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03 どうしても縦社会になる

 



 「お前はなんでそういつもいつもちゃんと確認しないんだ!?その色違いの目は何も映してないのか!?どうなんだアドラオテル!」



 「きゃー、いやーん♪」


 ヨウはゆさゆさとアドラオテルを揺さぶる。アドラオテルはどこか楽しそうだ。それを見ていたターとサイスは慌てる。




 「よ、ヨウくん、そんなに怒らないで……」



 「僕、だいじょうぶ………」



 「2人も甘やかすな!アドラオテルが調子に乗るだろ!ねえチョウくん!」



 「アドくん、ナイスボール………」



 「わかってるねえチョウくん♪」



 「褒めるなぁぁぁぁ!」




 ヨウの怒涛のツッコミ、止まらず。ヨウはグループで一番しっかり者だからこそ、アドラオテルを怒れるのだ。最初こそ皇族だとドキマギしてたけど、もうそんなものはない。アドラオテルはおかしいのだ。変人なのだ!




 そんな話をしていると敵チームのボス・ハイセが意地の悪い顔をして話しかけてきた。




 「アドナイス~、点ありがとうなぁ?」



 「それほどでも~♪」



 「褒めてない!貶されてるんだよ!」



 「おいヨウ、忘れてないだろうな?これに勝ったら1週間このコートを俺達が使うんだからな」



 「ッ………」


 そう言ってハイセは仁王立ちする。

 ………ハイセ達のチームは全員10歳を超えているのだ。そして、こうして僕たち5~6歳に意地悪をする。しかもずる賢くて、保母やアルティア様、セオドア様のいない所でするのだ。


 この戦いは負けられないもの。僕達が負けたらまた10歳組に遊具を取られたり、遊ぶ場所を制限されたり、おやつを取られたりと意地悪をされるんだ。




 「だからっ、負けられないんだよ!巫山戯るなアドラオテル!」


 「巫山戯てないぞ!本気のマジの大真面目だぞ!」



 「無駄に凛々しい顔をしてもだめだ!


 とにかく!お前はボールを集めろ!できるだろ、アドラオテル!」



 「え~、シュートしたい~」



 「はははっ、シュートしろしろ、自分のゴールに___「あらあらあらあらこんな所に広い場所があるじゃない」………………げっ!」




 そんな話をしていると、よく聞き慣れた声がした。男子全員の背筋が伸びた。あのアドラオテルでさえ、だ。



 振り返ると____堂々と仁王立ちするナナと、その後ろに隠れるようにしがみつくセラフィールの姿が。そしてその後ろには沢山の女子。



 _____この孤児院には、ヒエラルキーと言うものがある。


 このヨーロッパのような世界観では男子の方が偉いという風習があるが、この孤児院はそうではない。


 この孤児院で一番偉いボス的な存在なのは_____この、ナナという女だからだ。



 ナナは震える男子に目を向けることなく言う。




 「こんなに広い敷地に、こんなに沢山の殿方がいらっしゃるのですもの。これはおままごとに最適な立地ですわよねえ?


 そう思わない?セラ」



 「え、ええ…………けれども、殿方が遊んでいるのを邪魔していいのでしょうか………?」



 セラフィールは潤んだ黄金色と緑色の瞳で男子達を見る。男子の目はアドラオテル以外ハートになっている。




 …………ナナという女は5歳だと言うのにとてもませていて、気が強く、こうして男子を言葉で威圧する。根っからの女王気質であり年長でも口喧嘩で勝つことができない。



 加えて、セラフィールはその美貌と優しさで孤児院の男子はアドラオテル以外全員惚れている。



 その武器を知って活かしているのがこの恐ろしい5歳児・ナナなのである。












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