ユダ
あぁなんだよこれ
なにかの間違いか?
そうだよなお前はそんなことしないよな
これはきっと夢なんだ
「これが夢だとでも思っているのかい?君らしくないな。」
違う違う違う
お前は俺達の仲間だったじゃないか
一緒に困ってる人を助けて
一緒に魔王を倒そうって
一緒に冒険してきたじゃないか!!!!!
「仲間?そんなこと僕は言った覚えはないな。僕の仲間は彼らだ。君たちじゃない」
後ろにいる魔族共が煽るような目で俺達を見ている
違うそんなはずじゃ…お前が魔王だったってのか?!
「もういいかい?どうせここで死ぬんだ。僕の手で殺してあげるよ。」
そう言ってあいつが攻撃してくる
だがあいつは前線で戦うようなタイプではなかったはず!!
『死への招待』〈モル・インヴァイト〉
ッ?!
あんな高等魔術使ってるの見たことがない!
今まで隠してたのか?!
とにかく攻撃を…!
「無駄だよ。君たちの攻撃なんて知り尽くしている。何年一緒にいたと思ってるんだい?」
そう言って俺達の攻撃をすべて捌いていく
このままじゃやられ、
「あー無駄だってやられるだけ。さっさと死ね」
『死神の鎌』〈イル・ミエティトーレ〉
はっ?それは世界でも数人しか使えない、
ダメだも、う
「じゃあね。もう思い出すこともないだろうけど」
こいつ…また違うやつに同じことを…
伝えなければ、
このことを誰かに、
誰かがこのメッセージに気づくように
鳥よ誰かにこの紙を、
とど、
「あぁまだ死んでなかったの?」
ぐしゃ
「ママーこの鳥さん足になにかついてるよ」
「へー誰かが書いたメッセージにかもね〜」
「んーなんだろぉ?」
『右目に傷のある男に気をつけろ。そいつはユダ』
ーーーーーのちに勇者と称えられるその子がメッセージの意味を知るのはまだ先のこと