱かれ、彼の心臓の音を聞きながら安らぎを感じた。

しかし、依然としてテオの心の中にはセヒへの罪悪感が残っていた。彼女との約束を守れないことへの恐怖が、彼の心の片隅でのしかかっていた。だが、今やドルセとの愛が、彼の人生においてより大きな意味を持つようになった。彼は家門の期待とセヒとの約束を後にし、ドルセとの新しい人生を選択することを決心した。


翌朝、テオは夜明けの闇を突き破って起き上がり、荷物をまとめた。彼の手は微かに震えていたが、彼の目は固い意志で輝いていた。彼はためらうことなく、ドルセと共に山を登っていった。彼らは互いの手を固く握り、新しい始まりへと向かっていった。その瞬間、テオはセヒとの過去を後にし、ドルセとの新しい人生を始めることを固く誓った。彼はセヒに申し訳ない気持ちを禁じえなかったが、ドルセとの愛が彼にもっと大きな幸せをもたらしてくれると信じた。


「お坊ちゃま、これで私たちは自由になります。」


ドルセの言葉は、テオに新しい希望を与えた。彼はドルセの言葉に力を得て、足取りをさらに力強く踏み出した。

テオはこの道が正しいかどうかの最後の悩みをしばらく脇に置き、ドルセと共にする瞬間を楽しむことにした。彼はドルセの手をさらに固く握り、彼の温かさを感じた。


二人は手を固く握り合い、今や互いへの愛とともに山の中の新しい住処へと向かっていった。テオはこの瞬間がどれほど大切かを改めて悟り、彼らは新しい人生を始めた。彼らの行く末にどんな困難が待ち受けているかは分からなかったが、彼らは互いを信じ、共に乗り越えていくだろうと固く信じた。彼らの愛は、どんな困難も乗り越えられる力を持っていると信じた。


テオは振り返らなかった。彼は自分の選択を信じ、ドルセと共に前へ進むだけだった。彼の心の中には、希望と期待、そして少しの恐怖が共存していた。しかし、彼はドルセと一緒なら、どんな困難も克服できるという信念を失わなかった。彼らの愛は、今、新しい始まりを迎えていた。彼らは共に作り上げる新しい世界で、幸せを見つけられるだろうか?彼らの物語は、今まさに始まったばかりだった。

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