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04 夕方

 


 PM 5:00




 「あ"ぁ~…………」



 「おっさんみたいな声だな」




 お風呂の時間。いつもは割とアミィールとが多いのだが、今日はセオドアとです。湯船に浸かって子供とは思えないような声を出して寛ぐのを見て、セオドアは吹き出す。





 「だって、気持ちいいんだもん。母ちゃんのお風呂はいつもあっついんだ」



 「そんなに熱いのかい?」



 「父ちゃんも一緒に入ってみれば~?」



 「な、……アミィと一緒に風呂なんて………」



 セオドアはアミィールとお風呂、と聞いただけで顔を赤らめる。………父親は母親が大好きなのだ。すーぐ赤くなる。



 「父ちゃんはお子ちゃまだなぁ、母ちゃんとお風呂に入りたいなんて」



 「そ、そんなこと言ってない!」



 「顔に書いてる」



 「ぐぅ…………」



 セオドアは顔を両手で抑える。しかし、真っ赤な耳は隠れてない。アドラオテルはそんな父親を横目に不安げな顔を作った。



 「……?どうした?アド」



 「………父ちゃん、俺、聞きたいことがあるんだけど」



 「?何か心配事かい?」



 セオドアは優しくアドラオテルを抱っこする。アドラオテルはそれを受けながらセオドアを見上げた。




 「………俺のぞうさんも父ちゃんみたいにマンモスぞーさんになるかな………?」




 「……………」




 「父ちゃん?」





 セオドアはそれを聞いて湯船に潜ったのだった。



 * * *


 PM 6:00




 「お肉うまうまうまうま」



 「ちょっとアド!わたくしのハンバーグ取らないでくださいまし!」



 「セオ、例の農村の日照りの件はどうする?」



 「ああ、それはドゥルグレ様に聞きました。あの農村の天候は変えにくいらしいので土地にあった作物を………」



 「お母様、ちょっとお聞きしたい魔法がございまして………」



 「なになに?何属性?」




 ……この時間は家族みんなのご飯の時間です。大人達は仕事の話をすることが多いのですがアドラオテルとセラフィールはよくわかっていません。けれど、みんなでご飯を食べるのは大好きです。



 ただ…………





 「う…………」




 アドラオテルはメインディッシュのハンバーグの中にあったにとても細かく刻まれたピーマンの存在に気づく。とりあえず口に入っているピーマンを吐き出し、丁寧に___「アド」………げ。



 そんなアドラオテルの行動にセオドアが気づかないわけがなかった。セオドアは厳しい顔をしてアドラオテルを見る。



 「ピーマン、残ってるぞ?」



 「えっと、それは~、あっ!俺、これでピーマン育てたいんだぞ!」



 「ピーマンの種ならできるけど、ピーマンの身は植えてもピーマンは育たないぞ」


 「そ、そんなことないかもしれないじゃないかぁ」



 「いいから食べなさい」



 「やだぁ………」



 アドラオテルは目を手で覆う。秘技・嘘泣きである。セラフィールを観察してそれっぽい泣き方を覚えたのだ。



 それを見たラフェエルは静かに言う。



 「セオ、無理に食べさせることないんじゃないか?」



 「ラフェエル皇帝様、お言葉ですが食べ物を粗末にする教育はしたくないのです。子供とはいえ、ピーマンを育ててくれた農家にも、料理をしてくれたシェフにも、皇族の生活を支えて下さる国民に申し訳がたちません。


 なので、食べさせます」



 セオドアはピシャリ、とそう言い切る。

 あまりのド正論にラフェエルはそれ以上言えない。じいちゃん頑張ってくれよ!



 ………この家で食育を大切にしているのはセオドアである。なので、必然的にセオドアを溺愛しているこの人も味方するわけで。



 「アド」



 「ひぅ!」



 聞き馴染んだ凛とした声。ちら、と声のした方を見ると___美女の肖像画と、小さな炎。



 「アド、ピーマン、お好きですよね?」



 「あ、あい………」



 アドラオテルは本当の涙目でピーマンを口に含んだ。それを見てアルティアは「偉い~!」と拍手をした。




 「ピーマン、美味しいですよ、アド」



 「ぐずっ、ならセラがたべて………」



 「嫌です」



 セラフィールはツン、とそう言ってデザートのプリンを食べた。







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