05 Yes , Your Highness .
「ほう?中々いいではないか」
「でしょー!高速で作ったんだから!」
「作ったのは私です」
「ヨウ様、素敵ですわ」
「ヨウ様が家族の一員ですわ!」
「ヨウ様………いえ、ヨウは側近でございます、セラフィール様」
「リーブさん、涙を拭いてください」
「大きくなりましたね………なかなかに美形」
「エンダー、ストライクゾーンが広すぎです」
サクリファイス皇城・玉座の間。
皇族と側近がそれぞれがヨウの名前を呼ぶ。目の前には___
「う、うう…………ッ」
ヨウはいつもの白い服ではなく、小さな燕尾服を身に纏い、顔を真っ赤にしていた。アドラオテルが側近を決めたことがアルティアの耳にはいり、笑顔でヨウを連れ帰ってきた。
そして、セオドアとアルティア、『黒髪』に対して偏見が全くないガロ、エンダー、レイにお風呂やら散髪やら身支度やらをこと細かく施され、今に至る。
いつも冷静なヨウはすっかり混乱状態で、顔を赤く染めている。
それも可愛らしいヨウを見ながら皇族は話し出す。
「やっぱり可愛いわ~、ヨウちゃん。赤ちゃんの時と顔一緒!ね、ラフェー!」
「そうだな。孤児には見えない。立ち振る舞いは既に貴族のそれだな」
「ヨウ様、とても大きくなって………」
「アミィ、泣かないで。きっとあの時の別れは運命で、こうして違う形で来てくれたんだね」
「何の話ですか?お父様………」
「………ッ」
皇族が普通に話しているのを聞いて萎縮するヨウ。やはり皇族というのは眩しくて、輝かしくて、尊い。
孤児で忌み子の僕はここにいてはならないのではないか………?
そんなことを思うヨウの頭にぽん、と手が乗る。見ると………金髪、茶瞳の皇配執事・レイがに、と笑顔を見せた。
「ヨウ様………いえ、ヨウ。君はこれから皇族の側近になるのです。胸を張るのです」
「そうです。滅茶苦茶な皇族なので、振り回される覚悟を」
「エンダー様、レイ様………」
「アル様、ラフェー様。ヨウ様の教育はここにいる執事、侍女で行います。よろしいですか?」
「ああ。頼む。………リーブは引き続きセラの侍女のみを募集せよ」
「は、仰せのままに」
そう深深と礼をする執事と侍女に習って頭を下げる。そんなヨウの前に、皇族の正装をしたアドラオテルが立った。そして、頭を下げるヨウに手を向けた。
「ヨウちゃん、___これからもよろしくね」
そういったアドラオテルはいつも通りの裏表のない笑顔。ヨウはそれを見て同じように笑って、その手を取った。
「____私、ヨウはこの身をアドラオテル・リヴ・レドルド・サクリファイス様に捧げます。
サクリファイス大帝国___アドラオテル様の道に、栄光あれ」
こうしてヨウは___アドラオテルの側近になったのだった。
* * *
おまけ
「アドラオテル様、勉強のお時間です」
「今日は気分じゃない~」
「だめです!やるのです!今日はサクリファイス大帝国の歴史ですよ!」
「おっ、ガロ~!今日も遊ぼ~!」
「アドラオテル様!だ!め!で!す!」
「うおっ!引っ張るな!首が締まるだろ~!」
キャイキャイと2人が喧嘩し始める。
あれは主従関係、というより友達だよな、なんて思いながらレイとセオドアは見守っていたのだった。
Fin .




