11 もう隠せない
田中___タナカさんは、あの後すぐにラフェエル皇帝様の前に連れていかれた。最初は険悪な雰囲気が流れていたが、1番怒っていたはずのアルティア皇妃が上手く間を持ってくれた。
また、タナカも機械の良さと悪さなど得意のオタクトークではあるものの、わかりやすく話していて、いつの間にかラフェエル皇帝様から話を聞き出していた。で、なんと丸一日『魔法と機械の融合』のことや『日本、世界の歴史』まで話していた。
すっかり仲良くなってしまった2人は酒まで飲みかわして、『異世界転生者の会』のアジトを『イ・マキナ』と名前をつけ国家機密として取り扱うことになった。
………それはともかく、ラフェエル皇帝様ではなく俺に手紙と荷物って……?
セオドアは首を傾げながら、手紙を見た。
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セオドア様へ
先日はありがとうございました。
セオドア様のお陰で私はこうして生きて、自分のしたいことをして貢献の機会を得ることが出来ました。
これはそのお礼です。セオドア様が御子やアミィール様を溺愛しているのを聞いているので、役に立つと思います。
説明書もおつけしましたので、是非使ってください。
タナカ
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こう記してある。お礼なんていいのに……けど、なんだろう。
セオドアは1度机に手紙を置いて箱を開けてみる。中に入っている物を見て___セオドアは思わず声を上げた。
「おぉぉぉぉぉぉ!!!」
「うおっ!?な、なんだよセオドア!何が……って、なんだそれ?」
驚いたレイが覗き込むが、よく分からない筒のようなものと箱だ。しかし、そのふたつを持ってセオドアは珍しく興奮した。
「これ!カメラと!ビデオだよ!!!
うわーーー!凄い!レイ!カメラとビデオだぞ!」
「だ、だからなんなんだそれは!?」
「ニホンにあった映像や肖像画を撮るものだよ!凄い!フィルムまでついてる!どうみたって最新型じゃないか!」
「………それは、ニホンという場所の代物なのですか?」
「そうだよ!これでアミィと子供達の…………って」
ふと、気づく。そう聞いてきたのはレイの声ではないことを。この声は俺が一番大好きな御方の声。
セオドアはドッ、と沢山の汗を流す。ゆっくり振り返ると、そこにはもうレイの姿はなく。
にっこり笑ったアミィールだった。
「____セオ様、そろそろ、わたくしに教えてくださいまし。
セオ様の事を、わたくしは___知りたいのです」
「……………アミィ」
そう言ったアミィールは真剣な顔で。
…………もう、隠せない。そう思わせた。
* * *
「____そう、だったのですね」
「……………ッ」
セオドアが全て話した頃には、セオドアはカメラとビデオを抱き締めながら泣いていた。
セオドア様は___お母様と同じ前世の記憶を持ち、お母様と同じ国に生きていた。これならばお母様とセオドア様が嫉妬するくらい仲良くする気持ちに納得する。
それだけじゃない。ここは、その国のげーむという物の中だと。わたくしもセオドア様も、運命が決まっていた。
そんな事があるのでしょうか?なんて沢山の想像、仮定が浮かんでは消えていく。
そして____たったひとつ、残った気持ち。




