12 幸せ過ぎて怖い
「アミィ、ごめん、俺は………貴方に色々なことを隠していたんだ………っ、ごめ____んっ」
アミィールは、セオドアが謝る前に唇を重ねた。毎日沢山しているキスなのに、この時のキスは少し塩っぱい。
自分の涙の味か?なんて思ったけど___そうではない。
アミィール様は、泣いていた。
しばらくキスをして、離れた。
そして…………プレゼントをあげた時のような、嬉しそうな顔で言った。
「セオ様。___わたくし達は、定められた運命を覆したのです。
わたくし、とても、とても嬉しいです。セオ様と出会い、こうして子供達を持ち、今もお腹に貴方の子が居ます。
わたくし_____こんなに幸せで、怖いです」
「あ、ミィ…………怒って、ないのかい?俺の見た目は………俺ではなくて………」
「わたくしは、セオ様のお顔も好きですが…………セオドア・ライド・オーファンではなく、貴方の御心に、惚れたのです。
たとえ前もって知っていたとしても…………貴方の手を取って、求婚していました。
だって、こんなに幸せな気持ちが嘘なわけがございませんもの」
「…………ッ、アミィ!」
セオドアはアミィールを抱き締めた。アミィールもすぐに腰に手を回す。もう慣れ親しんだ感触、甘い匂い。
「父ちゃん!お菓子ー!」
「アド!ノックくらい………お父様とお母様?どうなさいました?」
そうしていると、セラフィールとアドラオテルが部屋に入ってきた。そして、両親が泣いていることに気づくと、近づいて、2人の背中を撫ぜる。
それを感じながら、何度も思っている事を心の中で繰り返した。
俺は____こんなに幸せでいいのだろうか。
セオドアはその言葉を噛み締めながら、アミィールに聞かれて前世での話をした。
前世での名前、どんな家だったか、………アミィールは勿論、子供達も楽しげにそれを聞いていたのだった。
Fin .




