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04 『お遊戯会』本番!

 




 「…………うん、成功だね」




 舞台裏で劇を見ているセオドアはそう呟いた。笑顔である。

 子供達は1ヶ月前からずっと練習してきた。それが存分に発揮されている。貴族達は最初こそ険しい顔をしていたけれど、劇が始まると様々な表情を見せてくれた。



 何より、子供達も楽しそうに演技をしたり演出をしたりしている。




 楽しく孤児のことを知ってもらうは間違いなく成功だ。なんというか、……舞台に立っていない俺でも、嬉しくなった。



 そんなことを思っていると、14組目の劇が終わった。次はアドラオテルとセラフィール達のチームの番だ。



 孤児達のことも気がかりだったけど、それとは別にこれも楽しみにしていたんだ。この幼稚園がない世界で我が子のお遊戯会を見れるんだぞ?本当にビデオが欲しい。欲しいものはなんだと聞かれたらビデオとカメラと迷わず言えるだろう。



 アルティア皇妃様になんとか___「セオくん」



 「あ、アルティア皇妃様」



 丁度頭に思い浮かべていた人が声をかけてきた。ビデオの件を言う前に、くい、と皇族専用席を指さした。




 「今からダッシュであそこに行って」



 「はい?なんでですか」



 「いーから、………孤児も大事だけど、自分の子供のお遊戯会はそれ相応の席で見るべきよ。



 私も子供達を送り出したら行くわ」



 「…………」




 アルティア皇妃様の言葉に胸が熱くなった。………やっぱり、子供達のお遊戯会をちゃんと見たかったんだな、俺。

 セオドアはふ、と笑みを浮かべて頷いた。


 「………わかりました。では、よろしくお願いします」



 「ええ」




 目に見えてウキウキしているセオドアの背中をアルティアはにやにやしながら見送った。そして、振り返らずに言う。




 「お膳立てはしたわ。



 じゃあ、皆、しっかりやるのよ」





 「「「「はい!」」」」



 「は、はい………」



 「ほーい!」




 子供達___チーム・『選ばれし者』は大きな声で返事をしたのだった。




 * * *





 少し時間を遡って____。




 「おお、白雪姫よ…………」




 舞台では14組目のチームが『白雪姫』をやっている。それを聞きながら茶髪のウィッグを被ったヨウが口を開いた。



 「…………次は僕達の番だね」






 「ラストは大トリよ!メインよ!盛り上げるわよ~!」




 金髪のウイッグを被ったナナは張り切りながらそう言った。その横でサイスが力むように険しい顔をして何度も言葉を繰り返す




 「練習した、大丈夫……大丈夫……」



 「大丈夫、だよ」



 「あは~んきんちょーするぅ~♪」



 チョウがサイスを励ますのを横目にアドラオテルはくねくねと踊ってそう言った。ターはそれを見て呆れる。


 「アドくんそれで本当に緊張してるの……?」



「……うう、これで失敗したら……」



 セラフィールはそう言って椅子の上で体育座りをしている。チョウに作ってもらった服を着て涙目だ。微かに震えてるのが見て取れた。




 そんなセラフィールの肩にぽん、と小さな手が乗った。そこには___ヴァリアース大国の小さな女物の制服を着て、紅銀の長い髪のウイッグをつけたアドラオテルが。





 「だいじょーぶだぞ、セラ」


 「でも………」



 「俺達が、ついてるぞ」




 アドラオテルはそう言って笑った。それに合わせてみんなも笑って頷いた。セラフィールも………それを見て顔を綻ばせた。ヨウが言う。





 「そうだ!円陣くもうよ!」



 「えんじん?」



 「あ、ナナしってる!ほら、サイスくん!こうやるの!ターくんもチョウくんもきて!」



 「わっ…………」


 「おお……?」


 7人は円陣を組んだ。向こうから司会を務めているラフェエルの側近・リーブが『次は15組目、グループ"選ばれし者"の発表、"ある恋の物語"です』と言っているのが聞こえた。




 「よし!僕達の番だ!」




 「ふふふん、何度も言うけど今日のは自信作よ!」



 「僕達、無敵」



 「……サイスくん、その通り………」




 「頑張るぞぉ………!」



 「アド、絶対、絶対成功させましょう!」



 「うん、成功させる!


 俺達は~………」



 「「「「選ばれし者!」」」」







 子供達は、手を合わせて声を挙げた。円陣を崩し、壇上にあがった。




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