02 潜入作戦!?
指を鳴らすと、真っ黒な結界が玉座付近に居る皇族を囲んだ。ラフェエルはギロリ、とアルティアを睨む。
「………………アル、結界を張ったということは何か思い当たることがあるのか?」
「話すからラフェーはちょっと黙ってて。
………セオくん、やっぱりあれは日本語、よね」
「え、ええ………異世界転生者の会、なんて厨二臭い名前………どう考えても、日本人が関わっている気がします」
「だよね。………これは、本格的に調べる必要があるわ」
「…………お母様、そろそろ説明を」
アルティアとセオドアが頭を抱えているのを見たアミィールはセオドアの手を握りながら言葉を紡ぐ。アルティアはそれを見てから、大きな溜息を着いた。
「わかったわよ、話すわよ。
その組織___ちょっとやばい事を考えているみたいなのよ。
このサクリファイス大帝国の転覆を狙ってるわ」
「………!そんなこと、出来るわけ………」
「ええ、私もそう思う。1万人でどうにかできるほど私達は弱くない。けど、油断は出来ないっぽい組織なの。
だからラフェー、この件は私とセオくんに任せてくれない?」
「お母様!セオ様を危険なことに巻き込まないで!」
アミィールはそう吠えた。しかし、アルティアはそれを無視してラフェエルを見る。ラフェエルは静かに聞いた。
「…………その理由は?」
「………ラフェーは知ってるでしょ?私の『人間時代』を」
アルティアは黄金色の瞳を妖しく光らせた。それを見たラフェエルは目を細める。長年の夫婦、これだけで会話が成り立つ。
「……そういうことか。セオも『異世界から召喚されし魂』か」
「……………」
ラフェエルにそう聞かれ、セオドアは小さく頷いた。ラフェエルは目を閉じて息を吐いた。
「___よかろう。
アルティア、セオドア。お前達に『イセカイテンセイシャノカイ』の潜入を命じる。しかし、騒ぎを起こすな。あくまで"潜入"だ」
「は」
「……うん」
「???」
アルティアとセオドアはラフェエルの言葉に返事をした。アミィールはただ1人、首を傾げた。
* * *
ラフェエル皇帝に言われ、すぐに準備をした。俺たちの見た目は目立つし、顔が知られているから変装必須…………なのだが。
「なんでっ…………女装なのですかッ!」
「きゃ~、可愛い~!」
セオドアは涙目になりながらギャン、と吠えた。赤いウイッグを着け、オレンジと赤をつかった町娘風の軽装。それをみて高い声を上げたのは緑のウイッグを被り、村人Aのような男装をしたセイレーン皇国聖女のフランだ……じゃなくて!
「なんで女装なのですか!?なんで貴方が居るのですか!?」
「それは私が呼んだからなのよね~」
そう言ったのは___金髪のウイッグを被り、サングラスをかけたチャラい感じの変装のアルティア。アルティアは10年間変わらない女装を晒しているセオドアに言う。
「2人よりも3人の方が何かあった時応戦しやすいし、なにより日本人パーティで行った方が楽しそうでしょう?」
「これは潜入ですよ!遊びじゃないんです!」
「失礼ね!私だって真剣よ!聖女としてこのユートピアを乱す異世界転生者を見過ごせない!
なにより!楽しそう!」
「………ッ!」
遊びじゃない、という言葉はやっぱりこの人達に通じない。そもそも女装するところからしてふざけている……!




