04 潜入開始!
「…………む?何者だ!」
「此処は一般人が来る場所じゃない」
門番2人はカラフルな頭をした3人組に気づき、厳しい顔をした。金髪の頭の、いかにも軽薄そうな男が少し高い声を出して軽い調子で話しかける。
「ちっすちっす~、ルッティっていーまーぁす。
もちのろんで一般人じゃないで~す」
「…………」
いかにも頭の悪い話し方に、緑頭の男はにっこり笑った。
「私達は仲間になりたいの!グループに入れてくれない?」
「………グループ?なんの事だ」
門番の1人はギロり、と睨んだ。少し身長の高い赤い髪の可愛い系の女は目を潤ませた。
「わ、わたくし達は___イセカイテンセイシャです」
「____ッ!」
門番2人は顔を赤くする。息子が立ちそうになるくらい美しい女が、自分達と同じ『異世界転生者』で仲間になるかもしれない、つまりは付き合えるかも……?
アホな男たちはその結論に至り、咳払いをした。
「よろしい。通れ。………しかし、ここを通ったからと言って仲間になれるとは限らない」
「え?なんでですか?」
「この先は迷路になっている。その分かれ道に設問が置いてある。正しい正解を導かなければ____お前たちは不合格者として、袋叩きにして殺す。
お前たちが本当に『異世界転生者』で『それなりに教養がある』ならば、答えられるだろう。
健闘を祈る、麗しのレディ」
「え…………」
男達は赤い髪の女に向けてウィンクをした。女は苦笑いをひとつして、残りの2人とともに先に進んだのだった。
* * *
「いや~、さすがセアちゃん、貴方なかなかやるじゃない!」
「うう…………」
門を潜り抜けたフラン、セオドア、アルティアは小さな声で会話する。悲しいことに、自分がどの角度でどの表情をすれば可愛いと言って貰えるのか熟知しているからそう難しいことではなかった。………26歳になるというのに、何をやっているんだ俺は…………
それより。
「設問、ってなんでしょう…………」
「ね、なんか迷路って言ってたしアトラクションじゃない?殺すとか言ってたけどどうなのかな?」
「…………2人とも、静かに」
「?」
「どうしたんですか、ア__むぐ!」
アルティアはセオドアの口を塞いだ。そして、ある方向を見た。その視線を追うと___見たことのあるもの。小さな丸いでっぱり。赤く光っている。
あ、あれは………!
「………ぼ、防犯、カメラ………?」
セオドアがそう聞くと、アルティアは頷いた。そして、小さな声で続ける。
「しかも、ただの防犯カメラじゃないわ。声も拾うタイプよ。………流石日本人、高技術を持ってるじゃないの」
そう言ったアルティア様の顔は険しい。気持ちはわかった。何故なら、国家転覆を目論んでいるこの組織は防犯カメラを作れてしまう技術を持っているということなのだから。
そう思い顔が青ざめるセオドアの肩を、アルティアは抱いた。
「………とりあえず、あまり喋らないで進むわよ。二択の時以外は無言。いい?」
「わかりました」
「えー、でも、それって怪しくないですか?先輩。こういう時こそ慌てた方が油断させられるかもですよ?」
「まあ、そうでしょうけど………」
「私も喋らない方がいいと思います、フラン様」
「つまんないわよ!こうなったら私、森のくまさんでも歌うわ!
あるぅ日~♪」
フラン様はそう言って歌い始めた。…………完璧に人選ミスだと思う………
セオドアはそう思いながら、フランの絶妙に下手な『森のくまさん』を聞きながら進むのだった。




