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#1 俺は 死んでしまった!

※この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。

「お先に失礼します、お疲れ様でーす!」

 今日もよくやった、常日遊一。偉いぞ俺。

 時刻は16時を過ぎたころ。約6時間の労働を終え、いつもの流れで近くのコンビニまで車を走らせる。久しぶりに二日間の休みがあるし、エナドリでもキメて遊んじまおうか。と呑気に考えていた。

車を停め、黄色い広告を見る。

「お、そろそろ焼き芋の季節か。いいねぇ。」

 それが俺の初めての遺言だった。



 (はし)る衝撃。耳をつんざく。床は硬い。涼しい風。降り注ぐ刃。重い痛み。一瞬でこんなにも情報を受けとることあるんだな。

 悲鳴が聞こえる。あれは…腕。俺のかな。

 死ぬって結構辛いな。どこかで、死ぬときはとても気持ちいいなんて聞いたけど、あれ嘘だったんだな。ふざけやがって。

 まぁ、悪い人生ではなかったな。終わりは最悪だけど。



 そんなぐちゃぐちゃな思考が渦巻いていたはずなのだが、今俺は真っ白な空間で突っ立っている。

「俺事故ったよな。…もしかして天国か?死後の世界ってあったんだな。」

『独り言中しつれーい。ちょーっとお話いいかい?』


 後ろから声を掛けられた。恥ずかし。声の方向を向くと、そこには白髪白眼高身長のイケメンがいた。

『いやー、散々な目に合わせてごめんね。実は、殺すつもりはなかったのよ。』

「俺事故ったの知ってるんですか。…待ってください?殺すつもりなかった?」

「うん。間違っちゃった。ははは」


 怒りが湧いた。間違えで殺された?俺はこんな奴に殺されたのか?死因がこんなイケメンのちょっとしたミスで?冗談もほどほどにしろよ。


「お前が俺を轢き殺したのか!!くそ痛かったぞ!!責任取って刑務所いけよ!!」

『あ、いや。違うのよ。違わなくもないけど。一旦話を聞いてくれないかぃ…』

「まぁ別に悪い人生じゃなかったからいいけどさぁ!!まだやりたいことちょっとあったんだぞ!!待てよ、お前もここにいるってことはお前も死んだのか…?」

『ストップ、ストップ!S・T・O・P!』

「なんだよ殺人鬼。」

『よかった、一旦話を聞いてくれそうだね。』

『確かに僕は君を殺そうとはしたんだけど…殺す対象をちょーど間違えたといいますか…』

「殺す対象を間違えた…?」


 なんだこいつ。ヤクザなのか…?


『うん。人間は肉体の数に対して魂が多くてね。魂を間引く仕事してんのよ僕は。』

「ん?うん。ん?」


 理解がおいつかなかった。厨二病拗らせるヤクザもいるのか…?


『僕は君らの世界でいうとこの神様ってやつでね。神にも仕事はあんのよ。』

「はあ。」

『そ。で、コンビニの中にいる人間を殺せば今日の仕事は終わりだったんだけど…』

「間違えて俺を殺した」

『間違えて俺を殺した』

『そゆこと!いやーやっぱ車使うと危ないね。』


 納得がいかない。こいつが神?だとしても邪神だろう。


『まぁ、そういうことだから、謝罪とお詫びをしようと思ってね。こんな空間に君を呼んだのよ。』

「お詫び。相当いいものを用意してくれるんでしょうね。」

『お、神相手なのに圧強いね君。そういうの嫌いじゃないよ。』

『それはそれとして…今回の事故は本当に意図してないものだったんだ。本当に申し訳ございませんでした。』

「…神なのにちゃんと謝るんですね。」

『やらかしたのは僕だし…ちゃんと謝れないと天使たちにいい顔できないからね。生き物として当然のことだろう。』


自称神な割に礼節はちゃんとしてるんだな。てっきり尊大な態度で上からくると思っていたが。


「まあいいですよ。それで、お詫びって何なんですか。」

『お詫びね。まず一つ目に、全身無傷、不調0の状態で蘇らせるってことと…』

「それが本当なら願ったり叶ったりだな。」

『あと二つ目に、これからの人生を豊かで、他の人より素晴らしいものにできる能力を授けようかなって』

「なるほど…色々してくれるんだな。」

『もちろん。このお詫びでいいかな?まだ欲しいなら言ってくれ。こちらのミスだからね。』

「いや、これで充分です。それでお願いします。」

『思ったより多くは望まないのね。てっきりもっと無茶苦茶なこと求めてくるものだと思ってたけど』

「俺は今の生活が気に入ってるので、それ以上は特に望みませんよ。その生活に戻れるならそれでいいし。」


それに…これからの人生を豊かで、他の人より素晴らしいものにできる能力?とやらが気になるしな。


『それならいいんだ。これで手を打ってくれてありがとう。』

「ええ。蘇らせて下さい。」

『わかった。それじゃあ、今回は本当にごめんね。良き人生を!』



自称神のその言葉を最後に、俺は目を覚ました。

続くかどうかは作者が展開やキャラクターを思いつくかどうかにかかっています。

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