表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ 災いを招く少女

新連載始めました。

「さぁ、手を取って。私と共に行きましょう」


長らく開くことのなかった座敷牢が、なんの前触れもなく簡単に開いた。無遠慮に開けたのは、見目麗しい二十代前半くらいの男だった。そして、男に手を差し出されているのは赤い着物を見に纏った少女。

少女は長らく切っていない薄茶色の毛の間から、男を見つめる。見たことのない男だ。

知らない男から差し出された手に、少女は暫し警戒して、小さな体を更に縮こませた。


──知らない人に付いて行ってはいけません。


遠い昔に誰かから言われたような気がするそんな言葉が浮かんだのは一瞬だった。


少女は良くも悪くも無垢だった。


警戒はするが、相手が優しそうな顔をして楽しそうな雰囲気を出していれば好奇心に負けて、簡単に付いて行ってしまう。その先に危険がある可能性なんて考えないのだ。

目の前にいる温厚そうで優しそうな男は、これまで少女の周りにいたことのないタイプの人間だった。

この人は大丈夫。少女はなんの確信もなくそう思った。

目の前に差し出された手に、ちょんと人差し指だけで触れてみる。それを待っていたかのように男は優しく手を取ると、自然な動作で少女を座敷牢から出した。


「これからは、喜びも悲しみも全てを共有しましょうね」


それはそれは優しそうな笑みに、少女の心は高揚感で満たされた。



これが、十年間座敷牢に閉じ込められてきた少女と見目麗しいが風変わりな男との出会いである。

今日中に三本くらい投稿する予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ