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04 泣き虫は変わらない

 



 「失礼致します」



 アミィールは執務の休憩がてらセオドアの部屋を訪れた。子供達が珍しく『今日は父ちゃんと遊ぶ!』と言っていたので気になったのです。



 けれど、いつものようにミシンの前にも机の前にもソファにも居ません。そして、何故か沢山の写真と呼ばれる肖像画の紙が落ちています。



 すうすう、と寝息が聞こえてベッドを見るとセオドア様と子供達を見つけた。



 アミィールは静かに近づく。3人でお昼寝かし……………ら?




 アミィールは目を見開いた。

 ベッドには____インクを含ませ紙以外の物にも書けるまじっく、と呼ばれるペンを両手に持ち、お腹を出して寝ているアドラオテルと涙の跡がついた顔で寝ているセラフィール。



 そして。




 「ううん………」



 _____顔に青とピンクのマジックで髭や剣、汚い字で『セオドア』と書かれたセオドア様。変わり果てた姿にアミィールは言葉を失う。



 これは…………アドラオテルの悪戯ですね。お説教をしましょう。それより、お、起こして差し上げた方がいいのでしょうか………?



 ____ううん、それは後でしましょう。




 その前に…………




 アミィールは近くに落ちてあったカメラを手に取る。そして、シャッターを押してカシャリと1枚撮った。



 _____これも、思い出のひとつ、です。




 最初は戸惑ってたアミィールの顔には笑みが浮かんでいたのだった。











 * * *



 おまけ




 「ごめんなさい……」



 「ひっく、ひっく……………パパ、ママ、ごめんなさいぃ………」




 アドラオテルは頭に3つのたんこぶを作り、セラフィールは号泣していた。勿論悪戯がバレたのだ。



 目の前ではアミィールがニコニコしている。



 「アドラオテル?貴方は謝る気があるのですか?セラフィール、貴方は泣いてばかりで許されるとお思いで?」



 「な、なんでセラにはげんこつしないの………?」


 「セラはこんなことしませんので。そうでしょう?セラ」



 「けどっ、止められませんでした…………ごめんなさい…………」




 「ま、まあまあ、アミィ、その辺にしよう」



 セオドアは洗面所から出てきて困ったように笑う。微かにマジックの跡が残っている。………まさか、顔に落書きされるとは……それに写真が沢山落ちてる…………よくもまあこんなにやったものだ………



 とはいえ、子供達の手の届くところにカメラを置いていた俺も悪いし、悪戯大好きのアドラオテルに普通にマジックを渡したのも反省すべき点である。今度から気をつけよう………



 「そ、それより写真を撮ろう。みんな、笑って」



 「ええ。2人とも、来てくださいまし」


 「はい、オカアサマ………」


 「ぐず、えぐ………」



 これも大切な思い出……………ん?

 セオドアは何度もシャッターボタンを押す。しかしうんともすんともしない。


 も、もしかして!?



 セオドアは慌ててフィルムを入れる所を見る。フィルムは………1枚もなかった。



 ……………い、1枚も残ってない…………




 「セオ様?」


 「父ちゃん?」


 「お父様?」




 「…………ぐずっ」




 セオドアは涙を滲ませた。…………タナカが来る3日まで写真が撮れないじゃないか…………




 顔に落書きされるよりもその事に怒りそうになる、スーパー皇配様でした。








 Fin .













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