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01 『異世界転生者の会』

※短編にしては長いです。

 






 「うへぇ~、仕事したくな~い~」



 「アル、うだうだ言うな、罰を落とすぞ。


 セオ、先程の者をどう思う?」



 「少し不審でしたね。もしかしたら内通している可能性があるかもしれません。情報を集めさせます」



 「セオ様、それはわたくしが行いますわ。任せてください」



 玉座の間には皇族である4人は集まっていた。月に一度の『報告会』だ。



『報告会』___それは、国内で国民に紛れて潜んでいる諜報員達の報告だ。平和な国ではあるのだが、それは表面的なものかもしれず、反乱因子があったり知らないところで国民が苦しんでいるのかもしれないと危惧し、こうして諜報員を放っているのだ。



 その公務にセオドアが参加し始めて2年。

 最初こそ子供達の面倒があるからと免除されていたが、子供達も大きくなりずっと面倒見なくてはならない状況ではなくなったのもあるが『皇族であるのだから』という強い意志でラフェエルに頼み、現在に至る。



 大きな争いはないものの、田舎の方で貴族が権力を振りかざしていることはよくあるし、横暴な者もいるし、反乱因子もいたりする。皇族である以上この現実は知っておかねばならないのだ。



 そんなことを思うセオドアを横目に、ラフェエルが口を開いた。




 「次の者、発言せよ」



 「は、コード:カメレオン、陛下のお膝元に参りましてございます」



 そう言って前に出て畏まる男。



 ………諜報部隊は国の為に自ら身分や名前を捨てた者の集まりだ。決まった名前を持たない故にコードを持つ。漫画にありそうな設定だろう?



 それもそのはず、考えたのは前世の知識を持つかなりの漫画オタクであるアルティア皇妃様だ。因みにこのセンスのない名前もアルティア皇妃様が名付け親である。



 そんなカメレオンはラフェエル皇帝様の『話せ』と言う声に顔を上げて粛々と話す。



 「___最近、サクリファイス大帝国南部の地にて、妙な動きを確認しました」



 「………反乱因子か?」



 「わかりません。しかし、規模は強大です。推定1万人おります。接触を試みましたがそのグループに入るには『ユートピア語ではない言語』を使えなければならないそうで、潜入はできませんでした」



 「…………『ユートピア語ではない言語』?」



 ぴくり、とアルティアが反応する。カメレオンは頷いた。



 「はい。何かの暗号のような、わからない言葉を使うのです。



 盗聴した所____『イセカイテンセイシャノカイ』という暗号を入手しました」




 「は!?」



 「ええっ!?」




 セオドアとアルティアは大声を上げて立ち上がる。

『イセカイテンセイシャノカイ』____異世界転生者の会。バリバリの日本語である。



 アミィールとラフェエルが不審げに見守る中、アルティアとセオドアが口を開く。



 「ほ、他には何かないの!?」




 「?………『ワレワレノヒガンノタメニサクリファイスダイテイコクヲノットル』、『サクセンヲケッコウスルニハコウゾクガジャマダ』というのも入手しています」



 「そんなっ……………!」




 我々の悲願の為にサクリファイス大帝国を乗っ取る!?作戦を決行するのには皇族が邪魔だ!?明らかに日本語じゃないか!そして会話が不穏すぎる!



 愕然とする夫に、アミィールは声をかけた。



 「セオ様、お顔が真っ青です………どうなさいました?」



 「い、いやえっと………その………」



 セオドアはアルティアに目配せをする。アルティアは厳しい顔をしながら頷いて、口を開いた。



 「………カメレオン、報告ありがとうございます。下がって」



 「は」




 カメレオンがそう返事してから、ふ、と姿を消した。それを見てからアルティア皇妃様はパチン、と指を鳴らした。



※補足


カタカナ表記は日本語です。

この章では沢山使います。

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