06 ジェネレーションギャップ
【ダイゴセツモン。
『オケマルスイサン』トハ?
ミギ、オッケー。
ヒダリ___「右にいくわよ」………】
【ダイロクセツモン。
『ワイルドダロ~』ハリュウコウシタ?
ミギ、ハイ。
ヒダリ、イイエ。】
「右ですねぇ」
【ダイナナセツモン。コンサバ___】
「左~」
【ダイハチセツモン。プリクラハナンノリャク___】
「プリント倶楽部ですよね~私1回行ってみたかったんです~」
「私もよ、行きたかったなあ…………」
「………………」
セオドアはすっかり最後尾に居た。全くわからなくてクラクラする。というかフラン様もアルティア皇妃様も凄くないか!?プリクラが略語ってことすら知らなかったぞ!?
「る、ルッティ様、フラ様、ど、どうしてわかるのですか………? 」
「?流行りの言葉じゃない。プリクラ出来たのが私が産まれた歳だし」
「ワイルドだろ~は私が10歳の時だよ、懐かしい~」
「………………」
セオドアは閉口する。令和生まれの俺はその時まだ産まれてすら居なかったぞ………………
もうすっかりお荷物状態のセオドアを余所に、とうとう10問目まで来た。見飽きたAIは変わらぬ機械の声で設問を読み上げる。
【サイシュウセツモン。
エドバクフヲヒライタノハドッチ?
ミギ、トクガワイエヤス
ヒダリ、ヒミコ】
「…………………」
心做しか設問も適当な気がする。最終問題がそんな簡単な問題でいいのか…………?この組織、一体どんな組織なんだ?まあでも、こんなに簡単なら心配しなくてもよかったな____「よし!左に行ってゴールね!」………は?
「そうですよね!トクガワイエヤスって知らないし!ゴールいっちばんの「いやいやいやいや!」きゃっ!」
「わっ!」
真っ先に卑弥呼に行こうとする2人をセオドアは掴んだ。そして、大声で言う。
「江戸幕府は徳川家康に決まってるじゃないですか!何言ってるんです!?」
「は?違うわ、卑弥呼よ。最初に習うじゃない」
「違いますよ!常識でしょう!?」
「卑弥呼の方が語呂よくない?」
「語呂の問題じゃありません!学校で何を習ったのですか!?」
「学生の熾烈ないじめとゆとり教育」
「学校行ったことない」
「………………」
セオドアは口をあんぐり開ける。
………まともな人達じゃないと常々思っていたけれど、ここまでとは思わなかった。いや、悪い人達じゃないけど!それでも…………
「と、とにかく!徳川家康ですよ!ちょっ、ルッティ様はさり気なく卑弥呼に行かないでください!」
「絶対卑弥呼よ!卑弥呼は最強!」
「なんでそんなに卑弥呼推しなのですか!ダメですよ!………」
_____この後、セオドアはその場で『卑弥呼』の簡単な説明をし、『徳川家康』の簡単な説明もした。結局、最後の質問に1時間もかけて、ゴールをした頃にはセオドアはげっそりしていた。
* * *
「いや~卑弥呼って江戸幕府開いてないんですね~女帝だと思ってたんですけど」
「ね~、徳川家康VS石田三成の戦いがあの有名な関ヶ原の戦いだったなんてね~」
「はあ………………」
後ろでキャイキャイと話す女性陣にセオドアは大きく溜息をついた。本当は徳川家康が正解だ、って事だけを伝えようとしたんだ。けど、徳川家康が織田信長に仕えていたと話した途端『徳川家康って有名なの!?』『卑弥呼より有名!?』『どんな人なの!?』………と質問責めを喰らった。
よかった、俺が歴史得意で………前世の知識がこんな所で発揮するとは………それよりも、クリアしたのだがずっと一本道を歩いている。俺達は今どこら辺に居るんだ?徳川家康が正解だよな?もしかして卑弥呼が………いや、ないない。卑弥呼はとっくに亡くなっている。
いやけど、平成生まれ組は卑弥呼だと思ってたしもしかしたら平成まで卑弥呼が開いたと言われていたのか?そんなはずは……………!?
そこまで考えたところでパァン!と沢山の音がした。紙吹雪が舞っている。
目の前には_____沢山の人間達が満面の笑みでクラッカーを持っていた。
「「「「「ようこそ異世界転生者達~~!」」」」」
「え?」
「きゃっ」
「…………は!?」




