06 お遊戯会準備進行中!
約束したわたくし達は動き出しました。
お父様の実家に帰った際はレイを連れて出会いの学校へ行き、お二人の世界を見て。
レイもお父様から頻繁に相談を受けていたらしく、教えてくださいました。
あとはアドラオテルと共にお父様やお母様にそれとなく聞いてみたり…………
そしてわたくしはそれを文字に起こし、アドラオテルの得た情報も記して、ナナちゃんに渡した。
「すっ…………てき!」
「!?」
「ナナちゃん!?」
ナナはそれを見て鼻血を出すほど興奮してる。心配しているチーム・『選ばれし者』を他所に言葉を重ねる。
「逆タマよ逆タマ!」
「ぎ、ぎゃくたま…………?アド、なあにそれ」
「玉の輿の男バージョンだよね~、いやぁまさか父ちゃんが告白されたなんてねえ」
「流石セオ様だよ。それを見初めたアミィール様は素晴らしい」
過剰なほど頷くヨウ。彼は心の底からセオドアを尊敬しているのだ。いつもの事だと思ったチョウはターに聞く。
「ターくん、……脚本、できる?」
「う、うん、が、ががが、頑張る………」
ターという狸の獣人はオドオドしているけれど、本や新聞、絵など創作物が好きで小説を書いたり、ストーリーを考えたりしている。孤児院内でターが匿名でナナがネタを集めた新聞を作ってたり、チョウと小説を作ってたりするのだ。
そんな会話を聞きながら、ナナはサイスを見上げる。
「サイスくん。この話なら演出には魔法必須よ、要所要所に使ってもらうわ」
「う、………うん」
サイスは小さく頷く。巨人と呼ばれるサイスの特技は武術ではなく魔法で、美しい魔法を使う。
「こうなったら一番目立ってナナ達の名前をサクリファイス中に轟かせるわよ!!!」
「おー!」
「お、おー!」
「お………う!」
ナナがそう言うと全員で拳を掲げた。
* * *
「わ、わたくしのは、配偶者に………」
「カットカットォ!」
何度目かのカットが入る。セラフィールはその言葉を聞くとびく、と肩を揺らして涙を浮かべた。
そんなのお構い無しに、ナナはセラフィールに詰め寄る。
「ここは大事なシーンよ、セラ!ここがないと物語が始まらないの!」
「も、申し訳ございません………」
「ナ、ナナちゃん!セラちゃんを怒らないで!」
「なんか言ったかクソ狸」
「ひっ……」
ターは庇うが、ナナのひと睨みで縮こまる。そんな中、セラフィールは情けなさにとうとう涙を零した。
………わたくしの役は、お母様です。
けれど、わたくしにはやはり荷が重い。だってお母様はわたくしと違ってかっこいい御方で、わたくしなど足元にも及ばない。台詞を覚えても、お母様のように堂々と出来ません。
どうしたら…………
「……………」
「アド?………きゃっ」
グズグズと泣き始めるセラフィールを見て、アドラオテルは無言でセラフィールを立たせる。
そして、自分はセラフィールの手を握りながら、その場で膝を着いた。胸に手を置き、見上げながら言う。
「_____わたくしの配偶者になっていただけませんか?」
「___ッ」
アドラオテルはそう言ってわたくしの手の甲に唇を落とした。台本通りの台詞にセラフィールは言葉を無くし、顔を赤らめる。
それを見ていた仲間たちは目を見開いて驚いている。アドラオテルはいつも巫山戯ているから意外だったのだ。
そんな中、アドラオテルはすく、と立ち上がって、ナナに言う。
「………ねえ、ナナちゃん」
「な、なに?アドちゃん」
「俺、いい事思いついたんだけど、聞いてくれない?」
そういったアドラオテルは______悪戯っぽい笑顔だった。
to be continued …… .




