05 題目はまさかの……!?
5人はそれぞれそう言って頭を抱える。それを見ていたセラフィールも口を開いた。
「べ、別に被ってもいいのではないでしょうか……?演出を変えれば……」
「やるなら被りたくないよね~」
「アド!なんで貴方はそう我儘を言うのですか!」
「いえ、アドちゃんの言うことは間違いないわ。同じ議題だと比べられちゃうし、魔法で演出をするなら年長組に勝てないもの」
「やっぱり無理だよぅ………」
「うるさいわね!次泣いたら糸で口を縫うわよ!」
「ひいっ!」
「ナナちゃん!ターくんを虐めないでくれ!」
びくびくと怯えるターをヨウは抱きしめる。ナナはち、と舌打ちをしながら考える。
アドちゃんの言う通り被りたくはないのよね。折角の晴れ舞台ですもの。そして、私達弾かれ者が目立つにはインパクトが大事よ。見た目なんて関係なくなるくらいインパクトがなくては。
私達の強みといえばアドちゃんとセラが居ること。……勿論私も目立ちたいけど、この2人が居るだけで目立つだろう。目立つよりも大好きな2人とやりたいものね。
でも、どうしたら…………
ナナはちらり、とアドラオテルとセラフィールを見る。
「セラは何がやりたい?恋愛?」
「え、っと………わたくしは……皆様がやりたいものを……」
「つまんないな~」
そんな呑気な会話をしているのを見て、何かを掴みかけた。そして、次に遠くで年長組に劇の指導をしているセオドアを見た。
それを見て、ナナは閃いた。
「ねえ、セラ」
「なあに?ナナちゃん」
「セオお兄ちゃんって、たしか最初は皇族ではなく他国の公爵家よね?」
「う、うん、そうだけど………」
「皇族は普通そのような結婚するものなの?」
「ううん、普通は他国の王族とか、国内の優秀な御方とか……で、でも、お父様は優秀です!」
「うん、うん。………それね」
「はい?」
ナナはにやり、と笑って全員を手で呼び寄せた。自然と円陣のようなものを組んでから静かに言う。
「____私達の劇、その題材は___セラとアドちゃんのお父様とお母様の物語よ!」
「ええ!?」
「お?」
「え………?」
「………?」
「ぬ?」
「…………は?」
全員がそれぞれの反応を見せる中、ナナは饒舌になる。
「サクリファイス大帝国の皇女と、他国の公爵家がどうやって付き合ってどうやって結婚したのか……そんなの、ぜっっったい盛り上がるに決まってるじゃない!尚且つその役をその子供がやったら………?
私達が一番ある意味目立てるわ!」
「そ、それは……」
それはそうだろうけど!
セラフィールは心の中でそう叫ぶ。
………サクリファイス皇族は各国の王族や国内の有識者としか結婚しない。それだけでなくおじい様のラフェエルはお母様の婚約の申し込みを全部断っていたらしい。
それなのに、お父様との結婚は認めた。だから娘のわたくしも興味があるけれど、それは………
「そ、それは難しいと__「いい、ね、それ」……チョウ様!?」
黙っていたチョウ様が口を開いた。つぶらな瞳がキラキラしています。それに続くようにター様も口を開いた。
「ぼ、僕、脚本やりたい、かも……」
「道具係、やる」
「………まあ、セオ様のことなら………」
「………!」
あのヨウ様まで………!
セラフィールは真っ青になりながらアドラオテルを見る。アドラオテルはにやにやといやらしい顔をして意思疎通をしてきた。
『いいじゃん、楽しそう』
『でもわたくし達は出会いを知りません!』
『聞けばいいだろ?それにじーじの家に行くしタイミングばっちりじゃん』
『そ、それは………』
未だにやりたがらないセラフィールを放って、アドラオテルは小さな声で、しっかりいった。
「じゃ、決まりだぞ!俺とセラで馴れ初めをバッチリ聞いてくる!」
「アドちゃんは話が分かるわぁ~よろしくね♪それから色々考えましょ!」
「ううっ………」
押しに弱いセラフィールは泣く泣くそれをやることになったのだった。




