エンディング
昔々、この国がまだ江戸時代とか呼ばれるくらいの昔、猫たちは10年生きると猫又になると言われた。
人の傍で生まれ、人と人の間で生きて、常に人の横に在り、多くの人に愛された猫たちは皆、人を愛していた。
そんな猫たちが賢くなって猫又になったとしても、いきなり心変わりをして人を嫌って離れていくわけがない。いくら自由で気まぐれな猫たちだって、そこは、絶対に。
猫又検定なんてものが生まれて、正式に猫又を名乗れるのが合格した者だけ、なんてことになっても、そこは変わらない。
どんな猫又だって、自分を愛してくれる人の傍から離れるのは嫌だったはずなのよ。
それでも猫又が人と一緒にいられないのには何か理由がある。いや、単純に色々と聞かれるのが面倒だから逃げていく、なんて理由かもしれないと思ってしまうのが、猫という生き物の持つ怖さだけど。
私の中にも、喋る猫と人は一緒にいるのはよくないかもといった漠然としたものはある。
その感情がどこから生まれてくるものなのかはわからない。人間の言葉が喋れても、猫と人とこの世界のすべての事を理解できるってわけじゃないもの。人間だって、同じでしょ?
ここで自己紹介。うにゃあと生まれて21年、三毛猫、雌。ちゃんと人の言葉が喋れるし、立派に鳴けるし、うまくは踊れないけど、人に愛されて育った私は人が好き。
私にマルという名前を付けてくれたご主人は先立ってしまったけれど、ご主人の残した奥さんと、元気な娘は家にいる。そしてどうやら、その家にいる人たちから愛されている私は、この家から出て行けそうにない。少なくとも、しばらくは。
私もご多分に漏れず、飽き性で自由で気ままな猫だもの。この先がどうなるかはわからない。明日にはふらっと出ていくことを考えているかもね。しかしそれは明日の事。とにかく今は家を出ていきたくない。出て行かない。そう決めた。
家の同居人は、私が只の猫ではないと気づいている様子だが、しっかりとは聞いていないので問題ない。ギリセーフってやつ。危ない。夢の中で確認を取っていたら致命傷だったかもしれない。
私が化け猫だってバレてるのかなー? バレてないのかなー? やっぱバレてるよねー? バレてないといいなー、そんなあやふやな境界線の上で、ふらふらとしながら、何もかも知らんぷりして人と共にいる猫が居たっていいじゃない? しれっとした顔で、ふんわり適当に。いい加減に。なあなあのまま。なーなーの関係で。
そもそも、化け猫だと人にバレたら家から出て行かないといけないとか、全部どうでもいいことなのよ。誰が決めたの、それ。そういうのは検定に受かってちゃんとした猫又だと名乗れるようになってから考えればいいの。そうだ、その通りなのよ。ふぅ、自己完結。
私はまだ考えなくていい。だって責任ないもんね。
何せ私は、
猫又検定にも落ちてしまうような、ちょっと賢いだけの、只の猫ですから!
にゃおん!
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最後まで読んでくださりありがとうございます。感謝、感謝であります。
いかがだったでしょうか? 楽しんで頂けたなら幸いです。
初めての長編小説。プロットも何もほとんどない状況からよくここまで持って行ったと自分で自分を褒めていく所存です。
読者様が何がしらの評価をくださるのなら、☆評価やレビューでの批判などでも頂けたらと思います。
未消化の伏線やら登場するはずだったキャラたちなどもそれなりにあるので、続きを書けという声を頂きましたなら考える次第でございます。真面目な検定試験官とかマルの兄弟の話とか。
別作品ですが化け猫から姫様が逃げなかった場合の岡崎悲爪譚のIFストーリーとかも。
↑のは、婚約破棄から始まるざまぁ展開のなろう様でよく見かける話ですね。ええ興味がある方は軽い気持ちでちょっと覗いてみてはいかがでしょうか?
あ、ジャンルはスプラッタホラーです。つ https://ncode.syosetu.com/n0251hy/
「マル@猫又検定苦戦中」は締め切りが本日までの【第2回新人発掘コンテスト】の応募作品となります。応援して欲しいのよ(-"-)
ではまた別作品で。




